釣つり

釣つり（つり、英えい: fishing）とは、釣つり針ばり、釣つり糸いとなどの道具どうぐで「魚さかな」（主おもに魚類ぎょるいなどの魚介ぎょかい類るい）を「釣つる」ようにして採と捕とする行為こうい、方法ほうほうのことである。（魚さかなに限定げんていした場合ばあいは）魚釣さかなつり（さかなつり、うおつり）とも。

現代げんだいでは道具どうぐとしては釣つり針ばり、釣つり糸いと、釣つり竿ざおなどを使つかい、釣つり針ばりに餌えさや疑似ぎじ餌えさをつけて行おこなうことが一般いっぱん的てきである。

釣つりの形態けいたい

食用しょくよう魚ぎょを狙ねらったものの他ほか、釣つり自体じたいを楽たのしむゲームフィッシング、種類しゅるいを問とわない雑魚ざこ釣づり (Coarse fishing) などがある。

海うみ釣づりと川かわ釣づり

釣つりをおこなう場所ばしょによって海うみ釣づりと川かわ釣づりに大別たいべつされる。ひとつは、「釣つりを行おこなう場所ばしょ」で分類ぶんるいする方法ほうほうがあり、海うみ釣づりと川かわ釣づりに大別たいべつされる。海うみ釣づりは、磯いそ釣づり（いそづり）、船ふね釣づり（ふなづり）などに上位じょうい分類ぶんるいすることができる。川かわ釣づりは、渓流けいりゅう地ちの釣つり（渓流けいりゅう釣づり）、高地こうちの釣つりなどに分類ぶんるいすることができる。

• 海うみ
  • 磯いそ
  • 防波堤ぼうはてい
  • 砂浜すなはま
  • 河口かこう
  • 海上かいじょう釣つり堀ぼり
  • 船ふね上うえ
    • （業者ぎょうしゃ運営うんえいの）釣船つりぶね上うえ
    • （プライベートな）ボート上うえ
    • シーカヤック上うえ
• 淡水たんすい
  • 渓流けいりゅう
  • 川かわ
  • 湖みずうみ
  • 池いけ
  • 釣つり堀ぼり（管理かんり釣つり場ば）

なお、対象たいしょう魚ぎょによっても分類ぶんるいされている。

漁業ぎょぎょうと遊漁ゆうぎょ

漁業ぎょぎょう

漁業ぎょぎょうは漁法ぎょほうによって網あみ漁業ぎょぎょう・釣つり漁業ぎょぎょう・雑ざつ漁業ぎょぎょうの3種しゅに分わけられる。釣つり漁業ぎょぎょうには手釣てづり、竿釣さおづり、機械きかい釣つり、曳縄釣つり、立たて縄なわ釣つり、延縄はえなわがある。

なお、針はりに引ひっかけて漁獲ぎょかくする空釣からづりは釣つり漁業ぎょぎょうではなく雑ざつ漁業ぎょぎょうに分類ぶんるいされる。

遊漁ゆうぎょ

大正たいしょう時代じだいの竹たけで組くんだ釣つり場ば

もともとは食料しょくりょうを得えるための「釣つり」であるが、次第しだいに遊あそびの要素ようそを濃こくしていき、今日きょうの日本にっぽんでは釣つり人口じんこう2000万まん人にんとまで言いわれるようになってきている。スポーツとしての釣つりのことを、ゲームフィッシング、スポーツフィッシングなどと呼よぶこともある。

食用しょくようになる魚さかなを対象たいしょう魚ぎょとする場合ばあいもあれば、魚釣さかなつりの過程かていを楽たのしむための遊漁ゆうぎょもあり、後者こうしゃの場合ばあいには、その場ばで釣つった魚さかなを再さい放流ほうりゅうすること（キャッチ・アンド・リリース）が行おこなわれる場合ばあいもある。

歴史れきし

骨ほねで作つくられた石器せっき時代じだいの釣つり針ばり

釣つりの起源きげんは少すくなくとも約やく4万まん年ねん前まえの旧石器時代きゅうせっきじだいまで遡さかのぼることができる。娯楽ごらくを目的もくてきとする釣つりも古代こだい中国ちゅうごく大陸たいりく、古代こだいギリシア、古代こだいローマなどで古ふるくからみられた。

