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ブルーギル

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ブルーギル
分類ぶんるい
さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
もん : 脊索せきさく動物どうぶつもん Chordata
もん : 脊椎動物せきついどうぶつもん Vertebrata
つな : じょうひれつな Actinopterygii
: スズキ Perciformes
: サンフィッシュ Centrarchidae
ぞく : ブルーギルぞく Lepomis
たね : ブルーギル L. macrochirus
学名がくめい
Lepomis macrochirus
Rafinesque1819
英名えいめい
Bluegill

ブルーギル(えい: Bluegill学名がくめい: Lepomis macrochirus) は、サンフィッシュぞくする淡水魚たんすいぎょ一種いっしゅきたアメリカ大陸あめりかたいりく原産げんさんどうサンフィッシュブラックバスほんしゅ形態けいたいカワスズメティラピア同様どうよう日本にっぽんでも分布ぶんぷひろげた特定とくてい外来がいらい生物せいぶつである。

名称めいしょう[編集へんしゅう]

ほんしゅ標準ひょうじゅん和名わみょうは「ブルーギル」である。えらぶた(えらぶた)の後端こうたん青黒あおぐろ紺色こんいろ部分ぶぶんがあり、えらぶた(えらぶた)を英語えいごで"gill"(ギル)とぶことからブルーギルとづけられた[1][2][3]

通称つうしょうとしてたんに「ギル」とばれることもある[2]原産地げんさんち米国べいこくカナダでは"bluegill"または"bluegill sunfish"としょうされ、"gill"としょうされることはない。

サンフィッシュるい北米ほくべい大陸たいりくひろ分布ぶんぷし、現地げんちではおおくのたね生息せいそくし、ごく一般いっぱんてき淡水魚たんすいぎょであるため、文学ぶんがく作品さくひんにもしばしば登場とうじょうする。しかしマンボウ英名えいめいが"ocean sunfish"で、こちらもたんに"sunfish"ともばれるため、英語えいごけん文学ぶんがくしょ日本語にほんご翻訳ほんやくしたさいに、淡水たんすいさんのサンフィッシュるいをマンボウと誤訳ごやくしていることがある。

形態けいたい[編集へんしゅう]

成魚せいぎょ体長たいちょうは25cm程度ていどになる[1][2][3]原産地げんさんち北米ほくべいでは40cmほどになる。生後せいご1ねん程度ていどまでの幼魚ようぎょ体形たいけいがややほそく、体側たいそくに7から10ほん暗色あんしょくよこたいがある[4]。しかし、成長せいちょうとともに体高たいこうたか変化へんかし、からだしょくばい褐色かっしょくからくら褐色かっしょくとなってよこたい不明瞭ふめいりょうになる[4]

フライパンおさまりやすいさかな=“パンフィッシュ”とならわされるLepomis ぞくなかでもさらにもっと体高たいこうがあるため側面そくめんがた円形えんけいちかく、からだはば左右さゆうつよがわひらたする。背鰭せびれとげじょうと軟条はつながっている[2]くちちいさい[2]口内こうないくちびる内側うちがわにはこまかい鋸歯きょしじょうならぶ。

体型たいけいくわむねひれちいさいため直線ちょくせんてき遊泳ゆうえいりょくはややよわいが、背鰭せびれはらひれしりひれはよく発達はったつしてこまかくからだきをえる能力のうりょくむ。

からだしょく変異へんいがあるが、およそわか個体こたいあわあおみどり褐色かっしょくで、成体せいたいになるとくろちかあお紫色むらさきいろになることがおおい。はらめん黄色おうしょくみをび、ぐんなか地位ちいたかいオスはさらに胸部きょうぶがレッドブレストサンフィッシュやピラニア・ナッテリーひとしがそうであるようにあかまる。

左右さゆうえらぶた上部じょうぶ突出とっしゅつしたかわべんがあり(わか個体こたいにはほとんどない)、その部分ぶぶん紺色こんいろになっている。この部分ぶぶん由来ゆらいして"Bluegill sunfish"(ブルーギル・サンフィッシュ : あおえらぶたのサンフィッシュ)、りゃくしてブルーギルとばれる。また水面すいめんからほんしゅるとひれにぶ光沢こうたくのある青色あおいろえることもある。背鰭せびれはらひれしりひれするどとげじょうがあり、不用意ふよういにつかむとさり、出血しゅっけつすることもある。

