(Translated by https://www.hiragana.jp/)
井関隆子 - Wikipedia コンテンツにスキップ

井関いせき隆子たかこ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

井関いせき 隆子たかこ(いせき たかこ、1785ねん7がつ26にち天明てんめい5ねん6月21にち[1] - 1844ねん12月10にち天保てんぽう15ねん11月1にち[1])は、江戸えど時代じだい後期こうき活躍かつやくした女流じょりゅう歌人かじん日記にっき作者さくしゃ物語ものがたり作者さくしゃ

来歴らいれき

[編集へんしゅう]

幕臣ばくしん大番組おおばんぐみ庄田しょうだやすし僚のよんじょとして、四谷よつやひょう大番おおばんまち現在げんざい新宿しんじゅく大京だいきょうまち26のあたり)にまれる[1]。20さいころ大番組おおばんぐみ松波まつなみ源右衛門げんえもん結婚けっこんしたが、23さいころ離婚りこん[1]。30さいころ納戸なんど組頭くみがしら井関いせきちかしきょう再婚さいこんする[1]2人ふたりあいだはなかった[1]井関いせき屋敷やしきは、きゅうだん坂下さかした現在げんざい千代田ちよだきゅうだん1-5のあたり)にあった。文政ぶんせい9ねん(1826ねん)におっとぼっする[1]以後いごほんみ、うたえいじ、日記にっき物語ものがたりいて悠々自適ゆうゆうじてき生涯しょうがいおくったという[2]天保てんぽう9ねん(1838ねん)『さくらゆうものかたり』を[1]天保てんぽう11ねん(1840ねん)までに『神代かみよのいましめ』をえる[1]

天保てんぽう11ねん1がつ1にちから代表だいひょうさく井関いせき隆子たかこ日記にっき』の執筆しっぴつ開始かいしし、天保てんぽう15ねん(1844ねん)10がつ11にちまでいだ[1]同年どうねん11がつ1にち死去しきょ[1]

著書ちょしょ

[編集へんしゅう]
  • 井関いせき隆子たかこ日記にっきぜん12さつ
    昭和女子大学しょうわじょしだいがく図書館としょかん自筆じひつほん所蔵しょぞう天保てんぽう11ねん(1840ねん)1がつ1にちから天保てんぽう15ねん(1844ねん)10がつ11にちまでの900日間にちかん日記にっき天候てんこう地震じしん四季しき折々おりおり自然しぜん変化へんか出来事できごと様々さまざま見聞けんぶん人物じんぶつ社会しゃかい政治せいじ学問がくもん文学ぶんがくへの批評ひひょうとうしるされている。とくしんけいまごしんけんからつたえられる江戸城えどじょうない様子ようす詳細しょうさいめられているてん貴重きちょう江戸えど時代じだい日記にっき文学ぶんがくとしても歴史れきしてき資料しりょうとしても価値かちがあるとされる[2]
  • 『さくらゆうものかたり』 6かん1さつ
    自筆じひつほん東北大学とうほくだいがく附属ふぞく図書館としょかん狩野かの文庫ぶんこおさまる。平安朝へいあんちょうの『たけ物語ものがたり』『伊勢物語いせものがたり』『源氏物語げんじものがたりとう構想こうそうりて、現実げんじつ仏教ぶっきょうかいきびしく批判ひはんしたものとされる[3]
  • 神代かみよのいましめ』写本しゃほん墨付すみつき28よう
    昭和女子大学しょうわじょしだいがく図書館としょかん所蔵しょぞう鈴木すずき重嶺しげねみどりえん叢書そうしょまき26に収録しゅうろく平安朝へいあんちょう散逸さんいつ物語ものがたりかくみのとう構想こうそうつくられた物語ものがたりで、首席しゅせき老中ろうじゅう批判ひはんとおして人間にんげん表裏ひょうりめんせいえがいている[2]
  • 『いなみ吉海よしうみ直人なおと所蔵しょぞう写本しゃほんものかたりごう墨付すみつき54よううち、5よう
    播磨はりまこく印南野いんなみの舞台ぶたいにした物語ものがたり隆子たかこはすすき・尾花おばな大好だいすきで、そのおもいを作品さくひんしたもの[4]
  • 井関いせき隆子たかこ長短ちょうたん
    秋野あきのはな』に短歌たんか収録しゅうろくされている。また『井関いせき隆子たかこ日記にっき』にも800しゅほどの長歌ながうた短歌たんか収録しゅうろくされている。
  • しのびね写本しゃほん、1さつ
    静嘉堂文庫せいかどうぶんこぞう擬古ぎこ物語ものがたり井関いせき隆子たかこ頭注とうちゅう傍注ぼうちゅう追加ついかしたもの。書写しょしゃ井関いせき隆子たかこ推測すいそくされる[5]

