国土こくど

国土こくど（こくど）は、一いち国こくの国境こっきょう線せんによってその範囲はんいを示しめされた領域りょういき。領土りょうど、領海りょうかいを含ふくむ。戦争せんそうの敗北はいぼくなどにより、その一部いちぶを他国たこくに分割ぶんかつ、割譲かつじょうすることもある。また、その土地とち、あるいは島しまを最初さいしょに発見はっけんしたのはどちらかということで、その帰属きぞくの行方ゆくえが国際こくさい的てきな係争けいそう問題もんだいに発展はってんしている例れいも少すくなくない。

概要がいよう

国土こくどは、国家こっかにとっては国民こくみんという人的じんてき資産しさんの存在そんざいとともに欠かくことのできない概念がいねんである。国土こくどからは鉱物こうぶつ資源しげんを得えられるほか、農業のうぎょうを行おこなって食料しょくりょうを得えたり、国民こくみんの住居じゅうきょを作つくったり、あるいは公共こうきょうの便びんに利りするための様々さまざまな施設しせつを設置せっちすることができる。

国民こくみんと国土こくどのどちらが欠かけても、一般いっぱんには国家こっかとしては認識にんしきされない。例外れいがい的てきにマルタ騎士きし団だんのような帰属きぞくする地域ちいきを持もたない集団しゅうだんも存在そんざいする。ユダヤ人じんもかつて古代こだいイスラエルが滅ほろんで後ご、帰属きぞくする地域ちいきを持もたなかったが、イスラエルを得えて後のちに自みずからの国土こくどを再ふたたび取得しゅとくした。しかしイスラエルは建国けんこく以降いこうに周辺しゅうへんの地域ちいきが国家こっかとしての存在そんざいに疑問ぎもんを呈ていし、あるいは国境こっきょうを巡めぐる紛争ふんそうが絶たえず（中東ちゅうとう戦争せんそうなど）、兵器へいき史しに於おいては「歴史れきし上じょう最もっとも戦車せんしゃ戦せんを経験けいけんした国くに」に挙あがるほどである。

国土こくどやそれの境界きょうかい線せんである国境こっきょうはいつの時代じだいにも紛争ふんそうの火種ひだねとなっており、歴史れきし的てきに幾度いくども国境こっきょう線せんが変更へんこうされた地域ちいきなどは隣国りんごくとの関係かんけいも難むずかしい傾向けいこうがある。かつてヨーロッパでは中世ちゅうせいより盛さかんに国境こっきょうを巡めぐって応酬おうしゅうを繰くり返かえしたために史跡しせきにその名残なごりが残のこる地域ちいきもあり、バールレ＝ナッサウのように国境こっきょう線せんがきわめて錯綜さくそうした状態じょうたいが現在げんざいも残のこる地域ちいきも見みられる。極端きょくたんな例れいでは公海こうかい上うえにある人工じんこう建造けんぞう物ぶつを国家こっかだと主張しゅちょうしている（ただし多おおくの国くにからは国家こっかとして承認しょうにんされていない）シーランド公国こうこくがある。

地球ちきゅう上うえで、どの国くにの領土りょうどでもない地域ちいきは、南極なんきょく条約じょうやくによって領有りょうゆう権けんが凍結とうけつされた南極大陸なんきょくたいりくを除のぞくとほぼ存在そんざいしない。地球ちきゅう外がいでは近ちかい天体てんたいに月つきが存在そんざいするが、この土地とちは宇宙うちゅう条約じょうやくにより「どの国くにの国土こくどでもない」とされているが、条約じょうやくに曖昧あいまいな部分ぶぶんが残のこるなど、将来しょうらいに渡わたってどのような扱あつかいとなるかは不明ふめいである。

関連かんれん項目こうもく

• 領域りょういき (国家こっか)
• 領土りょうど
• 土地とち
• 国土こくど地理ちり院いん
• 国土庁こくどちょう