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カワハギ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
カワハギ
カワハギ(神奈川かながわけん相模さがみわん、2006ねん10がつ
分類ぶんるい
さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
もん : 脊索せきさく動物どうぶつもん Chordata
もん : 脊椎動物せきついどうぶつもん Vertebrata
つな : じょうひれつな Actinopterygii
: フグ Tetraodontiformes
: カワハギ Monacanthidae
ぞく : カワハギぞく Stephanolepis
たね : カワハギ S. cirrhifer
学名がくめい
Stephanolepis cirrhifer
(Temminck & Schlegel, 1850)
英名えいめい
Thread-sail filefish

カワハギ皮剥かわはぎ、鮍、英名えいめいThread-sail filefish学名がくめいStephanolepis cirrhifer)は、フグカワハギ分類ぶんるいされるさかな丈夫じょうぶかわおおわれた海水かいすいぎょで、美味びみ食用しょくようぎょでもある。

特徴とくちょう

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全長ぜんちょう最大さいだい30cmほど[1]日本にっぽん最長さいちょう記録きろくは1982ねん高知こうちけん大月おおつきまち一切いっさいれた44.3cm。からだ菱形ひしがた上下じょうげひらたい。びれだい1じょうはらびれはふとみじかとげになっている。また、オスびれのだい2軟条は糸状いとじょうほそびるので、メス区別くべつできる。腰骨こしぼね後端こうたんには3せつにわかれたさやじょううろこがある。からだしょくあお灰色はいいろ褐色かっしょくで、個体こたいによってあわいまだら模様もようくろっぽい縦縞たてじまはいる。くちちいさいが、なかにはペンチのような頑丈がんじょうがある。全身ぜんしん丈夫じょうぶでざらざらした皮膚ひふおおわれているが、この皮膚ひふ料理りょうりときにすぐにがせることが和名わみょう由来ゆらいになっている。別名べつめいでも「ハゲ」「バクチ」などとばれる。

カワハギ 2017.11.13 鹿島かしまこう

日本にっぽん列島れっとう周辺しゅうへんでは北海道ほっかいどう以南いなんから東シナ海ひがししなかいまで分布ぶんぷしており[1]みなみほう生息せいそくすうおおい。水深すいしん100m以浅の、すなそこ岩礁がんしょうこんじるような環境かんきょう生息せいそくする。ひる活動かつどうするが、よる海藻かいそうなどをくちにくわえ、つかまってねむ習性しゅうせいがある。

しょくせい肉食にくしょくせいで、ゴカイ貝類かいるいウニ甲殻こうかくるいなど様々さまざましょう動物どうぶつえさとする。くちみずふくんで砂地すなじいきおいよくきつけ、すなもぐった生物せいぶつげて捕食ほしょくする。からおおわれたカニ貝類かいるいなども、頑丈がんじょうからくだいてべてしまう。また、エチゼンクラゲ集団しゅうだんおそうことが観察かんさつされており[2]すなちゅう生息せいそくする多毛たもうるいより捕食ほしょくしやすいクラゲをこのむこともたしかめられている[3]

産卵さんらんなつで、すなそこ産卵さんらんする。幼魚ようぎょアミメハギており、海藻かいそうおお岩礁がんしょう海岸かいがんなどでられる。成長せいちょうするにつれ岩礁がんしょう沖合おきあいで生活せいかつするようになる。

食材しょくざい

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かわいた姿すがたかわ簡単かんたんがせることが和名わみょう由来ゆらいになっている)
カワハギの寿司すし

しゅん本来ほんらいなつであるが、あきからふゆにかけてだいしゅんがあり(後述こうじゅつ)、かごりょうなどでいちねんつうじて漁獲ぎょかくされる。りの場合ばあいちいさなくちえさぎとるようにべるのでじんたり(さかなしん)がつたわりにくい。このため、ばりげてさかなくちけるわせのタイミングをのがし、えさだけられることもおおく、げるには高度こうどなテクニックが必要ひつようとされる。それゆえにりなどのつりほう普及ふきゅうしており、りの対象たいしょうとしても人気にんきたかい(後述こうじゅつ)。

