(Translated by https://www.hiragana.jp/)
カウンタ (電子回路) - Wikipedia コンテンツにスキップ

カウンタ (電子でんし回路かいろ)

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ぶんしゅうから転送てんそう

カウンタ (えい: counter)とは、クロックパルスをかぞえることにより数値すうち処理しょりおこなうための論理ろんり回路かいろデジタル回路かいろ)である。カウンタにより計数けいすうされた2進数しんすう、あるいは2進化しんか10進数しんすうを、デコーダとおして7セグメントLEDなどで表示ひょうじされる数字すうじ変換へんかんすることにより、人間にんげん認識にんしきできる情報じょうほうとなる。また、情報じょうほうエンコーダにより2進数しんすうなどに変換へんかんすることで、カウンタによる計数けいすう処理しょりおこなうことができる。

水晶すいしょう振動しんどうもちいた発振はっしん回路かいろによって発生はっせいされた非常ひじょうたか周波数しゅうはすうたとえば215=32,768Hz)の電気でんき信号しんごうを、ひく周波数しゅうはすうたとえば1Hzへるつ)の信号しんごう変換へんかんするためにももちいられる。このための回路かいろぶんしゅう(プリスケーラ)ぶ。ぶんしゅう1926ねん日本人にっぽんじん古賀こがいつさくによって発明はつめいされた。

カウンタの形式けいしき

[編集へんしゅう]

必要ひつようとする出力しゅつりょくたい雑音ざつおん特性とくせい速度そくどなどにおうじて各種かくしゅのカウンタが使用しようされる。

かくビットのおもけがあり変化へんか周期しゅうきちがうものをウェイティング・カウンタ (weighting counter) とび、バイナリ・カウンタ、グレイ・コード・カウンタはこれにふくまれる。たいして、かくビットにおもけがないものをノンウェイティング・カウンタ (nonweighting counter) とび、リング・カウンタ、ジョンソン・カウンタ、ワンホット・ステート・カウンタはこれにふくまれる。線形せんけい帰還きかんシフトレジスタ (Linear feedback Shift Register) とばれ、任意にんいビット列びっとれつをクロック・パルスごとにとなりのフリップフロップへ移動いどうしていく機能きのうつレジスタがあり、ノンウェイティング・カウンタにはこれがよくもちいられる。

また、ビット列びっとれつわせをすべ使用しようするものをフィルド・コード・カウンタ (filled code counter) とぶ。ビット列びっとれつすべ使用しようするため、おおきなかずのカウントにてきするが、デコーダは複雑ふくざつになる。バイナリ・カウンタ、グレイ・コード・カウンタ、2ビットのジョンソン・カウンタはこれにふくまれる。たいして、ビット列びっとれつわせを制限せいげんしたものをアンフィルド・コード・カウンタ (unfilled code counter) とぶ。使用しようしていないわせになった場合ばあい回復かいふく回路かいろ必要ひつようだが、デコード回路かいろちいさく高速こうそく可能かのうである。リニア・フィードバック・シフト・レジスタ、リング・カウンタ、3ビット以上いじょうのジョンソン・カウンタ、ワンホット・ステート・カウンタはこれにふくまれる。

バイナリ・カウンタ

[編集へんしゅう]
Dがたフリップフロップによる4ビット同期どうきがたカウンタ

バイナリ・カウンタ (binary counter) とは、2進数しんすう出力しゅつりょくするカウンタである。Dがたフリップフロップ出力しゅつりょくをD入力にゅうりょくおよび次段じだんのCLK入力にゅうりょく接続せつぞくし、かくだんからのQ出力しゅつりょくもうけた回路かいろである。このような接続せつぞくにより、初段しょだん入力にゅうりょくされたクロックパルスのがりが1個いっこえるごとに、Q出力しゅつりょくの0と1が反転はんてんかえすため、初段しょだんからの出力しゅつりょく入力にゅうりょくされたクロックパルスのかずを2進数しんすう表示ひょうじした場合ばあい最下位さいかいけた、2だんしたから2番目ばんめけた…というように、2進数しんすうによる出力しゅつりょくおこなうことができる。

nだんのバイナリ・カウンタは、クロックの周波数しゅうはすうを1/2n変換へんかんするとることもできる。2進化しんか10進数しんすうでカウンタ動作どうさおこなうには、かくけた出力しゅつりょくが1010(10進数しんすうの『10』)にたっした場合ばあいに0000にリセットする回路かいろもうける。同様どうように、数値すうち検出けんしゅつしてリセットすることにより、クロックパルスの周波数しゅうはすうを 1/(任意にんいかず) に変換へんかんできる。