ヨーロッパでは中世ちゅうせいになって遊漁ゆうぎょ（遊あそびの釣つり）が目覚めざましい進展しんてんをみせた。イギリスではアンブロズ司教しきょうなど釣つり好すきの聖職せいしょく者しゃが輩出はいしゅつし、魚さかなや釣つりの本ほんも相次あいついで出版しゅっぱんされ、1494年ねんのイギリスではジュリアナ・バーナーズという女性じょせいによる「世界せかいで最初さいしょの釣つり入門にゅうもん書しょ」とされている本ほんが出版しゅっぱんされている。

1653年ねんには、釣つりの聖書せいしょともされるイギリスのアイザック・ウォルトンの『釣魚ちょうぎょ大全たいぜん』 (The Compleat Angler) が出版しゅっぱんされた。これには「静思せいしする人ひとの行楽こうらく」という副題ふくだいがついており、中世ちゅうせいヨーロッパ人じんの趣味しゅみへの探求たんきゅう心しんが溢あふれている。

1900年ねんのパリ・オリンピックでは釣つりが競技きょうぎ種目しゅもくの一ひとつとして採用さいようされ、釣果ちょうかが競きそわれた。

日本にっぽん

先史せんし時代じだいの釣つり針ばりが出土しゅつどしており、刺とげ突具で魚さかなを捕とらえることと併用へいようして、食糧しょくりょうを得えるために用もちいていたと考かんがえられる。沖縄おきなわ県けん南城なんじょう市しで、貝殻かいがらで作つくられた2万まん3千せん年ねん前まえの世界せかい最古さいこの釣つり針ばりが発掘はっくつされている。

奈良なら時代じだい、平安へいあん時代じだいには、貴族きぞくたちの間あいだで行おこなわれていた。

江戸えど時代じだいごろから、さかんに一般いっぱん庶民しょみんの間あいだでも趣味しゅみとして行おこなわれるようになった。江戸えど時代じだいは数すう百ひゃく年ねんにわたり大おおきな戦争せんそうのない日々ひびが続つづいたので遊あそびが盛さかんになり、江戸えどの街まちにも水運すいうん網もう、水路すいろ網もうが張はり巡めぐらせてあったことで釣つり場ばがいたるところにあったため、江戸えどの庶民しょみんによって盛さかんに行おこなわれた。

1990年代ねんだいには「釣つり人口じんこう2000万まん人にん」「潜在せんざい需要じゅよう3000万まん人にん」と言いわれるまで、趣味しゅみで釣つりを行おこなう人々ひとびとの数かずが増ふえたが、その後ごの不ふ況きょうやバス釣づりブームの退潮たいちょう、テロ対策たいさくを目的もくてきとした港湾こうわん規制きせいなどで減少げんしょうに転てんじ、2013年ねんには710万まん人にんまで減少げんしょうした。2019年ねんに発生はっせいした新型しんがたコロナウイルスにより、屋外おくがいで感染かんせんリスクが低ひくく、手軽てがるに楽たのしめるとして回復かいふくの兆きざしがあった。

釣具つりぐ

• 
  様々さまざまな釣つり針ばり
• 
  疑似ぎじ餌えさ。毛鉤けばり・フライフィッシングに用もちいる
• 
  ルアー
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  釣つり用ようの浮うわき
• 
  スピニングリール
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  ベイトリール

釣つり針ばり

詳細しょうさいは「釣つり針ばり」を参照さんしょう

実際じっさいに魚さかながかかる部分ぶぶんである。釣つり針ばりに餌えさを付つけて釣つる餌えさ釣つりや疑似ぎじ餌えさ（ルアーやフライ）による釣つりがある。

釣つり糸いと

詳細しょうさいは「釣つり糸いと」を参照さんしょう

竿ざおから仕掛しかけまでを道みち糸いと、釣つり針ばりを直接ちょくせつ結むすぶ部分ぶぶんの糸いとをハリス（鉤素はりす）という。

釣つり竿ざお

詳細しょうさいは「釣つり竿ざお」を参照さんしょう

先端せんたん側がわを「竿ざお先さき」といい手元てもと側がわを「竿ざお尻しり」という。道みち糸いとが竿ざおの内部ないぶを通とおる種類しゅるいの竿ざおを「中ちゅう通とおし竿ざお」という。糸いとを巻まいておく道具どうぐとしてリールがある。