脂肪しぼうすくなく歯応はごたえある白身しろみで、料理りょうりほう煮付につ刺身さしみ寿司すしフライ干物ひものなど多種たしゅ多様たようである。なまでは弾力だんりょくがあるので、刺身さしみにするさいにはすすきづくりにする。

また、だけでなく肝臓かんぞう(キモ)も美味びみ珍重ちんちょうされる。カワハギのだいしゅんあきからというのも、この時期じきふゆそなえてえさおおり、肝臓かんぞうとくおおきく発達はったつする時期じきだからである。肝臓かんぞうピンク色ぴんくいろで、脂肪しぼうすくないたいして脂肪しぼうぶんおおふくんでおり、こってりしたうまみとあまみがある。一緒いっしょ刺身さしみ煮付につけでべる。キモをうらごしして醤油じょうゆいたものを刺身さしみにつけるのも、カワハギならではのかたである。肝臓かんぞう発達はったつするとがやせてしまうので、だけを賞味しょうみするならばなつい。

カワハギきも 2018.10.15 高崎たかさき漁港ぎょこう

カワハギのきもは「うみフォアグラ」ともばれる。静岡しずおか三保さんぼう半島はんとうでは東海大学とうかいだいがく海洋かいよう学部がくぶ研究けんきゅう成果せいかもとに、地下水ちかすいとしてげる海水かいすい利用りようし、通年つうねんきもおおきいカワハギの陸上りくじょう養殖ようしょくおこなわれている[4]

おなじカワハギウマヅラハギウスバハギ料理りょうりほうはカワハギと同様どうようである。

別名べつめい

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ハゲ(関西かんさい地方ちほう[5]瀬戸内せとうち地方ちほう[6])、ハギ、マルハゲ、カワハゲ、カワハギ、カワムキ(福岡ふくおかけん[6])、バクチ、バクチウオ、スブタ[7]、メンボウ[7]、メイボ(山口やまぐちけん)、キュウロッポ(長崎ながさきけん平戸ひらど)、ゲバチロ(三浦半島みうらはんとう西部せいぶ)など。バクチやバクチウオなどの由来ゆらいは、「かわがすぐがれる」さまが「博打ばくちけてぐるみがされる」さまを連想れんそうさせるためである。また前述ぜんじゅつとおり、はりっかからずにえさだけをべることがおおいため、「えさ泥棒どろぼう」「えさ名人めいじん」などともばれる。

カワハギをせんもんふねからるようになったのは神奈川かながわけん三浦半島みうらはんとうである。えさりが非常ひじょう上手うまくなかなかれないことから、ゲームせいたかりであることがひろまってカワハギせんもんりクラブ(カワハギ研究けんきゅうかい)が複数ふくすう設立せつりつされるなど、人気にんき対象たいしょうぎょとなった。

タックル

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竿ざお現在げんざい[いつ?]カーボンファイバーせい専用せんよう竿ざおで1.8m - 2.4mがかる操作性そうさせいわるいので主流しゅりゅうだが、むかしながらのたけせいかず竿ざおにこだわる愛好あいこうおおい。竿ざお穂先ほさき部分ぶぶんくじらひげ使つかわれ、高価こうかであるが希少きしょう価値かちもあり、根強ねづよ人気にんきがある。

たいして、リールは最新さいしん小型こがた軽量けいりょうでギアたかものげるスピードがはやく、たか支持しじている。

ラインは近年きんねん釣具つりぐなかでももっと進歩しんぽした分野ぶんやで、現在げんざいでは[いつ?]ポリエチレン繊維せんいんだPEラインばれるラインが使つかわれる。日本にっぽんいとふとさをごうすう表示ひょうじするが、カワハギりの場合ばあいには0.8ごうから1.5ごうふとさを使つかう。

