伊達だて眼鏡めがね

伊達だて眼鏡めがね（だてめがね）とは、装身具そうしんぐとしてかける眼鏡めがね。

伊達だて眼鏡めがねの場合ばあい、視力しりょくの補正ほせいや遮光しゃこうなど、眼鏡めがねの機能きのうを目的もくてきとしていない。そのため度ど無なしのレンズがはめ込こまれているが、レンズそのものが無ないタイプもある。

概要がいよう

語源ごげんは「立たつ」で、これは「目立めだつ」や「男おとこが立たつ」という「引ひき立たつ」という意味いみ。

昔むかしから「眼鏡めがねは男おとこを三さん分ふん（さんぶ）上あげる」と言いわれ、男性だんせいが眼鏡めがねを装着そうちゃくすると3割わり増ましで男前おとこまえになるとされる。なお、お洒落しゃれのために目めに掛かけるものと言いえばサングラスも同様どうようのようであるが、サングラスには遮光しゃこうのために必然ひつぜん的てきに掛かけなければならない場面ばめんが想定そうていされる反面はんめん、伊達だて眼鏡めがねは見栄みばえが純粋じゅんすいに目的もくてきなので、この点てんでは一般いっぱん的てきなサングラスは伊達だて眼鏡めがねには分類ぶんるいされないと考かんがえられる（詳細しょうさいはサングラスの項こうを参照さんしょう）。

対たいして「眼鏡めがねは女おんなを三さん分ふん下さげる」と言いわれる一方いっぽうで、眼鏡めがねをかけている女性じょせい「眼鏡めがねっ娘むすめ（めがねっこ）」も人気にんきがあり、眼鏡めがねをチャームポイントとするタレントやアイドルも存在そんざいする。昭和しょうわ3年ねんの書籍しょせきにもすでに、ある劇場げきじょうで女優じょゆうを募集ぼしゅうしたところ、眼鏡めがねをかけた写真しゃしんを送おくってよこした者ものが数すう名めいあって、しかもそのうち2、3人にんは視力しりょくは悪わるくないと自みずから申告しんこくしてきたという事例じれいが紹介しょうかいされている^[1]。

心理しんり学者がくしゃの富田とみた隆たかしは、伊達だて眼鏡めがねは仮面かめんをかぶるのと同おなじであり、コンプレックスを隠かくすために行おこない、周期しゅうき的てきに流行りゅうこうすると分析ぶんせきしている。

普段ふだんは度ど付つきの眼鏡めがねを使用しようしている芸能人げいのうじんの場合ばあいに、レンズが光ひかりを反射はんしゃしてテレビ映うつりが悪わるくなるとして、コンタクトレンズを着用ちゃくようした上うえでレンズ無なしの伊達だて眼鏡めがねを使用しようする人物じんぶつも存在そんざいする。

眼科がんか医いにより伊達だて眼鏡めがねが処方しょほうされることもある。眼めに異常いじょうがないのにもかかわらず視力しりょくが低下ていかする心しん因いん性せい視力しりょく障害しょうがいでは、背景はいけいに眼鏡めがねに対たいする憧あこがれがあることがある。眼鏡めがね願望がんぼうによる心しん因いん性せい視力しりょく障害しょうがいは、小学校しょうがっこう3 - 4年生ねんせいの女児じょじに多おおく見みられる。遠視えんしのレンズと近視きんしのレンズを重かさね合あわせて度どのない状態じょうたいを作つくり出だすトリック検査けんさで視力しりょくが出でた場合ばあいには、伊達だて眼鏡めがねを処方しょほうして患児の眼鏡めがね願望がんぼうを叶かなえてやることが治療ちりょうに有効ゆうこうである^[2]。