生態せいたい[編集へんしゅう]

原産地げんさんち北米ほくべい大陸たいりく東部とうぶ[3][4]淡水たんすいせい湖沼こしょう、ためいけほり公園こうえんいけなどに生息せいそくしており、みずうみでは沿岸えんがん水生すいせい植物しょくぶつたい河川かせんでは比較的ひかくてきながれがゆるやかな水草みずくさたい生息せいそくしている[4]山上さんじょうみずうみから河口かこう水域すいいきまで生存せいぞん可能かのう水温すいおん水質すいしつはばひろく、溶存ようぞん酸素さんそ不足ふそくしていなければ水質すいしつ汚濁おだくにも比較的ひかくてきつよい。かくすのにてき水流すいりゅうさえぎってくれるような障害しょうがいぶつ複雑ふくざつ水中すいちゅう地形ちけい場所ばしょとくこのみ、そのような環境かんきょうではおおくの個体こたい密集みっしゅうする。わか小型こがた個体こたい表層ひょうそうちかくで活発かっぱつうごまわるが、よく成熟せいじゅくした大型おおがた個体こたいふか位置いちであまりうごまわらずにいる傾向けいこうにある。捕食ほしょくしゃとしてはブラックバスナマズカワセミなどがいるとかんがえられ、稚魚ちぎょドンコべられる可能かのうせいもあるとかんがえられている。

雑食ざっしょくせいで、昆虫こんちゅうるい植物しょくぶつ魚類ぎょるい貝類かいるい動物どうぶつせいプランクトンなどを捕食ほしょくする[4]雑食ざっしょくせいだが動物どうぶつしょくせいつよ[2]とく魚類ぎょるいたまごこの[3]えさりょう生物せいぶつすくないときには水草みずくさべる[1]

繁殖はんしょくはるからなつ。この時期じきになるとオスは縄張なわば意識いしき闘争とうそうせい極度きょくどたかまるとともに、水底みなそこすなどろくちってあさすりばちじょうつくり、メスをんで産卵さんらんさせる。産卵さんらん受精じゅせいわったのちもオスはのこり、たまご新鮮しんせんみずおくったり、ゴミをのぞいたり、たまごねらほか動物どうぶつはらったりしてたまごまも[5]。1かい産卵さんらんすう平均へいきんてき個体こたいで21,000から36,000つぶである[4]ぎょ孵化ふかしたのちもしばらくはぎょ保護ほごおこなう。ムギツクおそわれ、たくたまごされることもある。

外来がいらいしゅ問題もんだい[編集へんしゅう]

られたブルーギル(アメリカ・ミズーリしゅう、Bilby Ranch Lake)。

ブルーギルは元々もともときたアメリカの中部ちゅうぶ東部とうぶひろ分布ぶんぷするさかなだが、移入いにゅうされた先々さきざき定着ていちゃくし、世界せかい各地かくち分布ぶんぷしている。

しょう動物どうぶつから水草みずくさまでしょくせい幅広はばひろく、汚染おせんなどにも適応てきおうりょくがある。さらにたまご稚魚ちぎょおや保護ほごしているため捕食ほしょくしゃしづらい。これらの習性しゅうせいからブルーギルは短期間たんきかん個体こたいすうやすことができ、各地かくち分布ぶんぷひろげている。韓国かんこくイギリスではきた個体こたいみが禁止きんしされている[6]当初とうしょ食用しょくようとして各地かくち試験場しけんじょう配布はいふされ、養殖ようしょく試験しけんなどもおこなわれたが、成長せいちょうおそ養殖ようしょくにはてきさないことが判明はんめいした。

日本にっぽん国内こくない[編集へんしゅう]

明仁あきひととの関係かんけい[編集へんしゅう]

日本にっぽんへの移入いにゅうは、1960ねん日米にちべい修好しゅうこう100周年しゅうねん記念きねんしてアメリカ大統領だいとうりょうからまねかれて渡米とべいしていた当時とうじ皇太子こうたいし明仁あきひと親王しんのうが、シカゴ市長しちょうからシェッド水族館すいぞくかんの4しゅ淡水魚たんすいぎょ贈呈ぞうていされ、そのなかにブルーギル18ひきふくまれていた。4しゅ当時とうじ東京とうきょう南多摩みなみたまぐん日野ひのまち淡水たんすい水産すいさん研究所けんきゅうじょ飼育しいくされることとなり、ブルーギル18ひきうち1962ねんまで15ひき生存せいぞんした[7][8]