仕掛しか

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どう突式の3ほんから4ほんはり基本きほんとなり、はり任意にんい交換こうかんできるようにした仕掛しかけもある。カワハギはおも海底かいてい付近ふきん回遊かいゆうしているので、はりはり間隔かんかくは15cm - 20cm程度ていどで、仕掛しかけ全長ぜんちょうも50cm比較的ひかくてきみじかフロロカーボンばれるラインが使つかわれるのが主流しゅりゅうである。また、カワハギりではしゅうよせ、または集魚しゅうぎょばんばれる独特どくとく器具きぐ仕掛しかけの上部じょうぶけるひとおおい。オモリはによって25ごうから40ごうまでを使用しようする。海底かいてい岩礁がんしょう地帯ちたいである場合ばあいおおいのでかりがおおく、予備よび仕掛しかけ・オモリが必要ひつようとなる。

発祥はっしょうである三浦みうら半島はんとうでは、東京とうきょうわんめんしていることから当時とうじ[いつ?]安価あんかだったアサリ使つかわれ、以後いごわることなくアサリのむき定番ていばんえさになっている。関西かんさい九州きゅうしゅうではエビのむき使つかわれる。ゴカイるい使つかわれる。

かた

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予約よやくすればだれでも気軽きがるれる乗合のりあいせんというスタイルのぶね利用りようするか、仲間なかまいちせん仕立したせん利用りようする。競技きょうぎかいさかんにおこなわれるほどなので、かたひとによって様々さまざまなパターンがされている。これは、カワハギの活性かっせいたかときひくときりの難易なんい大幅おおはばちがうことから、れないときにどうるかを研究けんきゅうした結果けっかである。ソフトルアーをもちいたルアーりもある。ハギングとばれる。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b Froese, Rainer and Pauly, Daniel, eds. (2006). "Stephanolepis cirrhifer" in FishBase. April 2006 version.
  2. ^ Masuda, Reiji and Yamashita, Yoh and Matsuyama, Michiya (2008). “Jack mackerel Trachurus japonicus juveniles use jellyfish for predator avoidance and as a prey collector”. Fisheries Science (Wiley Online Library) 74 (2): 276-284. http://jypichthyology.info/attachments/File/Masuda_et_al_2008.pdf. 
  3. ^ Miyajima, Yuko and Masuda, Reiji and Yamashita, Yoh (2011). “Feeding preference of threadsail filefish Stephanolepis cirrhifer on moon jellyfish and lobworm in the laboratory”. Plankton and Benthos Research (日本にっぽんプランクトン学会がっかい日本にっぽんベントス学会がっかい) 6 (1): 12-17. doi:10.3800/pbr.6.12. https://doi.org/10.3800/pbr.6.12. 
  4. ^ (ひらけ!進路しんろしんみち針路しんろ一定いってい水温すいおん活用かつよう陸上りくじょう養殖ようしょく 地下ちか海水かいすいさかなすくすく■年中ねんじゅうおおきなきものカワハギ朝日新聞あさひしんぶん朝刊ちょうかん2018ねん8がつ29にち教育きょういくめん)2018ねん9がつ3にち閲覧えつらん
  5. ^ カワハギ」『小学館しょうがくかん日本にっぽんだい百科全書ひゃっかぜんしょ ニッポニカ松浦まつうら啓一けいいちhttps://kotobank.jp/word/%E3%82%AB%E3%83%AF%E3%83%8F%E3%82%AEコトバンクより2023ねん4がつ25にち閲覧えつらん 
  6. ^ a b カワハギ(かわ剝)」『平凡社へいぼんしゃ世界せかいだい百科ひゃっか事典じてんだい2はんhttps://kotobank.jp/word/%E3%82%AB%E3%83%AF%E3%83%8F%E3%82%AE%28%E7%9A%AE%E5%89%9D%29コトバンクより2023ねん4がつ25にち閲覧えつらん 
  7. ^ a b カワハギ」『平凡社へいぼんしゃ百科ひゃっか事典じてんマイペディア』』https://kotobank.jp/word/%E3%82%AB%E3%83%AF%E3%83%8F%E3%82%AEコトバンクより2023ねん4がつ25にち閲覧えつらん 

関連かんれん項目こうもく

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