浮うわき

詳細しょうさいは「浮うわき (釣具つりぐ)」を参照さんしょう

釣つり糸いとの途中とちゅうに取とり付つけ、釣つり針ばりを一定いっていの水深すいしんに保たもつとともに、魚さかなが釣つり針ばりの餌えさを食たべていること、魚さかなが釣つり針ばりに掛かかったことを知しるために用もちいる。また、釣つり針ばりの餌えさを含ふくむ仕掛しかけを遠とお投とうする役割やくわりを持もつことがある。浮うきは用途ようとによりさまざまな形状けいじょうがある。平常へいじょう時じの浮うきの姿勢しせいを保たもつために、釣つり糸いとの途中とちゅうに錘おもり（オモリ）を取とり付つけることがある。

「en:Fishing float」も参照さんしょう

オモリ

詳細しょうさいは「オモリ (釣具つりぐ)」を参照さんしょう

仕掛しかけを沈しずめるための道具どうぐがオモリである。小ちいさい球状きゅうじょうのオモリとしてガン玉だまがある。また、割われ目めがあるオモリとして割わりビシがある。

その他たの釣つり具ぐ

• 天秤てんびん (釣つり具ぐ)
• たも網あみ
• 魚篭びく（びく）
• 集魚しゅうぎょ板ばん

主おもなメーカー

「Category:釣具つりぐメーカー」も参照さんしょう

シマノとグローブライド（ブランド名めい：ダイワ）の売上うりあげ高だかが大おおきい。また、ルアーなどの生産せいさんはゲーリーインターナショナルやジャッカル等ひとしが挙あげられる。