その15ひき淡水たんすい水産すいさん研究所けんきゅうじょ食用しょくよう研究けんきゅう対象たいしょうとして飼育しいくしたのち1966ねん静岡しずおかけん伊東いとう一碧湖いっぺきこ放流ほうりゅうした。このことは、2009ねん三重大学みえだいがく生物せいぶつ資源しげん学部がくぶ発表はっぴょうしたミトコンドリアDNA解析かいせき結果けっかにより、ぜん都道府県とどうふけんの56かしょ採取さいしゅした1,398たいすべての標本ひょうほん塩基えんき配列はいれつが、アメリカ13地点ちてん採取さいしゅしたサンプルのうちアイオワしゅうグッテンバーグ英語えいごばん採取さいしゅしたものと完全かんぜん一致いっちしたことで証明しょうめいされた[9]

食用しょくようとしてもりの対象たいしょうとしても利用りよう価値かちひくいブルーギルが日本にっぽん国内こくないひろ拡散かくさんしたことについては、1980年代ねんだい以降いこうバスブームのさい、バス業界ぎょうかい関係かんけいしゃ愛好あいこうにより、ブラックバスのえさしょうして各地かくち湖沼こしょうからべつ湖沼こしょう放流ほうりゅうされたものが繁殖はんしょくし、日本にっぽんちゅう分布ぶんぷひろげるにいたった、という指摘してき2000年代ねんだいにあったが、根拠こんきょとなる資料しりょう充分じゅうぶんではなかった[6][10]

2014ねん発表はっぴょうされた研究けんきゅうでは、1960年代ねんだいから1970年代ねんだい前半ぜんはんにかけての状況じょうきょうを、当時とうじうち水面すいめん漁業ぎょぎょう関係かんけい文献ぶんけん詳細しょうさい調査ちょうさしており、オオクチバスに付随ふずいするかたちではなく、ブルーギル単独たんどく野外やがい放流ほうりゅう逸出いっしゅつあきらかになっている。この研究けんきゅうでは、水産すいさん試験場しけんじょうかかわったケースとして、大阪おおさか水産すいさん試験場しけんじょうためいけへの放流ほうりゅう試験しけんおこなったこと、滋賀しがけん水産すいさん試験場しけんじょう関与かんよするなか琵琶湖びわこにブルーギルが生息せいそくするようになった、と水産すいさん試験場しけんじょう職員しょくいん当時とうじ示唆しさしていることがしめされている。さらに、メーカーや当時とうじ発行はっこうされていた雑誌ざっし主幹しゅかんであったじん水産すいさん行政ぎょうせい関係かんけい機関きかんが、ともかかわる放流ほうりゅうがあったこともしめされている。また、これらの放流ほうりゅう逸出いっしゅつは、先行せんこう研究けんきゅうでの言及げんきゅうよりもひろ範囲はんいとされている[8]

移入いにゅう経緯けいいにより、「ブルーギルはおめでたいプリンスフィッシュである」としょうされて各地かくち放流ほうりゅうされたという記録きろくがある[11][12]。ブルーギルが外来がいらいしゅとして深刻しんこく問題もんだいこしていることについて、明仁あきひと即位そくいの2007ねんだい27かい全国ぜんこくゆたかなうみづくり大会たいかいにおいて「ブルーギルは50ねんちかまえわたしがアメリカからかえり、水産庁すいさんちょう研究所けんきゅうじょ寄贈きぞうしたもの。食用しょくようぎょとして期待きたいおおきく養殖ようしょく開始かいしされましたが、いまこのような結果けっかになったことにしんいためています」と発言はつげんした[13]

影響えいきょう[編集へんしゅう]

ブルーギルの繁殖はんしょくりょく生命せいめいりょく捕食ほしょくりょくえさ競合きょうごう[14]在来ざいらいぎょしゅたまご稚魚ちぎょ捕食ほしょくなどのてんで、日本にっぽんいけみずうみ生態せいたいけいには十分じゅうぶん脅威きょういで、生態せいたいけい維持いじ漁業ぎょぎょう観点かんてんから日本にっぽんちゅう湖沼こしょうでその存在そんざいすうはかなりの問題もんだいとされている[6][10]

