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博多はかたうどん

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「木屋こや」の博多はかたうどん

博多はかたうどん（はかたうどん）は、福岡ふくおか県けん福岡ふくおか市しを中心ちゅうしんに食しょくされるうどん。

歴史れきし[編集へんしゅう]

承うけたまわ天てん寺てらの「饂飩うどん蕎麦そば発祥はっしょう之の地ち」の碑いしぶみ

博多はかたはうどん伝来でんらいの地ちといわれる。諸説しょせつあるが、日本にっぽんに製せい麺めん技術ぎじゅつをもたらしたのは聖せい一いち国師こくし（圓爾えんに）といわれている[1]。圓爾えんには嘉よしみ禎ただし元年がんねん（1235年ねん）に渡わたり宋そうして径山寺きんざんじで仏教ぶっきょうを学まなび、仏ふつの教おしえと共ともに多おおくの中国ちゅうごく文化ぶんかを身みにつけて仁じん知ち二に年ねん（1241年ねん）に帰国きこく。寛ひろし元もと元年がんねん（1243年ねん）までの2年ねんの間あいだ博多はかたにとどまり、承うけたまわ天てん寺てらを開ひらいて布教ふきょう活動かつどうを行おこなったが、その際さいに麺めんや饅頭まんじゅうといった料理りょうりを博多はかたにもたらしたといわれている[2]。その後ご赴任ふにんした京都きょうとの東福寺とうふくじに伝つたわる「大だい宋そう諸山しょざん之の図ず」（国宝こくほう）の中なかには「明あきら州しゅう碧あお山寺やまでら水すい磨みがく様さま」という製粉せいふん技術ぎじゅつを記しるした書物しょもつが伝つたわっている[1]。

しかし当時とうじの「饂飩うどん」は現在げんざいのうどんとは異ことなり、現在げんざいのワンタンに近ちかいものであったとの説せつもある。うどんが現在げんざいの形かたちになったのは鎌倉かまくら時代じだい末期まっきといわれ、室町むろまち時代じだいまでには全国ぜんこくに広ひろまった。江戸えど時代じだい後期こうきには水車みずぐるまを使つかった効率こうりつの良よい製粉せいふん法ほうが開発かいはつされ[3]、また醤油じょうゆの大量たいりょう生産せいさんが可能かのうになったことから[4]、うどんはますます庶民しょみんにとって身近みぢかな食たべ物ものとなり、多様たような文化ぶんかが生うまれる事こととなった。

そんな中なか、商人しょうにんの街まち博多はかたでは時間じかんにシビアな商人しょうにんたちが素早すばやく食たべられるようにとゆで置おきの柔やわらかい麺めんのうどんが主流しゅりゅうになったといわれている[5]。また、軽食けいしょくとして食たべられていたため、消化しょうかの良よい柔やわらかい麺めんが好このまれたという説せつもある[6]。江戸えど時代じだいには「夜鳴よなきうどん」と呼よばれる屋台やたいスタイルが主流しゅりゅうであったが、明治めいじ時代じだいに入はいると多おおくのうどん店てんが登場とうじょうする。中なかでももっとも老舗しにせとされているのが博多はかた区くにある1882年ねん（明治めいじ15年ねん）創業そうぎょうの「かろのうろん」（「角かくのうどん」の意い）である。このほか、ごぼう天てん発祥はっしょうの店みせである1897年ねん（明治めいじ30年ねん）創業そうぎょうの「乙おつちゃんうどん」（現存げんそんせず）やその後継こうけい店てんである「川端かわばた 英すぐるちゃんうどん」、呉服ごふく町まちの「みやけうどん」や1926年ねん（昭和しょうわ元年がんねん）創業そうぎょうの「木屋こや」などが老舗しにせとして知しられる[5]。

福岡ふくおか市しを中心ちゅうしんとした地域ちいきで幅広はばひろく食しょくされているほか、「ウエスト」「牧まきのうどん」といった福岡ふくおか式しきのうどんを提供ていきょうするチェーン店てんも存在そんざいする[7]。また、東京とうきょうにも博多はかたうどんを提供ていきょうする店舗てんぽが存在そんざいする[8]。

特徴とくちょう[編集へんしゅう]

