倉敷くらしき浅尾あそお騒動そうどう

倉敷くらしき浅尾あそお騒動そうどう（くらしきあさおそうどう）は、慶応けいおう2年ねん（1866年ねん）、長州ちょうしゅう藩はん第だい二に奇き兵隊へいたい幹部かんぶの立石たていし孫一まごいち郎ろうに率ひきいられて脱走だっそうした約やく100人にんが倉敷くらしき代官だいかん所しょを焼払やきはらい、総社そうじゃ浅尾あさお藩はん陣屋じんやを襲撃しゅうげきした事件じけん。

• 倉敷くらしき代官だいかん所しょは、江戸えど幕府ばくふ直轄ちょっかつの代官だいかん所しょ。
• 浅尾あさお藩はんは、元治もとはる元年がんねん（1864年ねん）、禁門きんもんの変へん（蛤はまぐり御門みかどの変へん）で会津あいづ藩はんとともに御門みかど直近ちょっきんの警護けいごをしていた藩はん。

倉敷くらしき代官だいかん所しょ襲撃しゅうげき

慶応けいおう2年ねん4月がつ10日とおか（1866年ねん5月がつ24日にち）早暁そうぎょう、強つよ雨うの中なか襲撃しゅうげき、代官だいかん所しょ襲撃しゅうげきの主しゅ目標もくひょうは、代官だいかんの誅殺ちゅうさつであったが、代官だいかん桜井さくらい久之ひさゆき介かいは、広島ひろしまに出張しゅっちょう中ちゅうで不在ふざい。幕府ばくふ側がわの上級じょうきゅう武士ぶしはいち早はやく逃亡とうぼうし、代官だいかん所しょに踏ふみとどまった長谷川はせがわ仙介せんすけ、小松原こまつばら芳太郎よしたろうなど9名めいが死亡しぼうした。 襲撃しゅうげき後ご、立石たていしら襲撃しゅうげき部隊ぶたいは総社そうじゃに向むかい、宝たから福ぶく寺てらに宿営しゅくえいした。

総社そうじゃ浅尾あさお藩はん陣屋じんや襲撃しゅうげき

同どう4月がつ13日にち暁あかつき七ななツ（午前ごぜん2時じ）、浅尾あさお藩はん陣屋じんやに到着とうちゃくした襲撃しゅうげき部隊ぶたいは、まず郡ぐん会所かいしょと観かん蔵ぞう寺てらに放火ほうか。さらに藩士はんし宅たくなどに火ひをかけた。浅尾あさお藩はん陣屋じんや内ないはたちまち大だい混乱こんらんに陥おちいった。浅尾あそお藩はんは大砲たいほう3発はつを発射はっしゃしたが、生存せいぞん者しゃの全員ぜんいんが陣屋じんやから逃にげ去さった。

襲撃しゅうげき後ご

浅尾あさお藩はん陣屋じんや襲撃しゅうげき後ご、襲撃しゅうげき部隊ぶたいは高梁川たかはしがわ河口かこう付近ふきんにおいて休憩きゅうけい中ちゅうに、広島ひろしまから派遣はけんされた幕府ばくふ軍ぐんの銃撃じゅうげきを受うけて潰走かいそう、長州ちょうしゅう藩はん領りょうへ逃にげ帰かえる。

長州ちょうしゅう藩はんの命令めいれいで襲撃しゅうげきさせたと誤解ごかいが生しょうじぬよう木戸きど孝允たかよしは、近隣きんりん諸しょ藩はんに「浮浪ふろうの者ものの虚言きょげん」であったと申もうし開ひらきをするとともに脱走だっそう兵へいの逮捕たいほを依頼いらいし、同時どうじに長州ちょうしゅう藩はん内ないの規律きりつを厳重げんじゅうにするよう手配てはいした。その後ご、捕とらえられた暴徒ぼうとや脱走だっそう兵へいは厳刑げんけいに処しょされ、近隣きんりん諸しょ藩はんに敵意てきいのないことを説明せつめいするなど、事後じご処理しょりを厳正げんせいに行いった。

立石たていし孫一まごいち郎ろうは隊たい士しの助命じょめい嘆願たんがん工作こうさく中ちゅうに潜伏せんぷく先さきで殺害さつがいされ、脱走だっそう隊たい士しの多おおくが藩はん政府せいふにより捕縛ほばく、処刑しょけいされた。

参考さんこう文献ぶんけん

田口たぐち由香ゆか『幕まく長ちょう戦争せんそう段階だんかいにおける木戸きど孝允たかよしの政治せいじ構想こうそう』広島大学ひろしまだいがく大学院だいがくいん教育きょういく学がく研究けんきゅう科か紀要きよう　第だい二に部ぶ　第だい51号ごう(2002)

関連かんれん作品さくひん

• 『倉敷くらしきの若旦那わかだんな』 司馬しば遼りょう太郎たろう（講談社こうだんしゃ文庫ぶんこ『アームストロング砲ほう』収録しゅうろく）

外部がいぶリンク

• 倉敷くらしき・浅尾あさお暴動ぼうどう事件じけん - ウェイバックマシン（2001年ねん4月がつ7日にちアーカイブ分ぶん）