また漁獲ぎょかく対象たいしょうぎょしゅへの圧迫あっぱくのみならず、えらぶたひれとげじょうあみからみやすいことから、あみにかかったブルーギルをはずさい背鰭せびれさるため、漁師りょうしほんしゅきらう。

滋賀しがけん瀬田月輪せたつきのわ大池おおいけで1984ねんから1995ねんまでおこなわれた調査ちょうさによれば、ブルーギルの移入いにゅうモツゴ絶滅ぜつめつした。なお、瀬田月輪せたつきのわ大池おおいけにはオオクチバスも移入いにゅうされたが、モツゴの減少げんしょうたいしてはブルーギルのほう影響えいきょうおおきかったとされている[15]。なお、ブルーギルとオオクチバスが生息せいそくぎょしゅ大半たいはんめる水域すいいきでは、ブルーギルとオオクチバスの生息せいそくすうぎゃく相関そうかん関係かんけいたもちながら変動へんどう推移すいいするとした研究けんきゅう結果けっかがある[15]

駆除くじょ[編集へんしゅう]

日本にっぽんではほんしゅはオオクチバスとならんで外来がいらい生物せいぶつほうにより特定とくてい外来がいらい生物せいぶつ指定していされており、各地かくち導入どうにゅう阻止そし駆除くじょすすめられている[6][16]防除ぼうじょおこなっている代表だいひょうてき水域すいいきとして、霞ヶ浦かすみがうら琵琶湖びわこ深泥みどろ五稜郭ごりょうかく皇居外苑こうきょがいえんほりなどがある[6]

駆除くじょおも方法ほうほうとしては成魚せいぎょ捕獲ほかくする方法ほうほうたまご孵化ふか阻害そがいする方法ほうほうがある。捕獲ほかく場合ばあい一般いっぱんてきあみなどの漁具ぎょぐ電気でんきショッカー、減水げんすいさせ捕獲ほかくなどで駆除くじょおこなわれる[6]駆除くじょさくとして漁業ぎょぎょう従事じゅうじしゃからのげのほか、人工じんこう産卵さんらんゆか浅瀬あさせ設置せっちし、産卵さんらんたまごごと撤去てっきょするという方法ほうほうこころみられている。

小規模しょうきぼ溜池ためいけではみずき(り)によって捕獲ほかくした魚類ぎょるいからブラックバスやブルーギルとそれ以外いがいさかなけ、外来がいらいぎょ除去じょきょしたのち在来ざいらいぎょもどすという方法ほうほうがある[17]水位すいい調節ちょうせつ比較的ひかくてき自由じゆうおこなえる農業のうぎょうようのためいけやダムでは、産卵さんらんから孵化ふかまでの期間きかん減水げんすいさせ産卵さんらんゆか露出ろしゅつすることで稚魚ちぎょ孵化ふか阻止そしすることも可能かのうである[18]

ゲノム編集へんしゅうによりにんさせた個体こたい放流ほうりゅうして繁殖はんしょくふせぎ、駆除くじょこころみる実験じっけんを、水産すいさん研究けんきゅう教育きょういく機構きこう近畿きんき地方ちほう計画けいかくしている[19]。しかし、にんした個体こたい死亡しぼうするまでの期間きかん生態せいたいけい甚大じんだい影響えいきょうあたつづけると指摘してきされている[20]

いくつかの実験じっけん結果けっかから湖沼こしょうではウグイがブルーギルのたまご稚魚ちぎょ捕食ほしょくするため増殖ぞうしょく抑制よくせい有効ゆうこうである可能かのうせいしめされている[5]さらに、タニシカワニナなどのそこがいるいがブルーギルの産卵さんらんゆか周辺しゅうへんこう頻度ひんどつかり、がいがブルーギルのたまごえさとしている可能かのうせい指摘してきされている[21]