博多はかたで最古さいこのうどん店てん「かろのうろん」

博多はかたうどんには麺めんやだしに独自どくじの特徴とくちょうがある。以下いかに説明せつめいする。

博多はかたうどんの大おおきな特徴とくちょうはその麺めんである。博多はかたうどんではふわふわしたコシの弱よわい麺めんを用もちいる。その理由りゆうは前述ぜんじゅつのものに加くわえ、九州きゅうしゅうのうどん粉こに原因げんいんがあるともいわれる。九州きゅうしゅうのうどん粉こは、前ぜん近代きんだいでは高額こうがくな物流ぶつりゅう費ひのため近隣きんりんの農家のうかが栽培さいばいする小麦こむぎを使つかっており、現在げんざいでは醤油じょうゆに使つかうものと同様どうようの小麦こむぎを使用しようしているため、他たのものと比くらべてタンパク質たんぱくしつが少すくなく、コシが出でづらいのだという[9]。中なかにはヨモギを練ねり込こんだ麺めんを供きょうする店みせもある。

つゆは透明とうめいで、煮干にぼし、サバ節ぶし、鰹節かつおぶし、アゴ（トビウオ）、昆布こぶなどを使つかってだしをとり[10]、薄口うすくちしょうゆ[11]を入いれて仕上しあげている。特徴とくちょう的てきな具ぐにはゴボウ天てんや丸まる天たかし、九州きゅうしゅうの醤油じょうゆを使つかった甘辛あまからい味付あじつけの肉にく（いわゆる「肉にくうどん」の具ぐ）がある[10]。薬味やくみに柚子ゆず胡椒こしょうを使つかう店舗てんぽもある[12]。

博多はかたうどんのお供ともには白しろおにぎりや稲荷いなり寿司ずしもあるが、「かしわめし」（鶏肉とりにく、ゴボウ、ニンジンなどが入はいった炊たき込こみご飯はん）やそれを握にぎった「かしわおにぎり」がよく食しょくされる[13]。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ a b 豊田とよだ 2009, p. 98.
  2. ^ 奥山おくやま忠政ただまさ『文化ぶんか麺類めんるい学がく・ラーメン篇へん』明石書店あかししょてん、2003年ねん9月がつ26日にち、30頁ぺーじ。ISBN 978-4-7503-1792-2。 
  3. ^ 豊田とよだ 2009, pp. 98–99.
  4. ^ 『福岡ふくおかWalker』第だい17巻かん 第だい4号ごう 通巻つうかん358号ごう 2013, p. 28.
  5. ^ a b 『福岡ふくおかWalker』第だい17巻かん 第だい4号ごう 通巻つうかん358号ごう 2013, p. 29.
  6. ^ “【特集とくしゅう】博多はかたはじめて物語ものがたりvol1. うどんの発祥はっしょう地ちは博多はかたにアリ”. よかなび (2009年ねん6月がつ19日にち). 2016年ねん2月がつ29日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2013年ねん6月がつ27日にち閲覧えつらん。
  7. ^ 『福岡ふくおかWalker』第だい17巻かん 第だい4号ごう 通巻つうかん358号ごう 2013, p. 31.
  8. ^ 『モノ・マガジン』第だい694号ごう 2013, p. 63.
  9. ^ 藤村ふじむら和夫かずお『うどんの秘密ひみつ ホンモノ・ニセモノの見分みわけ方かた』PHP研究所けんきゅうじょ〈PHP新書しんしょ〉、2006年ねん4月がつ、109-110頁ぺーじ。ISBN 978-4-5696-5219-1。 
  10. ^ a b 『ふるさとの食しょく』 2008, p. 78.
  11. ^ 『モノ・マガジン』第だい694号ごう 2013, p. 60.
  12. ^ 仲村なかむら清司せいじ、博多はかたそぞろ歩あるき隊たい『博多はかたのススメ 大陸たいりく風ふうが染しみてる宵よいっぱり食しょく都と』双葉社ふたばしゃ〈ニッポンぶらぶら見聞けんぶん録ろく〉、2003年ねん10月がつ、15頁ぺーじ。ISBN 978-4-5752-9612-9。 
  13. ^ 『福岡ふくおかWalker』第だい17巻かん 第だい4号ごう 通巻つうかん358号ごう 2013, p. 33.

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

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外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

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