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化学かがくしきりょう

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

化学かがくしきりょう(かがくしきりょう、えい: chemical formula weight)とは、化学かがくしき(おもに組成そせいしき)にもとづいて原子げんしりょう原子げんしすうせき総和そうわもとめたである。場合ばあいによってはたんしきりょう(しきりょう、formula weight)とぶこともある。化学かがくしきりょうはその構成こうせい単位たんい分子ぶんしとして明確めいかくめられない場合ばあい、たとえばCa2SO4・1/2H2Oのような無機むき化合かごうぶつなどにもちいられる。イオンではイオンしきりょうが、高分子こうぶんしでは高分子こうぶんししきりょうもちいられる[1]。これは分子ぶんし存在そんざいするととにかかわらずどんな物質ぶっしつたいしても適用てきようできる包括ほうかつてき用語ようごであり[2]分子ぶんしりょうよりも広義こうぎもちいられる[3]。そして分子ぶんしりょう同様どうよう化学かがくしきしめ化学かがくりょうろんもとづき反応はんのうぶつあるいは生成せいせいぶつ量的りょうてき関係かんけい把握はあくするさい利用りようされる。

物質ぶっしつりょう原子げんしりょうとの関係かんけいから自明じめいなように、成分せいぶん1ユニットたりの原子げんしりょう総和そうわである化学かがくしきりょうに、ユニット総数そうすう意味いみするモルとうりょうじょうじたは、化学かがくしき表現ひょうげんする消費しょうひあるいは生成せいせいする物質ぶっしつそう質量しつりょうしめす。分子ぶんしりょう原子げんし質量しつりょう単位たんい基準きじゅんとする相対そうたい質量しつりょうであるから、分子ぶんしりょう分子ぶんし総数そうすう意味いみするモルとうりょうじょうじた化学かがくしき表現ひょうげんする物質ぶっしつそう質量しつりょうである。

化学かがくしきりょうとはことなり、分子ぶんしりょう原子げんし質量しつりょう単位たんいを1とする実在じつざいする分子ぶんし相対そうたい質量しつりょう意味いみし、たとえば質量しつりょう分析ぶんせきほう (MS) などで個々ここ分子ぶんしについても実測じっそくできるりょうである。だが化学かがくしきりょうはあくまでも均質きんしつ試料しりょう全体ぜんたいについて化学かがくりょうろんもとづいて定義ていぎされるものであり、ミクロな個々ここよう素粒子そりゅうしについて定義ていぎされるものではない。たとえば、高分子こうぶんし化合かごうぶつのように個々ここ分子ぶんし質量しつりょうことなる場合ばあい分子ぶんしりょう分布ぶんぷ平均へいきん分子ぶんしりょう存在そんざいするが、化学かがくしきりょうとしてはモノマーユニットやオリゴマーユニットの化学かがくしきによるしきりょう使つかう。これは高分子こうぶんし分子ぶんしりょうとはまったべつりょうであり、たとえば化学かがくしきりょう分布ぶんぷといったものは存在そんざいしない。

このように、分子ぶんしりょう分子ぶんしのように明確めいかく区分くぶんされる構成こうせい粒子りゅうし存在そんざいしないと定義ていぎできないが、化学かがくしきりょう場合ばあいは、イオンせい物質ぶっしつ金属きんぞくのような明確めいかく区分くぶんされる構成こうせい粒子りゅうしくても構成こうせいさえ決定けっていできれば算術さんじゅつてき定義ていぎすることが可能かのうである。

たとえば、酸化さんかリン構造こうぞうしきまとにはP4O10表現ひょうげんされるべきであるが、組成そせいしきとしてはP2O5となる。そして化学かがくりょうろんまとにはとうりょう基準きじゅんとした量的りょうてき関係かんけい成立せいりつするために、P2O5化学かがくしきりょうとしてもP4O10化学かがくしきりょうとしても反応はんのう関係かんけいする物質ぶっしつ重量じゅうりょうわらないため量的りょうてき関係かんけい算出さんしゅつするじょうでの問題もんだい発生はっせいしない。

P2O5 + 3H2O → 2H3PO4
P4O10 + 6H2O → 4H3PO4

ぎゃくに、分子ぶんし分子ぶんししきとして表現ひょうげんされれば分子ぶんししき化学かがくしきりょう分子ぶんしりょう定義ていぎにより一致いっちするので、分子ぶんししきから分子ぶんしりょう算術さんじゅつてきもとめるさいには暗黙あんもくのうちに化学かがくしきりょう利用りようされている。なお具体ぐたいてき計算けいさん数値すうちもとめるときには、「分子ぶんしりょう」の記事きじ記載きさいしてあるような計算けいさんソフトとう使つかえる。

出典しゅってん

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  1. ^ しきりょう、『理化学りかがく辞典じてん』、だい5はん岩波書店いわなみしょてんISBN 4-00-080090-6
  2. ^ 化学かがくだい辞典じてん編集へんしゅう委員いいんかい(へん)「化学かがくだい辞典じてん-だい3はん共立きょうりつ(2001/09,初版しょはん1960/09)
  3. ^ 大木おおき道則みちのり;田中たなか元治もとはる;大沢おおさわ利昭としあき;千原ちはら秀昭ひであき(へん)「化学かがくだい辞典じてん東京とうきょう化学かがく同人どうじん(1989/10)

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