げたさいさい放流ほうりゅうしないことが推奨すいしょうされるが、投棄とうきするとブルーギルはそのくさり、がらすなどのえさになってカラスやす原因げんいんになったり、なつ異臭いしゅう害虫がいちゅうやす結果けっかになったりして周辺しゅうへん環境かんきょう悪化あっかさせる。琵琶湖びわこかんしてはかえるか設置せっちされた回収かいしゅうボックスにれることになっている。実際じっさいさいリリース禁止きんしはブルーギルの生息せいそくすう抑制よくせい効果こうかがあるとする研究けんきゅうがある[22]滋賀しが県庁けんちょう発行はっこうしている『ブルーギル ブラックバスのリリースは禁止きんしです』というチラシによると、「外来がいらいぎょじんのぞくことは相当そうとう効果こうか期待きたいできます」と明記めいきされている。理由りゆうとして「琵琶湖びわこでは年間ねんかん21まんにんじんがある。りは水路すいろ沿岸えんがん障害しょうがいぶつちかくなどだい規模きぼ漁具ぎょぐれられない場所ばしょにいる外来がいらいぎょをきめこまかくのぞことができ、駆除くじょ事業じぎょう補完ほかんする効果こうかがある」と表記ひょうきされている。

2019ねん6がつ滋賀しがけんによると2017年度ねんど以降いこう減少げんしょうしている可能かのうせいがある。例年れいねんくらべて大幅おおはばすくなかった。南湖みなみこもうで2016ねんの20ぶんの1、北湖きたこもうでは17年度ねんどの100ぶんいちしかれなかった。

利用りよう[編集へんしゅう]

観賞かんしょう[編集へんしゅう]

観賞かんしょうぎょとして利用りようされたこともある[1][4]。ただし、日本にっぽん国内こくないでは2005ねん6がつ施行しこうされた特定とくてい外来がいらい生物せいぶつによる生態せいたいけいとうかか被害ひがい防止ぼうしかんする法律ほうりつ外来がいらい生物せいぶつほう)で特定とくてい外来がいらい生物せいぶつ指定していされたため、あいがん・鑑賞かんしょう目的もくてきあらたに飼養しようすることは禁止きんしされている。研究けんきゅう教育きょういくなどの目的もくてき飼養しようする場合ばあいには主務しゅむ大臣だいじんから許可きょかけなければならない。

食用しょくよう[編集へんしゅう]

フライパンによるブルーギルのざかな

フライやムニエル、バターきなどあぶら調理ちょうりした料理りょうりうといわれている[23]調理ちょうりにはかわをしっかり除去じょきょすることがポイントとされる[23]

原産地げんさんち北米ほくべいでは大型おおがたのものがれ、からだまるフライパンにすっぽりとおさまり、バターきなどにてきすることからパンフィッシュ ("Pan fish") としょうされべられている。

滋賀しがけんでは琵琶湖びわこのブルーギルを「ビワコブナ」という名称めいしょうふな寿司ずし材料ざいりょうであるニゴロブナ代用だいようぎょとして利用りようしたり、ものなどの材料ざいりょうとしたりした料理りょうりつくられており、けんのサイトでも調理ちょうり方法ほうほう公開こうかいしている。[24]また大型おおがた個体こたい食用しょくようきょうするつりきゃくもいる。事実じじつ滋賀しがけん農政のうせい水産すいさん水産すいさん発行はっこうしている『遊漁ゆうぎょ手帖てちょう』では「大型おおがたのものは塩焼しおやきにしてべる」[25]と、食用しょくよう利用りようにもてきしていることが明記めいきされている。滋賀しが県立けんりつ琵琶湖びわこ博物館はくぶつかん大津おおつサービスエリアとうではブラックバス料理りょうり提供ていきょうされている[23]

中国ちゅうごくでは、1987ねん観賞かんしょうぎょとして移入いにゅうされたのち食用しょくよう転用てんようされた。一般いっぱんに、英語えいごめい直訳ちょくやくしたあいえら太陽たいようぎょ(ランサイタイヤンユー、lánsāi tàiyángyú)、または、たん太陽たいようぎょばれ、湖北こほくしょう広東かんとんしょうなどで養殖ようしょくおこなわれている。中国ちゅうごくでの養殖ようしょくにはおも顆粒かりゅう配合はいごう飼料しりょう使つかわれ、くさみもすくないことから、ぎょとしての利用りようおおい。

防除ぼうじょ対策たいさくのため持続じぞくてき利用りようとしてしょくぎょとしての利用りよう研究けんきゅうされている[4]

遊漁ゆうぎょ[編集へんしゅう]

