(Translated by https://www.hiragana.jp/)
塞の神まつり - Wikipedia コンテンツにスキップ

ふさがかみまつり

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

ふさがかみまつり・邑町のサイノカミ(さいのかみまつり・むらまちのさいのかみ)は、富山とやまけん下新川しもにいかわぐん入善にゅうぜんまち上野うえの邑町(うわのむらまち)地区ちくで、毎年まいとし1がつ15にち日曜日にちようび場合ばあい)または15にちちか日曜日にちようびおこなわれる小正月こしょうがつ火祭ひまつり(左義長さぎちょう)で、無病むびょう息災そくさい五穀豊穣ごこくほうじょうなどを祈願きがんするものであり、くに重要じゅうよう無形むけい民俗みんぞく文化財ぶんかざい指定していされている。なお2000ねん平成へいせい12ねん)までは1がつ15にちおこなわれていた。

新潟にいがたけん福島ふくしまけん会津あいづ地方ちほうにおいても各地かくちおこなわれている伝統でんとう行事ぎょうじである。

歴史れきし概要がいよう[編集へんしゅう]

むかしむらさかいにあったくらほりかわ木偶でく(でく)人形にんぎょうながき、たたりをおそれた村人むらびと木偶でく人形にんぎょう無病むびょう息災そくさいねがいこのふさがかみまつったのがはじまりといわれるほか、この地区ちくコレラ江戸えど時代じだい流行はやったさいかわからながいた木偶でく人形にんぎょうやしたところコレラの流行りゅうこうおさまったことから毎年まいとしつづけられてきたなど、起源きげんについては諸説しょせつある。

まつ当日とうじつ早朝そうちょうより地区ちく小学生しょうがくせい全員ぜんいんあつまり、前日ぜんじつ神棚かみだなきよめたながさ9すんやく27.3cm)と8すん5ふんやく25.8cm)、はばあつさ1すんかくやく3.0cm)の神棚かみだなきよめたハンノキ2ほん用意よういされ、9すんいたには男神おかみの、8すん5ぶんいたには女神めがみかおを、かおしたにはそれぞれ男神おかみ女神めがみすみいちつい木偶でく人形にんぎょう(デクノボー〔ふさがかみ〕)とする。

その木偶でく人形にんぎょう(デクノボー)を拍子木ひょうしぎようくびけた6年生ねんせい親方おやかた代表だいひょう)を先頭せんとう全員ぜんいんが、寒中かんちゅうなか地区ちくかく家々いえいえ勧進かんじんしてまわる。その道中どうちゅう大声おおごえで「ふさがじんじゃ、だいじんじゃ、じいじもばあばも、ほこほこじゃ、来年らいねんむけや、じゅうさんじゃ・・・」とうたいながらまわり、それぞれのいえ玄関げんかんまえでは全員ぜんいんよこ整列せいれつ親方おやかた木偶でく人形にんぎょうを2かいはたき、家人かじんだしると玄関げんかんないはいり「ふさがじんじゃ、だいじんじゃ、・・・」と大声おおごえうた木偶でく人形にんぎょう両手りょうてでかざすと、家人かじん木偶でく人形にんぎょう(デクノボー)をおがみ、子供こどもたちった木綿もめんふくろ祝儀しゅうぎとしてべいまめれ、心付こころづけとしてお菓子かしやみかんなどもつつんでわたす。また正月しょうがつかざ書初かきぞ、のちにおこなう火祭ひまつりに使用しようするわらわたす。なおこのさいあつめたべいまめは、せんじまいもちまめにして火祭ひまつ地区ちくかく家庭かていくばる。

なお、親方おやかた代表だいひょう)は祝儀しゅうぎ心付こころづけがすくないと木偶でく人形にんぎょう(デクノボー)をいえなかれることができる。げられたいえ災難さいなんむとされるため、充分じゅうぶん祝儀しゅうぎわたさなければならない。またいちねん以内いない不幸ふこうのあった家庭かてい子供こどもはこの行事ぎょうじには参加さんかしない。

