(Translated by https://www.hiragana.jp/)
交響曲第1番 (ブルッフ) - Wikipedia コンテンツにスキップ

交響こうきょうきょくだい1ばん (ブルッフ)

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

交響こうきょうきょくだい1ばんへん長調ちょうちょう 作品さくひん28は、マックス・ブルッフ作曲さっきょくした最初さいしょ交響曲こうきょうきょく[1]

概要がいよう

[編集へんしゅう]

1864ねんコブレンツしょくにある時期じきにブルッフはヘルマン・レヴィから交響こうきょうきょく作曲さっきょく提案ていあんけた。ブルッフはすでにいくつかの合唱がっしょうきょく歌劇かげき成功せいこうおさめてはいたが、器楽きがく分野ぶんやでも経験けいけんむために交響こうきょうきょく作曲さっきょく決意けついし、ヴァイオリン協奏曲きょうそうきょくだい1ばんとほぼおな時期じきついやしてこの作品さくひんかれた。1868ねん7がつ26にちゾンダースハウゼンドイツばん英語えいごばんにて初演しょえんされ、同年どうねんまつに「友情ゆうじょうめて」ヨハネス・ブラームス献呈けんていされた。

作風さくふうとしてはフェリックス・メンデルスゾーンロベルト・シューマンながれをむ。初演しょえん一定いってい成功せいこうおさめ、ヘルマン・クレッチマー(Hermann Kretschmar)はブルッフの評伝ひょうでんなかで「その時代じだいもっとられた交響こうきょうきょくひとつ」とべている。

編成へんせい

[編集へんしゅう]

フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット2、トロンボーン3、ティンパニつる

楽曲がっきょく構成こうせい

[編集へんしゅう]

4楽章がくしょうからなり、演奏えんそう時間じかんやく30ふん初演しょえんにはシューマンの「ライン」交響曲こうきょうきょくおなじく5楽章がくしょうからなっていたが、だい2楽章がくしょうかれていた「インテルメッツォ」は同年どうねん10がつ再演さいえん以降いこう割愛かつあいされた[2]

  • だい1楽章がくしょう Allegro maestoso 
    へん長調ちょうちょう、4/4拍子ひょうし。Esおんオルゲルプンクトり、ひろ音域おんいきだいいち主題しゅだい雄大ゆうだいそうされる。この主題しゅだい発展はってんトゥッティとなったのち木管もっかん楽器がっきによるだいいち主題しゅだいからみちびかれた挿入そうにゅうて、ト長調とちょうちょうおだやかなだい主題しゅだい弦楽げんがくる。展開てんかいでは提示ていじかく動機どうき入念にゅうねんあつかわれ(主題しゅだい展開てんかいはこのきょくにおけるブルッフの課題かだいひとつだった)、その頂点ちょうてんだいいち主題しゅだい壮麗そうれい再現さいげんされる。そのいきおいをたもったままだい主題しゅだいへん長調ちょうちょう再現さいげんされ、だい展開てんかいおもむきつコーダでわる。
  • だい2楽章がくしょう Scherzo: Presto
    ト短調とたんちょう、2/4拍子ひょうし。メンデルスゾーンの影響えいきょう顕著けんちょスケルツォ楽章がくしょう主部しゅぶは《なつよるゆめ》をおもわせる弦楽器げんがっきによるざわめきが支配しはいしている。トリオはト長調とちょうちょうとなり、じゅうろくふん音符おんぷきざみにってのびのびとした主題しゅだいうたわれる。オーケストレーションをえた主部しゅぶ再現さいげんて、トリオがみじか再現さいげんされてプレスティッシモでわる。
  • だい3楽章がくしょう Quasi Fantasia: Grave 
    へん短調たんちょう、4/4拍子ひょうし。68小節しょうせつみじか楽章がくしょうだが、ブルッフの旋律せんりつざいることができる。オルガンおもわせるひびきではじまり、チェロ、オーボエ、クラリネットといった楽器がっきのソロがかなしげにうたわす。この対話たいわがヴィオラのそうするだい1楽章がくしょう旋律せんりつわると、冒頭ぼうとう旋律せんりつ回帰かいきしてクライマックスをつくる。それにソロぐんつづき、ティンパニのBおとのこってつぎ楽章がくしょうなくつづく。
  • だい4楽章がくしょう Finale: Allegro guerriero 
    へん長調ちょうちょう、2/2拍子ひょうし。メンデルスゾーンの「スコットランド」交響曲こうきょうきょくのフィナーレとおな発想はっそう標語ひょうごっている。まずチェロに軽快けいかい動機どうき、それにって特徴とくちょうてきなリズムのだいいち主題しゅだい提示ていじされる。なめらかなだい主題しゅだい長調ちょうちょうで、クラリネットとホルンのソリにる。展開てんかいをはさみ、再現さいげんではふたつの主題しゅだい逆順ぎゃくじゅん再現さいげんされる。

参考さんこう文献ぶんけん

[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく

[編集へんしゅう]
  1. ^ 習作しゅうさく1861ねん(23さい)までに3きょく交響曲こうきょうきょくいた記録きろくもあるが、どれも現存げんそんしない。本田ほんだひろしあきら「マックス・ブルッフ《交響こうきょうきょくだい2ばん短調たんちょう作品さくひん36 : ブラームスの交響こうきょうきょく先駆さきがけ」『あかいはりねずみ』だい47ごう日本にっぽんブラームス協会きょうかい、2019)p. 41。
  2. ^ Eckhardt van den Hoogen, [trans.] Susan Marie Praeder (2020) "From Mnemonic Devices to Revelatory Experiences – or: The Rocky Road to Bruch the Symphonist" Max Bruch: Complete Symphonies (CD) CPO. 555252-2. p. 34.

外部がいぶリンク

[編集へんしゅう]