ブルーギルの釣魚ちょうぎょとしての価値かちひくく、ほんたねせんもんねらじんはあまりおおくはない。しかし、先述せんじゅつのように原産地げんさんちアメリカにおいてほんたねふくめ“パンフィッシュ”のしたしまれるLepomisは、簡単かんたん仕掛しかけで初心者しょしんしゃでも容易よういることができる。このため、家族かぞくれがキャンピング、ハイキングをたのしむさいとうに、水遊みずあそびの相手あいてとして馴染なじふかさかなである。

日本にっぽん国内こくないのブルーギルの場合ばあい市販しはんえさ以外いがいにもべいつぶ魚肉ぎょにくソーセージパンカステライカ塩辛しおからひとし固形こけい人間にんげんよう食品しょくひん、はては雑草ざっそうをちぎったものやちているプラスチックワーム(ミミズなどにせた疑似ぎじえさ)のはしなど固形こけいぶつくちはいおおきさのエサと認識にんしきしたものであれば幅広はばひろえさとなる。また、小型こがたルアー使つかフライフィッシングルアーフィッシングでもれる。また水面すいめんちかくでれている場合ばあいには摂食せっしょく行動こうどうなど興味深きょうみぶか行動こうどう観察かんさつできることも可能かのうであり、こちらもことができる。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ a b c d 特定とくてい外来がいらい生物せいぶつ ブルーギル環境省かんきょうしょう近畿きんき地方ちほう環境かんきょう事務所じむしょ野生やせい生物せいぶつ、2023ねん7がつ21にち閲覧えつらん
  2. ^ a b c d e f いばらきぎょがおちょう ブルーギル(サンフィッシュ茨城いばらきけん、2023ねん7がつ21にち閲覧えつらん
  3. ^ a b c d ブルーギル愛知あいちけん、2023ねん7がつ21にち閲覧えつらん
  4. ^ a b c d e f g h 巻末かんまつ資料しりょう東北とうほく地方ちほう環境かんきょう事務所じむしょ、2023ねん7がつ21にち閲覧えつらん
  5. ^ a b 片野かたのおさむ, 坂野さかの博之ひろゆきBORIS VELKOV:ウグイによるブルーギルたまご捕食ほしょく効果こうかについての実験じっけんてき解析かいせき」『日本水産にっぽんすいさん学会がっかい』2006ねん 72かん 3ごう pp.424-429, doi:10.2331/suisan.72.424, 日本にっぽん水産すいさん学会がっかい
  6. ^ a b c d e f きの保彦やすひこ監修かんしゅう財団ざいだん法人ほうじん自然しぜん環境かんきょう研究けんきゅうセンター編著へんちょ)『決定けっていばん 日本にっぽん外来がいらい生物せいぶつ平凡社へいぼんしゃ、2008ねん4がつ21にち、164-165ぺーじISBN 978-4-582-54241-7 
  7. ^ 山田やまだ寛一かんいちブルーギルのいけちゅう飼育しいく予報よほう」『滋賀しがけん水産すいさん試験場しけんじょう研究けんきゅう報告ほうこくだい23ごう、1971ねん、24-26ぺーじ 
  8. ^ a b 渡邊わたなべ洋之ひろゆき水産すいさん試験場しけんじょうメーカー・じんによる日本にっぽんでのブルーギル(Lepomis macrochirus)の放流ほうりゅうについて 1960-1975ねん 1960-1975ねん」『科学かがく研究けんきゅうだい53かんNo.270、2014ねん、169-181ぺーじ, NAID 110009893183
  9. ^ “ブルーギル、陛下へいかおくられた15ひき子孫しそん証明しょうめい. YOMIURI ONLINE (『読売新聞よみうりしんぶん』). (2009ねん10がつ23にち). オリジナルの2014ねん1がつ4にち時点じてんにおけるアーカイブ。. https://archive.is/brjnQ 2018ねん12月25にち閲覧えつらん 
  10. ^ a b ブルーギル”. 国立こくりつ環境かんきょう研究所けんきゅうじょ 侵入しんにゅう生物せいぶつDB. 2018ねん12月25にち閲覧えつらん
  11. ^ 村上むらかみきょうただし鷲谷わしやいづみ(監修かんしゅう日本にっぽん生態せいたい学会がっかい編著へんちょ)『外来がいらいしゅハンドブック』じんしょかん、2002ねん9がつ30にちISBN 4-8052-0706-X p.119