釣つりエサの種類しゅるい

詳細しょうさいは「en:Fishing bait」を参照さんしょう

生いき餌え

詳細しょうさいは「生いき餌え」を参照さんしょう

主おもなエサの一覧いちらん

名称めいしょう	説明せつめい
イクラ	カジカの卵たまごと同様どうよう、渓流けいりゅう魚ぎょの好物こうぶつ。
ミミズ	関東かんとうではキジ、関西かんさいではナマエという通称つうしょうで呼よばれる。代表だいひょう的てきな淡水魚たんすいぎょのエサの一ひとつ。マサエと呼よばれるものがよい。
ボッタ（ミミズの一種いっしゅ）	川底かわぞこに生息せいそくするマッチ棒ぼうほどのミミズ。寒かんブナ釣つりに適てきしている。
アカムシ	池いけ溝みぞの土ど底そこに生息せいそくする深紅しんくの虫むし。保存ほぞんがきき、マブナが好このむ。
サシ	関西かんさいでの名なはサバ虫ちゅう。キンバエの卵たまごをサバの身みに産うみ付つけさせたもので、ハヤ、ヤマベ釣つりに頻用ひんようする。ベニガラで赤あかく染そめたものはベニザシと呼よばれる。
クリムシ	栗ぐりの実じつにつく、柔やわらかく白色はくしょくの虫むし。サシと同様どうよう、ハヤ、ヤマベ釣づりに使用しよう。
カマエビ	ブドウムシ、エビツルムシとも呼よばれる。渓流けいりゅう釣づりの携帯けいたいエサ。山やまブドウ、野のブドウの蔓づるに生息せいそくするブドウトラカミキリの幼虫ようちゅう。
チシャのムシ	ヤマベの好物こうぶつ。チシャの木き、エゴの木この実みに生息せいそくする白しろいウシヅラヒゲナガゾウムシの幼虫ようちゅう。
タマムシ	タナゴ釣つりに使用しよう。桜さくら、柳やなぎ、梅うめなどの小しょう枝えだに殻からをつけるヤツガシラの幼虫ようちゅう。
ヤナギムシ	柳やなぎの幹みきにつくカミキリモドキの幼虫ようちゅう。ヤマベ、ハヤ釣づりのエサ。
ヂグモ	木きや垣根かきねの根元ねもとに袋ふくろ状じょうの巣すを作つくるクモ。ハヤ、ヤマベ釣づりに使つかい、えさの少すくない川かわでのヤマメ、イワナ釣つりに効果こうかがある。
チョロ	ナデムシとも呼よばれる。川辺かわべの石いしの裏うらに住すみ着つく川かわ虫ちゅうで、渓流けいりゅう釣づりでは最もっともスタンダードなエサ。カゲロウの幼虫ようちゅう。
ピンチョロ	カワゲラの幼虫ようちゅうで、渓流けいりゅう釣づりの良よきエサだが、4 - 5月にしか採取さいしゅできない。河原かわらの浅あさい水溜みずたまりにいる。
クロカワムシ	トビケラの幼虫ようちゅうで、全体ぜんたい的てきに青黒あおぐろく、口吻こうふんが黒くろく、瀬せの石いし裏うらに生息せいそくしている。チョロが少すくない川かわでは効果こうか的てきで、大型おおがた魚ぎょを狙ねらう際さいは多用たようされる。
魚さかな貝類かいるい	ここでは一いち箇所かしょにまとめる。 サンマ、イワシ、イカナゴ、キビナゴ、アジ、シラス、オキアミ、ドジョウ、イカ、サザエ、トコブシ、アサリ、イガイ、イセエビ、クルマエビ、シバエビ、スジエビ、モエビ、スジエビ、シャコ、イソガニ、ヤドカリ、エビガニ、フジツボ、フナムシ
環かん虫むし類るい・昆虫こんちゅう類るい・植物しょくぶつ・その他た	ここでは一いち箇所かしょにまとめる。 イワムシ、スナイソメ、ゴカイ、アオイソメ、イワイソメフクロイソメ、エラコ、サナギ、ハバノリ、ホンダワラ、スイカ、ミカン

まき餌えさ

詳細しょうさいは「まき餌えさ」を参照さんしょう

魚さかなをおびき寄よせるためにまく餌えさ。

人工じんこう餌えさ

魚肉ぎょにくなどを練ねったボイリーなどの他ほか、人間にんげんが食たべるような食しょくパン、うどん、油揚あぶらあげ、コートレット、ペットフードなどでも餌えさになる。

イネ

ソウギョ釣つりに用もちいられる。

サツマイモ

ふかしたものを角かく型がたに切きりそろえて用もちいたり、練ねりエサ（マッシュポテト）としても用もちいられる。コイ、ヘラブナ、ヤマベ釣づりに使つかわれる。芋いもようかんも同様どうように用もちいられる。

うどん

瓶びん入いりで販売はんばいされている。モロコ釣つりに最適さいてき。

ルアー（疑似ぎじ餌えさ）

詳細しょうさいは「ルアー」を参照さんしょう

木材もくざいなどを魚さかなに模倣もほうさせて釣つる方法ほうほう。

フライ（毛けバリ）

毛けなどを虫むしのような振ふる舞まいをさせて釣つる方法ほうほう。

テクニック

• 友釣ともづり
• コロガシ釣づり（素もと掛かけ）
• どぶ釣つり
• 穴あな釣づり
• Spin fishing
• フライフィッシング
• ルアーフィッシング

ギャラリー

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  磯いそ釣づり
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  防波堤ぼうはてい釣つり
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  浜はま釣つり
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  海上かいじょうの足場あしば。この写真しゃしんは大正たいしょう時代じだいの日本にっぽんのものだが、世界せかいを見渡みわたすと、似にたような釣つり法ほうを行おこなっている地域ちいきはいくつもある。
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  海上かいじょうのプライベートなモーターボートからの釣つり
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  シーカヤックでの釣つり
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  川かわ釣づり
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  渓流けいりゅう釣づり
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  氷こおりのはった湖みずうみ面めん上じょう。ワカサギの穴あな釣づり
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  池いけ釣つり。池いけでは、手て漕こぎボートや、電動でんどうモータで推進すいしんするボートの上うえで釣つりをするやり方かたも盛さかん。
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  釣つり堀ぼりでの釣つり

