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がわとげひれ上目うわめ

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がわとげひれ上目うわめ
マダラ Gadus macrocephalusタラ
分類ぶんるい
さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
もん : 脊索せきさく動物どうぶつもん Chordata
もん : 脊椎動物せきついどうぶつもん Vertebrata
つな : じょうひれつな Actinopterygii
階級かいきゅうなし : ほねるい Teleostei
階級かいきゅうなし : Ctenosquamata
階級かいきゅうなし : Acanthomorpha
上目うわめ : がわとげひれ上目うわめ Paracanthopterygii

がわとげひれ上目うわめ(そくきょくきじょうもく、Paracanthopterygii)は、ほねるい分類ぶんるいぐんひとつ。現生げんなま魚類ぎょるいとしてはサケスズキマトウダイステューレポルスタラふくまれる。絶滅ぜつめつしたグループとして Sphenocephaliformes ぞくする。

分類ぶんるい

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サケスズキ化石かせきしゅAmphiplaga brachyptera)。最古さいこのサケスズキ魚類ぎょるい化石かせきは、あかつきしん後期こうき地層ちそうから産出さんしゅつする
ヨーロッパヘイク Merluccius merlucciusメルルーサ)。タラにはほんたねふくすうおおくの水産すいさん重要じゅうようしゅ所属しょぞくしている

がわとげひれ上目うわめ正真しょうしんこつ(Euteleostei、ほねるい下位かい分類ぶんるい)に所属しょぞくする硬骨魚こうこつぎょるい一群いちぐんであり、サケスズキ・タラアシロガマアンコウアンコウ・Sphenocephaliformes けい6もくふくまれていた。1960年代ねんだい後半こうはんにGreenwoodらによって提唱ていしょうされ[1]正真しょうしんこつなかではとげひれ上目うわめいで進化しんかすすんだ高位こういぐんとして位置いちづけられている。

がわとげひれ上目うわめ分類ぶんるいぐんとしての厳密げんみつ定義ていぎけをいたまま設置せっちされ、そのたん系統けいとうせい当初とうしょより疑問ぎもんされてきた[2]近年きんねんミトコンドリアDNA解析かいせきなどの分子生物学ぶんしせいぶつがくてき手法しゅほうもとづき、本上ほんじょうがわ系統けいとうぐんであることを示唆しさする報告ほうこく相次あいついでいる。サケスズキとタラはそれぞれギンメダイ(ギンメダイ上目うわめ)およびマトウダイとげひれ上目うわめ)と姉妹しまいぐん関係かんけいにあり[3]、これらの4ぐんをひとまとめのグループとしてあつかうことではじめてがわとげひれ上目うわめたん系統けいとうになるとされた[4]

のこるアシロ・ガマアンコウ・アンコウの3ぐんは、相互そうご類縁るいえん関係かんけい実際じっさいにはさほどちかくないとみられ、がわとげひれ上目うわめから除外じょがいされた。アシロは「Percomorph」(とげひれ上目うわめのうちクジラウオ以降いこう一群いちぐんす)のなかでもっとも原始げんしてきなグループとされ、一方いっぽうでアンコウはより高位こういぐんであるヒシダイスズキ)ときんえんである可能かのうせい指摘してきされている。また、ガマアンコウタウナギトゲウオとの類縁るいえん関係かんけいしめされていた[4]

以上いじょうのような分子生物学ぶんしせいぶつがくてき手法しゅほうもとづくあらたな系統けいとう分析ぶんせき結果けっかは、従来じゅうらい形態けいたいがくによる分類ぶんるいとの矛盾むじゅんてんがみられるケースもおおく、Nelson(2006)はがわとげひれ上目うわめ大幅おおはば改変かいへん実施じっしするには、両者りょうしゃ方法ほうほうわせたさらなる検討けんとう必要ひつよう指摘してきした[2]

2017ねん研究けんきゅうでは分子ぶんし系統けいとう解析かいせき結果けっかもとづき、サケスズキ・マトウダイ・ステューレポルス・タラの4もくぞくするとされた[5]

Sphenocephaliformes はく亜紀あき地層ちそうからられる海産かいさんぎょ一群いちぐんである。あぶらひれく。かつてはとしてサケスズキふくめられていたが、椎骨ついこつ形態けいたいなどの特徴とくちょうもとづき、現在げんざいでは独立どくりつとしてあつかわれている。

Sphenocephaliformesはもっと基盤きばんてきがわとげひれ上目うわめかんがえられており、SphenocephalusXenyllionの2ぞくぞくする[6]

系統けいとう

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以下いかのような系統けいとうじゅられている[5]

Acanthomorpha

アカマンボウ

がわとげひれ上目うわめ

サケスズキ

Zeiogadaria

マトウダイ

Gadariae

ステューレポルス

タラ

ギンメダイ

とげひれ上目うわめ

出典しゅってん脚注きゃくちゅう

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  1. ^ Greenwood PH, Rosen DE Weitzman SH, Myers GS (1966). “Phyletic studies of teleostean fishes, with a provisional classification of living forms”. Bull Amer Mus Nat Hist 131: 339-456. 
  2. ^ a b Nelson JS (2006). Fishes of the world (4th edn). New York: John Wiley and Sons 
  3. ^ Wiley EO, Johnson GD, Dimmick WW (2000). “The interrelationships of acanthomorph fishes: a total evidence approach using molecular and morphological data”. Biochem Syst Ecol 28: 319-350. 
  4. ^ a b Miya M, Satoh TP, Nishida M (2005). “The phylogenetic position of toadfishes (order Batrachoidiformes) in the higher ray-finned fish as inferred from partitioned Bayesian analysis of 102 whole mitochondrial genome sequences”. Biol J Linn Soc 85: 289-306. 
  5. ^ a b Betancur-R, R., Wiley, E.O., Arratia, G. et al. (2017). “Phylogenetic classification of bony fishes”. BMC Evol Biol 17 (162). doi:10.1186/s12862-017-0958-3. 
  6. ^ Murray, Alison M., et al. (2020). “Earliest North American articulated freshwater acanthomorph fish (Teleostei: Percopsiformes) from Upper Cretaceous deposits of Alberta, Canada”. Geological Magazine 157 (7): 1087-1096. doi:10.1017/S0016756819001328. 

参考さんこう文献ぶんけん

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  • Joseph S. Nelson 『Fishes of the world 4th edition』 Wiley & Sons, Inc. 2006ねん ISBN 0-471-25031-7
  • 上野うえのあきらわたる坂本さかもと一男かずお新版しんぱん ぎょ分類ぶんるい図鑑ずかん東海大学とうかいだいがく出版しゅっぱんかい 2005ねん ISBN 978-4-486-01700-4
  • 岩井いわいたもつさかながく入門にゅうもん恒星こうせいしゃ厚生こうせいかく 2005ねん ISBN 978-4-7699-1012-1