書写しょしゃほん

[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう

[編集へんしゅう]
  1. ^ a b c d e f g h i j k 深沢ふかざわ秋男あきお井関いせき隆子たかこ研究けんきゅう和泉いずみ書院しょいん、2004ねん11月、18-27ぺーじ 
  2. ^ a b c 深沢ふかざわ秋男あきお井関いせき隆子たかこ研究けんきゅう[ようページ番号ばんごう]和泉いずみ書院しょいん、2004ねん11月
  3. ^ 新田にった孝子たかこ井関いせき隆子たかこ文芸ぶんげいたてぞう『さくらゆうものかたり』の著者ちょしゃ」(『図書館としょかんがく研究けんきゅう報告ほうこく東北大学とうほくだいがく、13ごう、1980ねん12がつ
  4. ^ 吉海よしうみ直人なおと新出にいで資料しりょうものかたりごう』の翻刻ほんこく解題かいだい井関いせき隆子たかこ周辺しゅうへん創作そうさく活動かつどう―」(『同志社女子大学どうししゃじょしだいがく 日本語にほんご日本にっぽん文学ぶんがく』8ごう、1996ねん10がつ
  5. ^ 深沢ふかざわ秋男あきお井関いせき隆子たかここうちゅう『しのびね』(静嘉堂文庫せいかどうぶんこぞうこう」(『近世きんせい初期しょき文芸ぶんげい』34ごう
  6. ^ 吉海よしうみ直人なおと「〈新出にいで資料しりょう井関いせき隆子たかこ自筆じひつ雅文がぶん』の影印えいいん解題かいだい紹介しょうかい」(『文学ぶんがく研究けんきゅう』91ごう、2003ねん4がつ

参考さんこう文献ぶんけん

[編集へんしゅう]
  • 井関いせき隆子たかこ日記にっきぜん3かん深沢ふかざわ秋男あきおこうちゅうつとむまことしゃ、1978ねん11月 - 1981ねん6がつ
  • ドナルド・キーン井関いせき隆子たかこ日記にっき (1)・(2)・(3)(ひゃくだい過客かかく日記にっきにみる日本人にっぽんじん―)」朝日新聞あさひしんぶん、1984ねん4がつ4にち - 6にち
  • 深沢ふかざわ秋男あきお井関いせき隆子たかこ研究けんきゅう和泉いずみ書院しょいん、2004ねん11月
  • 深沢ふかざわ秋男あきお旗本はたもと夫人ふじん江戸えどのたそがれ』文春ぶんしゅん新書しんしょ、2007ねん11月
  • 真下ましも英信えいしん古代こだいギリシア史論しろん拾遺しゅうい私家版しかばん、2008ねん2がつ
  • 真下ましも英信えいしん「『井関いせき隆子たかこ日記にっき』にられる地震じしん記述きじゅつ」『慶應義塾けいおうぎじゅく女子じょし高等こうとう学校がっこう研究けんきゅう紀要きよう』26ごう、2009ねん3がつ
  • 真下ましも英信えいしん「『井関いせき隆子たかこ日記にっき理解りかいひとつの手掛てがかり」『慶應義塾けいおうぎじゅく女子じょし高等こうとう学校がっこう研究けんきゅう紀要きよう』29ごう、2012ねん3がつ
  • 真下ましも英信えいしんおとむ『井関いせき隆子たかこ日記にっき』:天気てんき記述きじゅつ」『慶應義塾けいおうぎじゅく女子じょし高等こうとう学校がっこう研究けんきゅう紀要きよう』30ごう、2013ねん3がつ
  • 真下ましも英信えいしんおとむ『井関いせき隆子たかこ日記にっき』:とり」『慶應義塾けいおうぎじゅく女子じょし高等こうとう学校がっこう研究けんきゅう紀要きよう』31ごう、2014ねん3がつ
  • 真下ましも英信えいしんおとむ『井関いせき隆子たかこ日記にっき』:物売ものうり」『慶應義塾けいおうぎじゅく女子じょし高等こうとう学校がっこう研究けんきゅう紀要きよう』32ごう、2015ねん3がつ
  • 真下ましも英信えいしん「『井関いせき隆子たかこ日記にっき』がつづられたころ江戸えど天候てんこうについて」『慶應義塾けいおうぎじゅく女子じょし高等こうとう学校がっこう研究けんきゅう紀要きよう』33ごう、2016ねん3がつ
  • 真下ましも英信えいしん「『井関いせき隆子たかこ日記にっき天保てんぽう15ねん4がつ29にち日付ひづけについて」『慶應義塾けいおうぎじゅく女子じょし高等こうとう学校がっこう研究けんきゅう紀要きよう』33ごう、2016ねん3がつ
  • 真下ましも英信えいしん「『井関いせき隆子たかこ日記にっきがつ初日しょにち末日まつじつ記述きじゅつについて」『慶應義塾けいおうぎじゅく女子じょし高等こうとう学校がっこう研究けんきゅう紀要きよう』34ごう、2017ねん3がつ
  • 真下ましも英信えいしん「『井関いせき隆子たかこ日記にっき天保てんぽう11ねん7がつ3にち日付ひづけについて」『慶應義塾けいおうぎじゅく女子じょし高等こうとう学校がっこう研究けんきゅう紀要きよう』34ごう、2017ねん3がつ
  • 深沢ふかざわ秋男あきお井関いせき隆子たかここうちゅう『しのびね』(静嘉堂文庫せいかどうぶんこぞう)こう」『近世きんせい初期しょき文芸ぶんげい』34ごう、2017ねん12月
  • 真下ましも英信えいしん井関いせき隆子たかこ防災ぼうさい意識いしきまなぶ」『慶應義塾けいおうぎじゅく女子じょし高等こうとう学校がっこう研究けんきゅう紀要きよう』35ごう、2018ねん3がつ
  • 深沢ふかざわ秋男あきお「『井関いせき隆子たかこ日記にっき』の日付ひづけ訂正ていせい」『芸文げいぶん稿こう』11ごう、2018ねん7がつ
  • 深沢ふかざわ秋男あきお研究けんきゅう生活せいかつおも〔1〕井関いせき隆子たかこ」『芸文げいぶん稿こう』13ごう、2020ねん7がつ