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代用だいようぎょ

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代用だいようぎょ(だいようぎょ)とは、ふるくから食用しょくようとされてきた魚介ぎょかいるい代用だいようとして利用りようされるようになった魚介ぎょかいるい代替だいたいぎょ(だいたいぎょ)ともばれる。

概説がいせつ[編集へんしゅう]

代用だいようぎょ高級こうきゅうぎょへの代用だいよう大衆たいしゅうぎょ資源しげん枯渇こかつへの対策たいさくとして使用しようされており、漁業ぎょぎょう資源しげん安定あんてい供給きょうきゅうやコスト削減さくげん目的もくてきとして開発かいはつされてきた。従来じゅうらいさかなあじていても外見がいけんことなるものがおおく、それらは加工かこう食品しょくひん惣菜そうざい缶詰かんづめなど)としてられることがほとんどである(シシャモなど例外れいがい存在そんざいする)。おも外食がいしょく産業さんぎょう学校がっこう給食きゅうしょくでの白身しろみフライなど加工かこう食品しょくひん回転かいてん寿司ずしのネタなどに使つかわれる。スーパーマーケットなど小売こうりてんでは馴染なじみの名前なまえさかな消費しょうひしゃ敬遠けいえんされやすいため、販売はんばいされている代用だいようぎょすくない。日本にっぽんにおけるシシャモのように代用だいようぎょほう主流しゅりゅうとなったれいもある。

代用だいようぎょただしい表示ひょうじのもとでられることは違法いほうではないが、表示ひょうじかりにくかったり偽装ぎそう表示ひょうじ問題もんだいがある。消費しょうひしゃけをねらって従来じゅうらいぎょ呼称こしょうもちいられ、消費しょうひしゃあざむ行為こうい非難ひなんされたれいもある。日本にっぽんでは分類ぶんるい和名わみょうムツとはことなるさかなが「ぎんムツ」としょうされて問題もんだいとなった(マジェランアイナメ参照さんしょう)。

食品しょくひん表示ひょうじいつわって代用だいようぎょもちいた場合ばあいは「偽装ぎそうさかな」ともばれる。代用だいようぎょ食用しょくようには問題もんだいないとされるが、アブラソコムツのように消化しょうか不良ふりょうこすために日本にっぽんでは食品しょくひん衛生えいせいほう販売はんばい禁止きんしされているさかな韓国かんこく偽装ぎそうもちいられたれいもある。

資源しげん管理かんり環境かんきょう破壊はかいというてん代用だいようぎょ問題もんだいとなる場合ばあいがある。マジェランアイナメのような他国たこくふるくから利用りようされているさかなしゅ日本にっぽん利用りようするようになると漁獲ぎょかくりょうえて資源しげん圧迫あっぱくする。東南とうなんアジアにおけるエビ養殖ようしょく森林しんりん破壊はかいをもたらしている。また、ナイルパーチビクトリア外来がいらいぎょとして生態せいたいけい破壊はかい問題もんだいとなっている。

各国かっこくでの利用りよう表示ひょうじ[編集へんしゅう]

日本にっぽん[編集へんしゅう]

日本にっぽんでは従来じゅうらい国内こくない流通りゅうつう消費しょうひされてこなかった外国がいこくぎょ深海魚しんかいぎょなどが代用だいようぎょとしてもちいられている。

2000年代ねんだいになると代用だいようぎょ食品しょくひん表示ひょうじ問題もんだいになった。

タラバガニ」の原材料げんざいりょう偽装ぎそう(2004ねん実際じっさいアブラガニ[1])、エビのメニュー偽装ぎそう(2013ねん。「シバエビ」が実際じっさいバナメイエビ[2])が日本にっぽん問題もんだいとなった[3]。アブラガニは従来じゅうらい北海道ほっかいどうではタラバガニと明確めいかくべつ種類しゅるいとしてあつかわれていたが、のち価格かかく上昇じょうしょうしタラバガニの代用だいようとして利用りようされるようになった[4]。バナメイエビは業界ぎょうかい慣例かんれいとして「シバエビ」とばれることがあり、価格かかくもあまりなかった[2]

2003ねんJASほう改訂かいてい混同こんどうさせる表示ひょうじきんじられた[5][6]

中国ちゅうごく[編集へんしゅう]