4だんバイナリ・カウンタの動作どうさ

  0123456789ABCDEF
Q10101010101010101
Q20011001100110011
Q30000111100001111
Q40000000011111111

グレイ・コード・カウンタ

[編集へんしゅう]

グレイ・コード・カウンタ (Gray code counter) とは、同時どうじに1つのビットしか変化へんかしないよう、数値すうちグレイ・コードあてて、デコードスタティック・ハザード短時間たんじかんのスパイクじょうのノイズ)を防止ぼうししたものである。

4だんグレイ・コード・カウンタの動作どうさ

  0123456789ABCDEF
Q10110011001100110
Q20011110000111100
Q30000111111110000
Q40000000011111111

リング・カウンタ

[編集へんしゅう]

リング・カウンタ (ring counter) とは、最終さいしゅうだん出力しゅつりょくを1だん入力にゅうりょく接続せつぞくしたもので、特定とくてい初期しょきをフリップフロップにロードしておき、そのビット列びっとれつをクロック・パルスごとにとなりのフリップフロップへ移動いどうしてくもの。シフトレジスタているが、すべてのビット列びっとれつをシフトしえた(以下いかれいでは太字ふとじれつつぎのステップで初期しょきにリセットされるてんことなる。

初期しょきを0011とした4ビットのリング・カウンタの動作どうさ(Q1がさい上位じょういビット、Q4が最下位さいかいビットである)

  01234
Q110011
Q211001
Q301100
Q400110

ジョンソン・カウンタ

[編集へんしゅう]

ジョンソン・カウンタ (Johnson counter) とは、2つのビットをデコードするだけで、任意にんい信号しんごうせるようにコードをてたもの。"1"と"0"の期間きかんおな対称たいしょうがたのものと、均一きんいつ非対称ひたいしょうがたとがあるが、いずれもスタティック・ハザードはない。

4ビットの対称たいしょうがたジョンソン・カウンタの動作どうさ

  01234567
Q101111000
Q200111100
Q300011110
Q400001111

ワンホット・ステート・カウンタ

[編集へんしゅう]

ワンホット・ステート・カウンタ (one-hot state counter) とは、計数けいすう対応たいおうするフリップフロップのみを1とし、は0としてデコードを不要ふようとしたものである。かぞえるかずだけフリップフロップが必要ひつようなためカウンタ本体ほんたい回路かいろ規模きぼもっとおおきくなる、外来がいらいノイズなどによって動作どうさけたなどの場合ばあい検出けんしゅつ複雑ふくざつである、といったてん不利ふりである。一方いっぽう、デコーダが不要ふようないしごく単純たんじゅんつぎ状態じょうたい決定けっていする論理ろんりをそのままむことができる、以上いじょうによりカウンタ本体ほんたい総合そうごうてきにも高速こうそく、といったてん有利ゆうりである。

4ビットのワンホット・ステート・カウンタの動作どうさ

  0123
Q11000
Q20100
Q30010
Q40001

各種かくしゅ機能きのう

[編集へんしゅう]

つぎのような機能きのうつカウンタもある。

アップ・ダウン機能きのう
通常つうじょうの、数値すうちじゅん加算かさんして計数けいすうする機能きのうくわえて、数値すうち減算げんざんして計数けいすうしたり、またこれらの機能きのうえできる機能きのう
プリセット機能きのう
0以外いがい初期しょきをあらかじめセットしておき、そのから計数けいすうおこな機能きのう

関連かんれん項目こうもく

[編集へんしゅう]