  12. ^ 黒川くろかわ哲治てつじ, 西澤にしざわ栄一郎えいいちろう生物せいぶつ多様たようせい保全ほぜんけた外来がいらいしゅ対策たいさく経済けいざいてき評価ひょうかみず資源しげん環境かんきょう研究けんきゅう』2004ねん 17かん pp.23-34, doi:10.6012/jwei.17.23, みず資源しげん環境かんきょう学会がっかい
  13. ^ 天皇陛下てんのうへいかのおことば だい27かい全国ぜんこくゆたかなうみづくり大会たいかい 平成へいせい19ねん11月11にち(日)にち滋賀しが県立けんりつ芸術げいじゅつ劇場げきじょうびわホール)
  14. ^ 片野かたのおさむ, 中村なかむら智幸ともゆき, 山本やまもと祥一郎しょういちろう ほか「長野ながのけん浦野うらのがわにおけるブルーギル幼魚ようぎょ内容ないようぶつ」『水産すいさん増殖ぞうしょく』2005ねん 53かん 2ごう pp.115-119, doi:10.11233/aquaculturesci1953.53.115, 日本にっぽん水産すいさん増殖ぞうしょく学会がっかい
  15. ^ a b ゆうすりせいしゅう, 田中たなか哲夫てつお, たけかど康弘やすひろ ほか「瀬田月輪せたつきのわ大池おおいけにおける魚類ぎょるい群集ぐんしゅう変遷へんせん : 12年間ねんかん生物せいぶつがく実習じっしゅう結果けっかより」『滋賀医科大学しがいかだいがく基礎きそがく研究けんきゅう』1997ねん 8かん pp.19-36, 滋賀医科大学しがいかだいがく
  16. ^ たね生物せいぶつ学会がっかい外来がいらい生物せいぶつ生態せいたいがく 進化しんかする脅威きょういとその対策たいさくぶんいち総合そうごう出版しゅっぱん、2010ねん3がつ31にちISBN 978-4-8299-1080-1 [ようページ番号ばんごう]
  17. ^ 熊澤くまさわ一正かずまさ, 大杉おおすぎたてまついさお, 西田にしだ守一しゅいち ほか「ダムみずうみ水位すいい低下ていか利用りようした定置網ていちあみによる外来がいらいぎょ捕獲ほかくとその効果こうか」『応用おうよう生態せいたい工学こうがく』2012ねん 15かん 2ごう pp.171-185, doi:10.3825/ece.15.171, 応用おうよう生態せいたいこう学会がっかい
  18. ^ 齋藤さいとうまさる, 宇野うの正義まさよし, 伊藤いとうしょうけいさくら(三春みはるダム)の水位すいい低下ていかがオオクチバスの繁殖はんしょくあたえる影響えいきょう」『応用おうよう生態せいたい工学こうがく』2003-2004ねん 6かん 1ごう pp.15-24, doi:10.3825/ece.6.15, 応用おうよう生態せいたいこう学会がっかい
  19. ^ 熱狂ねっきょうゲノム】だい1 身近みぢかせま技術ぎじゅつ(1)遺伝いでん操作そうさ外来がいらいぎょ駆除くじょ にんブルーギル放流ほうりゅう実験じっけん毎日新聞まいにちしんぶん朝刊ちょうかん2019ねん7がつ31にち(1めん)2019ねん8がつ1にち閲覧えつらん
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  21. ^ 中尾なかお博行ひろゆき, 川端かわばたけんじん, 藤田ふじた建太けんたろう ほか「外来がいらいぎょブルーギルのたまごぎょたいする在来ざいらい巻貝まきがいるいによる捕食ほしょく」『魚類ぎょるいがく雑誌ざっし』2006ねん 53かん 2ごう p.167-173, doi:10.11369/jji1950.53.167
  22. ^ 米倉よねくら竜次りゅうじ, 苅谷かりや哲治てつじ, 藤井ふじいあきら吏 ほか「りによるブルーギル個体こたいぐん抑制よくせい」『日本水産にっぽんすいさん学会がっかい』2007ねん 73かん 5ごう p.839-843, doi:10.2331/suisan.73.839, 日本にっぽん水産すいさん学会がっかい
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  24. ^ ★Catch&EAT!!〜外来がいらいぎょ調理ちょうり方法ほうほう” (PDF). 滋賀しがけん農政のうせい水産すいさん水産すいさん. 2018ねん12月25にち閲覧えつらん
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参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]