中国ちゅうごくでは2018ねんにチベット高原こうげん養殖ようしょくされているさかなが「淡水たんすいサーモン」として販売はんばいされていることがテレビでげられたが、上海しゃんはいのニュースメディアである澎湃ほうはい新聞しんぶんがその正体しょうたいニジマスであることをめた[7]中国ちゅうごくでは淡水魚たんすいぎょしょく安全あんぜんせいをめぐる懸念けねんたかまっており、国内こくない電子でんし商取引しょうとりひきサイトはチベット高原こうげん養殖ようしょく業者ぎょうしゃにニジマスとしての表示ひょうじ義務付ぎむづけた[7]。これによりニジマスの養殖ようしょく業者ぎょうしゃげがんだため、養殖ようしょく業者ぎょうしゃらは窮余きゅうよさくとして「サケ」の定義ていぎ拡大かくだい解釈かいしゃくしニジマスもふくめることにめた[7]。ノルウェーのベルゲン大学だいがくでサケの研究けんきゅうおこなっているシグード・ステファンソンからは両者りょうしゃ関係かんけいはあるが別種べっしゅだと指摘してきされている[7]

なお日本にっぽん市場いちばにおいては「ニジマス」を「サーモン」と呼称こしょうすることはごく一般いっぱんてき用法ようほうとなっており、消費しょうひしゃちょうにおいても認可にんかされている。

代表だいひょうてき代用だいようぎょ[編集へんしゅう]

和名わみょう別名べつめい) - 用途ようと

  • アカニシ - サザエ代用だいよう
    サイズはているが、レベルで系統けいとうちがい、からきでは一目瞭然いちもくりょうぜんのため、串焼くしやきやスライスにしためしとして偽装ぎそうされていた。三河湾みかわわん瀬戸内海せとないかい有明海ありあけかいでは郷土きょうど料理りょうりとして廉価れんか手頃てごろ食材しょくざいとされる。
  • イタヤガイ - アオヤギ代用だいよう
  • ウシエビ(ブラックタイガー) - クルマエビ代用だいよう
    いずれもクルマエビぞくするきんえんしゅ国産こくさんクルマエビの枯渇こかつ顕著けんちょになってきた1980年代ねんだいより輸入ゆにゅうはじめられた。導入どうにゅうからなが期間きかんち、知名度ちめいどたかまり、代用だいようぎょというりが消費しょうひしゃにもたかたねとなっている。原産地げんさんちでは、日本にっぽん中国ちゅうごくけの養殖ようしょくさかんになり、マングローブ破壊はかい深刻しんこくしている。
  • オヒョウ - エンガワ(ヒラメ)の代用だいよう
    おなカレイながら、オヒョウはカレイ、ヒラメはヒラメぞくするやや遠縁とおえん関係かんけい偽装ぎそうぎょ非難ひなんするサイトでは、意図いとてきはらがわ写真しゃしん記載きさいしてカレイとおもわせない演出えんしゅつおこなわれる。代用だいようられるようになって、メニューには単純たんじゅんに「エンガワ」と表示ひょうじするれいえている。枯渇こかつともない、きんえんしゅのカラスガレイに移行いこうしつつある。
  • カラスガレイ - エンガワの代用だいよう
    原産地げんさんちグリーンランド近海きんかいでは、北西ほくせい大西洋たいせいよう漁業ぎょぎょう機関きかん(NAFO)加盟かめいこく漁業ぎょぎょうわくめぐカナダスペイン係争けいそうこすほどの重要じゅうようしゅ日本にっぽんほんしゅタイセイヨウアカウオ確保かくほのためにNAFOに加盟かめいしているが、漁業ぎょぎょうわくまわってこないとし連続れんぞくするほどの希少きしょうしゅとなっている。
  • カラフトシシャモ(カペリン) - シシャモ代用だいよう
    もはや本物ほんもののシシャモのあじらない消費しょうひしゃおおいほど浸透しんとうした代用だいようぎょ。どちらもキュウリウオではあるがぞくちがう。日本にっぽん消費しょうひしゃが「子持こもちシシャモ」をこのむためにメスの消費しょうひとオスの投棄とうき続出ぞくしゅつし、資源しげん枯渇こかつ拍車はくしゃをかけている。
  • ギンダラ - ムツタラ代用だいよう
    カサゴであるが、ギンダラが標準ひょうじゅん和名わみょうである。優良ゆうりょう白身しろみぎょであることから、加工かこう食品しょくひんてきした万能ばんのうぎょとされる。日本にっぽん漁業ぎょぎょう関係かんけいしゃ北洋ほくよう漁業ぎょぎょう有料ゆうりょう資源しげんとして開発かいはつしたが、こう漁場ぎょじょうかかえるアメリカ・カナダ・ロシアのしをけて完全かんぜん輸入ゆにゅう余儀よぎなくされている。
  • マジェランアイナメ(メロ、ぎんムツ) - ムツ代用だいよう
  • サルボウガイ - アカガイ代用だいよう
    どちらもおなじアカガイぞくきんえん関係かんけいにあり、岡山おかやまけん島根しまねけんでは郷土きょうど料理りょうり食材しょくざいだが、アカガイの半分はんぶん程度ていどの5cmしか成長せいちょうしない。小型こがたなので刺身さしみ寿司すしネタには代用だいようされず、缶詰かんづめ佃煮つくだに多用たようされる。
  • ティラピア - マダイ代用だいよう
    ぜん世界せかい養殖ようしょくされている優良ゆうりょう養殖ようしょくぎょ。ただし、コピーもとのマダイ養殖ようしょく技術ぎじゅつ躍進やくしんし、マダイ養殖ようしょく完全かんぜん軌道きどうったことをけて、コストが逆転ぎゃくてんしたティラピア養殖ようしょく無用むようとなりつつあり、代用だいようぎょとしての役割やくわり国内こくないではわりにちかい。
  • ナイルパーチ - スズキ代用だいよう
  • ホキ - スケトウダラ代用だいよう白身しろみフライなど。
    おなタラではあるがレベルでべつ系統けいとうぞくする。淡白たんぱく上質じょうしつ白身しろみぎょで、乱獲らんかくすえニュージーランド漁場ぎょじょうれ、自主じしゅ規制きせい外食がいしょく産業さんぎょうえてきたほか、同属どうぞくの「デコラ」という南米なんべいさんのホキ代用だいようぎょまで導入どうにゅうされつつある。
  • マルアナゴ(アンギーラ) - マアナゴ代用だいよう
    ウナギアナゴウミヘビぞくするアナゴのきんえんしゅであるが、偽装ぎそうぎょ批判ひはんサイトでは無知むち意図いとてきか、爬虫類はちゅうるいコブラウミヘビ混同こんどうする情報じょうほうながしている。原産げんさん南米なんべいではAnguilla=ウナギとび、食用しょくようとしている。コピーもとのマアナゴにくらあぶらぎった食味しょくみといわれる。
  • メルルーサ - スケトウダラ代用だいよう白身しろみフライなど。
  • ロコガイ - アワビ代用だいよう
  • ヨーロッパウナギ ・アメリカウナギ・ビカーラウナギ - ニホンウナギ代用だいよう
    ヨーロッパウナギは1990年代ねんだい中国ちゅうごく漁業ぎょぎょうしゃがアメリカおき幼魚ようぎょ捕獲ほかくして本国ほんごく養鰻ようまんじょう肥育ひいくし、日本にっぽん輸出ゆしゅつするルートを確立かくりつしたが、乱獲らんかくのため2009ねんよりワシントン条約じょうやくもとづき漁獲ぎょかく制限せいげんがかけられた。日本にっぽん業者ぎょうしゃのこるアメリカウナギとビカーラウナギにシフトしているが、原産げんさんこくはヨーロッパウナギのまい危惧きぐしている。