問題もんだい

立たち入いり禁止きんし区域くいきへの侵入しんにゅう

進入しんにゅう禁止きんしとされている場所ばしょでの釣つりが問題もんだいとなっている。鹿島かしま港こうでは立たち入いり禁止きんしとされている防波堤ぼうはていに釣つり人じんが無断むだん侵入しんにゅうしては高波たかなみに攫さらわれるなどして、2013年ねんまでに通算つうさん63人にんが死亡しぼうしているが、現在げんざいも高たかさ3 mのフェンスを破壊はかいしたり乗のり越こえたりして侵入しんにゅうを繰くり返かえす釣つり人じんが絶たえない。

釣つりにより発生はっせいするゴミ

河川かせん・湖沼こしょうなど淡水魚たんすいぎょの生息せいそくする地域ちいきは野鳥やちょうにとって重要じゅうような食糧しょくりょう供給きょうきゅう地域ちいきでもある。これらの場所ばしょに放置ほうちされた釣つり糸いとや針はり付つきの釣つり糸いとなどは野鳥やちょうの生命せいめいを脅おびやかす状況じょうきょうにあり、定期ていき的てきにゴミとして大量たいりょうに回収かいしゅうされている。また、疑似ぎじ餌えさ（特とくにワームと呼よばれるもの）による化学かがく的てきな汚染おせんや、撒まき餌えなどによる水質すいしつ汚濁おだくも懸念けねんされている。海うみ釣つりの磯いそでも同様どうようで、波なみ止とめ釣つりや埠頭ふとうでのゴミ放置ほうちも問題もんだい化かしている。

2018年ねん、欧州おうしゅう連合れんごうは、海洋かいようごみの多おおくに釣つり具ぐが含ふくまれていることに着目ちゃくもくし、釣つり具ぐメーカーにごみの収集しゅうしゅう費用ひようを負担ふたんさせる規制きせい案あんを発表はっぴょう。2019年ねんを目途もくとに、欧州おうしゅう議会ぎかいと加盟かめい国こくで議論ぎろんされることとなった。

人工じんこう物ぶつ以外いがいの放置ほうち物ぶつとしては、釣つり上あげた目当めあての魚さかなではない魚さかな（外道げどうとも呼よばれる）をコンクリート上じょうに放置ほうちしていく行為こういが見みられる。これは倫理りんり的てきに問題もんだいのある行為こういであり、対処たいしょしていかなければならない。

外来がいらい種しゅの繁殖はんしょく

オオクチバス、コクチバス、ブルーギルなどの日本にっぽん国内こくないに天然てんねんでは存在そんざいしない魚類ぎょるいが、釣つり人じんによる意図いと的てきな放流ほうりゅうにより、全国ぜんこく的てきに内うち水面すいめんで繁殖はんしょくしているといわれており、在来ざいらい種しゅ、特とくに日本にっぽんの固有こゆう種しゅや希少きしょう種しゅに対たいする影響えいきょうが懸念けねんされている。これらは特定とくてい外来がいらい生物せいぶつによる生態せいたい系けい等とうに係かかる被害ひがいの防止ぼうしに関かんする法律ほうりつにより放流ほうりゅうを禁止きんしされているが、同どう法ほうは釣つり上あげたその場ばで再さい放流ほうりゅうする態様たいようのキャッチ・アンド・リリースについては規制きせいをしていない。このため、秋田あきた県けん・新潟にいがた県けん・滋賀しが県けん琵琶湖びわこなどでは条例じょうれいで禁止きんししている。

