善悪ぜんあく彼岸ひがん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
善悪ぜんあく彼岸ひがん
Jenseits von Gut und Böse
初版本のタイトルページ
はつ版本はんぽんのタイトルページ
著者ちょしゃ フリードリヒ・ニーチェ
訳者やくしゃ 金子かねこうまおさむ生田長江いくたちょうこう
発行はっこう 1886ねん7がつ
発行はっこうもと 自費じひ出版しゅっぱん
ジャンル 哲学てつがく散文さんぶんアフォリズム
くに ドイツの旗 ドイツ帝国ていこく
言語げんご ドイツ
つぎさく 道徳どうとく系譜けいふ
ウィキポータル 哲学てつがく
[ ウィキデータ項目こうもく編集へんしゅう ]
テンプレートを表示ひょうじ

善悪ぜんあく彼岸ひがん』(ぜんあくのひがん、ドイツ原題げんだいJenseits von Gut und Böse)は、ドイツじん哲学てつがくしゃフリードリヒ・ニーチェ著書ちょしょ副題ふくだいは「将来しょうらい哲学てつがくへの序曲じょきょく」(ドイツVorspiel einer Philosophie der Zukunft)となっている。1886ねん初版しょはん発行はっこうされた。

まえちょツァラトゥストラはこうかたった』でのいくつものかんがえをげ、さらにくわしくべている。まえちょではあかるく、せい肯定こうていしていたが、本書ほんしょでは高度こうど批判ひはんてき論争ろんそうてきなアプローチへとえている。

過去かこ哲学てつがくしゃたちが道徳どうとくせいについて考察こうさつするときに、批判ひはんてき感覚かんかくけていたうたがいがあることと、とりわけキリスト教きりすときょうしょ前提ぜんてい盲目的もうもくてきれていたことを、ニーチェはこの『善悪ぜんあく彼岸ひがん』で非難ひなんしている。代表だいひょうてき対象たいしょうカントルターである。本書ほんしょ伝統でんとうてき道徳どうとくせいを、はいすすむという意味いみで、「善悪ぜんあくえた(=善悪ぜんあく彼岸ひがんにある)」領域りょういきへとすすむ。伝統でんとうてき道徳どうとくせいを、ニーチェは破壊はかいてき批判ひはんにさらすわけである。その批判ひはんをするときニーチェが支持しじするのは、感覚かんかく主義しゅぎやモラリズムであり、近代きんだいてき個人こじん危険きけん状態じょうたいとう衝突しょうとつすることをおそれない積極せっきょくてきなアプローチとみずからみなすものである。ビゼースタンダール称賛しょうさんしている。

文庫ぶんこ訳本やくほん[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ もとはんは「ニーチェ全集ぜんしゅう理想りそうしゃ

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • 工藤くどう綏夫『ニーチェ』清水しみず書院しょいん〈Century Books じん思想しそう〉、1967ねん12月。ISBN 978-4389420222 新装しんそうばん2014ねん9がつ

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]