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とげひれ上目うわめ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
とげひれ上目うわめ
スズキ Lateolabrax japonicusスズキ
分類ぶんるい
さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
もん : 脊索せきさく動物どうぶつもん Chordata
もん : 脊椎動物せきついどうぶつもん Vertebrata
つな : じょうひれつな Actinopterygii
つな : しんひれつな Neopterygii
上目うわめ : とげひれ上目うわめ Acanthopterygii
下位かい分類ぶんるい
本文ほんぶん参照さんしょう

とげひれ上目うわめ(きょくきじょうもく、Acanthopterygii)は、硬骨魚こうこつぎょるいじょうひれつな)の下位かい分類ぶんるいぐんひとつ。スズキカサゴなど13もく2672,422ぞく所属しょぞくし、魚類ぎょるい全体ぜんたいやく半数はんすうにあたる14,797しゅふくまれる[1]ひれとげじょう(きょくじょう)とばれる、かたとげじょう支持しじ構造こうぞうをもつことが特徴とくちょうとなっている。

概要がいよう

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ほねるいなかもっと進化しんかすすんだ高位こういぐんとして位置付いちづけられ、およそ1まん4,800しゅ(うち4ぶんの1は淡水魚たんすいぎょ)が所属しょぞくするおおきなグループである。より系統けいとうふるほねるいアカマンボウのぞく)と比較ひかくすると、とげひれ上目うわめ仲間なかまではぜん上顎じょうがくこつ突起とっき発達はったつし、上顎じょうがく可動かどうせいがよりたかくなっている[1]。その一方いっぽうで、いくつかの系統けいとうではあご前方ぜんぽう能力のうりょくてき退化たいかしている場合ばあいもある。

形態けいたいがくてき特徴とくちょうとして、前述ぜんじゅつ上顎じょうがく機能きのうとともに、ひれとく背鰭せびれはらひれしりひれ)にとげじょうをもつこと、ぶくろ気道きどうをもたないことなどがげられる。また、ほとんどの種類しゅるいではうえなずらえ鎖骨さこつ経由けいゆしてむねひれ骨格こっかくささえる靱帯じんたい(Baudelot's ligament)がもと頭骨とうこつからおこりはじめする。ただし、クジラウオなど一部いちぶのグループでは、この靱帯じんたいだいいち脊椎せきつい連続れんぞくしている。

分類ぶんるい

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1966ねん、Greenwoodらは魚類ぎょるい分類ぶんるい体系たいけい全面ぜんめんてき見直みなおしをおこない、そのなかトウゴロウイワシダツなどをふくトウゴロウイワシけい(Atherinomorpha)と、当時とうじの「とげひれるい」(現在げんざいスズキけい Percomorpha)を並置へいちした[2]。1969-73ねんにかけて、Rosenがりょうグループを統合とうごうし、とげひれ上目うわめとしての定義ていぎあたえた[1]

とげひれ上目うわめ設置せっちされてから現在げんざいいたるまで、その分類ぶんるい体系たいけいにはさまざまな改変かいへん提唱ていしょうされている。1993ねん、JohnsonとPattersonはクジラウオもっと原始げんしてきとげひれるいとみなし、マトウダイキンメダイつづ位置いち見解けんかいしめした[3]。さらにかれらは、ボラけい(Mugilomorpha)・トウゴロウイワシけいトゲウオタウナギおよびエラッソマ(スズキ)をひとつのグループとしてまとめ、かくぐんアルファベット表記ひょうき頭文字かしらもじをとって「Smegmamorpha」と名付なづけた。Smegmamorpha はセミホウボウ(カサゴから分離ぶんり)・カサゴ・スズキカレイフグあわあらたな「スズキけい」を構成こうせいする。かれらは Smegmamorpha を脊椎せきつい構造こうぞう共通きょうつう特徴とくちょうをもつたん系統けいとうぐんとみなしたが、以降いこうゲノム情報じょうほうもとづく分子生物学ぶんしせいぶつがくてき解析かいせきおおくは、ほんぐんたん系統けいとうせい否定ひていしている[1]

ボラの1しゅ Liza aurata (ボラ)。位置付いちづけに異論いろんおおいグループであるが、Nelson(2006)の体系たいけいではもっと原始げんしてきとげひれるいとみなされている
トウゴロウイワシの1しゅ Atherina hepsetus (トウゴロウイワシ)。本目ほんめ魚類ぎょるいのほとんどは淡水たんすいいき外洋がいよう表層ひょうそう生活せいかつする
アカメ化石かせきたね Eolates gracilis (スズキ)。ほんしゅイタリアにおけるはじめしん地層ちそうから出土しゅつどし、背鰭せびれしりひれとげじょう明瞭めいりょうのこされている

前述ぜんじゅつのようにとげひれるい分類ぶんるい体系たいけいれているが、なんらかの見直みなおしが必要ひつようであるという認識にんしき共有きょうゆうされている。Nelson(2006)はおおむ従来じゅうらい体系たいけい維持いじしながらも、2000年代ねんだい以降いこう多数たすう報告ほうこくされている分子生物学ぶんしせいぶつがくてき解析かいせき結果けっかふくめた、包括ほうかつてきさい分類ぶんるい必要ひつようせい指摘してきしている[1]

とげひれ上目うわめおおきくボラけい(Mugilomorpha)・トウゴロウイワシけい(Atherinomorpha)・スズキけい(Percomorpha)の3つのグループにけられ、総計そうけい13もく2672,422ぞく14,797しゅふく[1]詳細しょうさいかく項目こうもく参照さんしょうのこと。

出典しゅってん脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b c d e f 『Fishes of the World 4th edition』 pp.260-262
  2. ^ Greenwood PH, Rosen DE Weitzman SH, Myers GS (1966). “Phyletic studies of teleostean fishes, with a provisional classification of living forms”. Bull Amer Mus Nat Hist 131: 339-456. 
  3. ^ Johnson GD, Patterson C (1993). “Percomorph phylogeny: a survey of acanthomorphs and a new proposal”. Bull Mar Sci 52: 554-626. 
  4. ^ 『Fishes of the World 4th edition』 pp.262-263
  5. ^ a b 『Fishes of the World 4th edition』 pp.263-266
  6. ^ 『Fishes of the World 4th edition』 pp.293-294

関連かんれん項目こうもく

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参考さんこう文献ぶんけん

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  • Joseph S. Nelson 『Fishes of the World 4th edition』 Wiley & Sons, Inc. 2006ねん ISBN 0-471-25031-7
  • 上野うえのあきらわたる坂本さかもと一男かずお新版しんぱん ぎょ分類ぶんるい図鑑ずかん東海大学とうかいだいがく出版しゅっぱんかい 2005ねん ISBN 978-4-486-01700-4
  • 岩井いわいたもつさかながく入門にゅうもん恒星こうせいしゃ厚生こうせいかく 2005ねん ISBN 978-4-7699-1012-1