開発かいはつぎょ一覧いちらん[編集へんしゅう]

水産すいさん研究けんきゅう教育きょういく機構きこう開発かいはつ調査ちょうさセンターでは、前進ぜんしん組織そしき海洋水産資源開発かいようすいさんしげんかいはつセンターが開発かいはつしてきたさかなしゅ漁場ぎょじょう公開こうかいしている。

以下いかしめすのがその一覧いちらんであるが、和名わみょうについては括弧かっこないにセンターのしめ名称めいしょうしめす。

スズキ

  • アジ
    • マアジぞく
      • チリマアジ Trachurus murphyi Nichols, 1920 --- Chilean jack mackerel
  • サバ
    • ホソカツオぞく
      • ホソカツオ(アロツナス) Allothunnus fallaii Serventy, 1948 ---Slender tuna
    • ガストロぞく
      • ガストロ Gasterochisma melampus Richardon, 1845 --- Butterfly kingfish
  • タイ
    • キダイぞく
      • ベニメダイ Dentex macrophthalmus (Bloch, 1791) --- Large-eye dentex
  • シマガツオ
    • シマガツオぞく
      • シマガツオ Brama japonica Hilgendorf, 1878 --- Pacific pomfret
      • ニシシマガツオ Brama brama (Bonnaterre, 1788) --- Atlantic pomfret
  • タカノハダイ
    • Nemadactylus
      • タラキヒ Nemadactylus macropterus (Foster, 1801) --- Tarakihi
  • イボダイ
    • Seriolella
      • オキメダイ Seriolella caerulea Guichenot, 1848 --- White warehou
      • ギンワレフ Seriolella punctata (Foster, 1801) --- Silver warehou
      • ワレフー Seriolella brama (Gunther, 1860) --- Common warehou
  • クロタチカマス
    • Thyrsites
      • ミナミクロタチ(バラクータ) Thyrsites atun (Euphrasen, 1791) --- Snoek
  • メバル
  • ギンダラ
    • ギンダラぞく
      • ギンダラ Anoplopoma fimbria (Pallas, 1814) --- Sablefish
  • カワビシャ
    • ツボダイぞく
      • クサカリツボダイ Pentaceros richardsoni Smith, 1844 --- Pelagic armorhead