なお、釣つりの対象たいしょうとされる外来がいらい種しゅであり、在来ざいらい種しゅに影響えいきょうを与あたえる魚さかな種しゅでありながら、在来ざいらい種しゅと誤解ごかいされているものとして、ニジマス、輸入ゆにゅう種しゅの鯉こい、一部いちぶの湖みずうみにおけるワカサギなどがある。また、外来がいらい種しゅではないが鮎あゆや鯉こいの放流ほうりゅう、移動いどうにより生態せいたい系けいの破壊はかいや　輸入ゆにゅう種しゅの鯉こいと在来ざいらい種しゅの鯉こいの交配こうはいにより在来ざいらい種しゅへの影響えいきょうもあり、外来がいらい種しゅのみの問題もんだいとは考かんがえられなくなっている。

文化ぶんか

• 漁業ぎょぎょう権けん - 釣つりをするには管理かんりしている団体だんたい（漁協ぎょきょう）に遊漁ゆうぎょ券けんを発行はっこうしてもらう。
• 釣つり免許めんきょ - ドイツ国内こくないでの釣つりの国家こっか資格しかく。観光かんこう客きゃくへの対応たいおうは州しゅうによって異ことなり、メクレンブルク＝フォアポンメルン州しゅうでは講習こうしゅうや試験しけんもなく期間きかん限定げんてい（延長えんちょう可能かのうな）観光かんこう釣づり免許めんきょが発効はっこうされている。
• ゲームフィッシュ
• パンフィッシュ - フライパンに入はいる大おおきさの魚さかな。
• キャッチ・アンド・リリース
• 禁漁きんぎょ期き - 国際こくさい的てきな機関きかんや各かく漁協ぎょきょうが決きめるが、魚さかなの繁殖はんしょく・産卵さんらん期きなどのために設もうけられる。
• サイズ制限せいげん - 大おおきさによって保護ほごされる。
• つり大会たいかい
• 魚拓ぎょたく

団体だんたい

• バスフィッシング・プロフェッショナル
• 全日本ぜんにほん釣づり団体だんたい協議きょうぎ会かい
• 国際こくさいゲームフィッシュ協会きょうかい

関連かんれんする逸話いつわ

太公望たいこうぼう

太公望たいこうぼう

周しゅうの文ぶん王おうが太公望たいこうぼうを見出みいだしたとき、太公望たいこうぼうは渭水のほとりで釣つりをしていた。もっとも、太公望たいこうぼうは文ぶん王おうの目めにとまるために釣つりをしているふりをしていただけで、実じつは餌えさも釣つり針ばりもつけておらず（釣つり針ばりが直ちょく針はりだったという話はなしもある）、更さらに水面すいめんから三さん寸すん上じょうに離はなれていたという。しかしこの故事こじから、日本にっぽんでは釣つり人じんのことを太公望たいこうぼうとも言いうようになった（中国ちゅうごくでは釣つりが下手へたな人ひとを指さすとのこと）。

海うみ幸彦さちひこと山やま幸彦さちひこ

『古事記こじき』には、山やま幸彦さちひこと海うみ幸彦さちひこの話はなしが載のっている。2人ふたりは、ある日ひ自分じぶんたちの道具どうぐを交換こうかんし、海うみ幸彦さちひこが山やまに狩かりに行いき、山幸やまさち彦が海うみに釣つりに出でかけることにした。ところが山やま幸彦さちひこは何なにも釣つれなかったばかりか釣つり針ばりまでなくしてしまう。海うみ幸彦さちひこは怒いかり、山幸やまさち彦が佩刀はかせの十じゅう拳こぶし剣けんをつぶして五ご百ひゃくの釣針つりばりを作つくってあげても、許ゆるしをあたえようとはしなかった。

釣つりの記者きしゃ

ヨーロッパで、釣つりの記事きじを書かく人間にんげんは、ユーモアや自分じぶんの釣つりの対象たいしょうとなる魚さかなに由来ゆらいするようなペンネームで書かく伝統でんとうのようなものがある。17世紀せいき初頭しょとうから風潮ふうちょうがみられ、18世紀せいきに全盛期ぜんせいきとなる。

「en:List of pseudonyms of angling authors」も参照さんしょう

比喩ひゆ・派生はせい語ご

何なんらかの方法ほうほうで誘さそっておびき寄よせて獲物えものを捕獲ほかくするという行為こういなので、これに似にたような行為こういを比喩ひゆで「釣つり」と呼よぶことがある。また釣つりを細分さいぶん化かしたものに譬たとえることがある。