子供こどもたちかく家々いえいえまわあいだ火祭ひまつりと会場かいじょうとなるふさがかみ石碑せきひまえではつくものてられる。大人おとなたちやく5mのたけを5、6ほん用意ようい底辺ていへんやく2mの角錐かくすいつくり、そこへなわを5だんほどかく家々いえいえから事前じぜんあつめたわらたばおお小屋こやつくる。また石碑せきひがわには1m四方しほうくちけてある。子供こどもたちもどってくるとあつめてきた正月しょうがつかざりや、書初かきぞめ、わら、またべいまめなどがこの小屋こやなか外側そとがわにいっぱいまれ、最後さいご子供こどもたちとも家々いえいえまわった木偶でく人形にんぎょう(デクノボー〔ふさがかみ〕)をわらつつ小屋こやなか丁寧ていねい安置あんちがつけられる。ほのおたかがると、子供こどもたち完全かんぜんきるまでなんかえし「ふさがじんじゃ、だいじんじゃ、・・・」とうたい、木偶でく人形にんぎょうはいになると終了しゅうりょうとなる。

富山とやま県内けんないではこの時期じき各地かくち左義長さぎちょうおこなわれるが、上野うえの邑町地区ちくでは木偶でく人形にんぎょう(デクノボー)を用意ようい子供こどもたちかく家庭かていまわり、行事ぎょうじおおくをになかかわること、小屋こやのあるつくものあつめた正月しょうがつかざりなどとともに、木偶でく人形にんぎょういて厄払やくはらいをおこなうことなど、地区ちくではられないものであり、1991ねん平成へいせい3ねん)2がつ1にちに、富山とやまけん無形むけい民俗みんぞく文化財ぶんかざい指定していされ、その2010ねん平成へいせい22ねん)3がつ12にちには、「邑町のサイノカミ」としてくに重要じゅうよう無形むけい民俗みんぞく文化財ぶんかざい指定していされた。また2006ねん平成へいせい18ねん)には、「とやまの文化財ぶんかざいひゃくせん(とやまのまつひゃくせん部門ぶもん)」に選定せんていされている。

新潟にいがたけんきゅう東頚城ひがしくびき地方ちほうでは、塞ノ神さいのかみ小正月こしょうがつ)での火祭ひまつりは「どんどき」とばれる。れるさい、ほらがいいてむらないらせる。「どんどき」には正月しょうがつかざりや前年ぜんねんのおまもり、書初かきぞめなどをくべてやし、そのであぶったもちべるとご利益りやくがあるとされる。かく家庭かていでは、えだ団子だんごいろせんべいそのかざりをつるしたものを欄間らんまかざり、小正月こしょうがついわう。小正月こしょうがつにはかつて「鳥追とりおい」の行事ぎょうじおこなわれた。子供こどもたちが拍子木ひょうしぎをたたき「鳥追とりおうた」をうたいながらむらないまわる。『おらうらのわせだのいねを なにとりった すずめどりがった すずめこわどり たちゃがれ うーはらほーい』など。むらごとに歌詞かしことなる。過疎かそ少子化しょうしか影響えいきょうにより「鳥追とりおい」は現在げんざいおこなわれていない。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • 祭礼さいれい行事ぎょうじ富山とやまけん』(高橋たかはし秀雄ひでお漆間うるまもとさん へんさくらかえでしゃ1991ねん平成へいせい3ねん)10がつ25にち発行はっこう ISBN 4-273-02482-9
  • 『とやまさいガイド』(北日本新聞社きたにっぽんしんぶんしゃ2004ねん平成へいせい16ねん)3がつ31にち発行はっこう ISBN 4-906678-87-4
  • 『とやまの文化財ぶんかざいひゃくせんシリーズ(3) とやまのまつり』(富山とやまけん教育きょういく委員いいんかい 生涯しょうがい学習がくしゅう文化財ぶんかざいしつ2007ねん平成へいせい19ねん)3がつ発行はっこう

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]