マトウダイ

  • Cyttidae
    • Cyttus
      • シロマトウ Cyttus traversi Hutton, 1872 --- King dory
  • オオメマトウダイ
    • オオメマトウダイぞく
      • クロマトウ Allocyttus niger James, Inada & Nakamura, 1988 --- Black oreo

アシロ

  • アシロ

カレイ

  • カレイ
    • Reinhardtiuns
      • カラスガレイ Reinhardtiuns hippoglossides (Walbaum, 1792) --- Greenland halibut

タラ

  • タラ
  • メルルーサ
    • メルルーサぞく
      • シルバーヘイク Merluccius bilinearis (Mitchill, 1814) --- Silver hake
      • ニュージーランドヘイク(メルルーサ(NZ)) M. australis (Hutton, 1872) --- Southern hake
      • ケープヘイク(メルルーサ(なんア)) M. capensis Castelnau, 1861 --- Shallow-water cape hake
      • アルゼンチンメルルーサ(メルルーサ(AR)) M. hubbsi Marini, 1933 --- Argentine hake
      • ディープウォーターケープヘイク(メルルーサ(なんア)) M. paradoxus Franca, 1960 --- Deep-water cape hake
  • ホキ
    • キ属きぞく
      • ホキ Macruronus novaezealandiae (Hector, 1871) --- Blue grenadier
  • ソコダラ
    • ホカケダラぞく
      • イバラヒゲ Coryphaenoides acrolepis (Bean, 1884) --- Pacific grenadier
  • チゴダラ
    • イトヒキダラぞく
      • イトヒキダラ Laemonema longipes Schmidt, 1938 --- Longfin codling

ツノザメ

  • アイザメ
    • アイザメぞく
      • アイザメ Centrophorus granulosus Garman, 1913 --- Dwarf gulper shark

ネズミザメ

開眼かいがん

  • アカイカ
    • アカイカぞく
      • アカイカ Ommastrephes bartramii (Lesueur, 1821) --- Neon flying squid
    • アメリカオオアカイカぞく
    • マツイカぞく
      • アルゼンチンイレックス Illex argentinus (Castellanos, 1960) --- Argentine shortfin squid
    • ニセスルメイカぞく
      • ニセスルメイカ Martalia hyadeshii Rochebrune & Mabille, 1889 --- Sevenstar flying squid
    • ニュージーランドスルメイカぞく
      • ニュージーランドスルメイカ Nototodarus aloanii (Gray, 1849) --- Wellington flying squid
    • スルメイカぞく
      • ミナミスルメイカ Todarodes filippovae Adam, 1975 --- Antarctic flying squid

閉眼

  • ヤリイカ
    • LoligoDoryteuthis
      • パタゴニアヤリイカ Doryteuthis gahi (d'Orbigny, 1835) --- Patagonian squid

じゅうきゃく

  • クルマエビ
    • ベニガラエビぞく
      • オレンジシュリンプ Penaeopsis serrata Bate, 1881 --- Pinkspeckled shrimp
  • チヒロエビ
    • ツノナガチヒロエビぞく
      • ツノナガチヒロエビ Aristaeomorpha foliacea (Risso, 1827) --- Giant red shrimp
    • ヒカリチヒロエビぞく
      • ヒカリチヒロエビ Aristeus virili (Bate, 1881) --- Stout red shrimp
    • ミツトゲチヒロエビぞく
      • オオミツトゲチヒロエビ Plesiopenaeus edwardsianus (Johnson, 1868) --- scarlet shrimp
      • スカーレットシュリンプ P. edwardsianus (Johnson, 1868) --- scarlet shrimp
  • イトアシエビ
    • イトアシエビぞく
      • トゲナシイトアシエビ Nematocarcinus rotundus Crosnier & Forest, 1973

オキアミ

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]