• 釣つり野の伏ぶせ - 戦国せんごく時代じだいに考案こうあんされ使つかわれたと言いわれる戦術せんじゅつの一ひとつ。戦たたかう部隊ぶたいの真まん中なかに当あたる部分ぶぶんを餌えさとし、逃にげると見みせかけて敵てきをおびき寄よせ左右さゆうに置おいておいた兵へいで挟はさみ撃うちにし、逃にげていた部隊ぶたいも反転はんてんして攻撃こうげきする高度こうどな戦法せんぽう。
• 釣つり餌えさ法ほう - 試料しりょうにある餌えさを入いれることで、それを好このむ特定とくていの微生物びせいぶつだけを釣つり出だす分離ぶんり法ほう。
• 一本釣いっぽんづり - 原義げんぎは「1本ほんの釣つり糸いとで行おこなう釣つり」であるが、転てんじて「（複数ふくすう人じんを説得せっとくする際さいに）ひとりひとり別々べつべつに口説くどき落おとす」という意味いみでも用もちいる。

男女だんじょ関連かんれん、インターネット上じょうの詐欺さぎ関連かんれん

• 陸釣おかづり（おかづり、「岡おか釣つり」とも） - もとは「海岸かいがん、川岸かわぎしなどで魚さかなを釣つること」であり、「沖おき釣づり」や「船ふね釣づり」と対比たいひする言葉ことばだった（1747年ねんの俳諧はいかい・五ご元げん集しゅうに使用しよう例れいあり）が、（それが約やく50年ねん後ごには）「（幇間ほうかんなどが）店てんの外そとで、それとなく待まち受うけて客引きゃくひきをすること」も比喩ひゆ的てきに指さすようにもなり（俚言りげん集しゅう覧らん、1797年ねん頃ころ）、やがてさらには男おとこが女おんなをあさること、いわゆる「おんなあさり」も指さすようになった。現代げんだいではナンパの意味いみでも使つかわれる。
• （出会であい系けいサイト等ひとし）あたかも異性いせいに出会であえるかの様ように誤認ごにんさせ、待合まちあわせ場所ばしょ等とうに誘導ゆうどうする行為こういを「釣つり」と呼よぶ場合ばあいがある。
• フィッシング詐欺さぎ
• クリックベイト - 扇情せんじょう的てきな見出みだしなどの表示ひょうじを用もちいてユーザのクリックを誘さそっておいて、表示ひょうじとは違ちがうものをユーザに閲覧えつらんさせる詐欺さぎ宣伝せんでん。魚さかな釣つりの時ときに用もちいる餌えさ（bait）からきている言葉ことばである。
• インターネット掲示板けいじばんで、議論ぎろんを盛もり上あげるために他人たにんが憤いきどおりそうな話題わだいをわざと出だすのを「釣つり」と呼よぶことがある。逆ぎゃくに、発言はつげん自体じたいは釣つりではないのに、「釣つり」のレッテルを貼はって、その発言はつげんを無効むこう化かさせる用法ようほうもある。議論ぎろん以外いがいでも、架空かくうの出来事できごとや作品さくひんを捏造ねつぞうするなどの巧妙こうみょうな嘘うそをついてほかのユーザーを騙だます場合ばあいにも用もちいられる。いずれの場合ばあいも「釣つる」相手あいて（釣つられる「さかな」）は個人こじんとは限かぎらない。虚偽きょぎの話題わだいを投稿とうこうして他人たにんの注目ちゅうもくを集あつめようとする人ひとを「釣つり師し」と言いう。

関連かんれん項目こうもく

• 何なに羨とも録ろく
• 漁りょう（漁撈ぎょろう）
• 漁業ぎょぎょう
• 魚さかなの一覧いちらん
• 外道げどう (魚さかな)
• 胴どう付づけ長靴ながぐつ

外部がいぶリンク

• （社）しゃだんほうじん全日本ぜんにほん釣づり団体だんたい協議きょうぎ会かい
• 日本にっぽん釣つり振興しんこう会かい