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外反母趾がいはんぼし

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
変形へんけいしたあし写真しゃしん
症例しょうれい

外反母趾がいはんぼし(がいはんぼし、ラテン語らてんご: hallux valgus)とは、あし親指おやゆびはは)が外側そとがわしょう趾)のほうがる(そとはんする)病態びょうたいのこと。

概要がいよう[編集へんしゅう]

あしかぶと内側うちがわにあるだいいちちゅうあしこつうちはんし、はは趾がそとはんするとはは趾の関節かんせつだいいちMTP関節かんせつ)が突出とっしゅつする。あしわないくついていると突出とっしゅつした部分ぶぶんくつにこすれて疼痛とうつうしょうじる。女性じょせいおおられる(90%)。とくハイヒールのようなかかとたかく、さきほそくなったくつ長時間ちょうじかんいている場合ばあいになりやすいとわれている。はばひろすぎるくつくことによりあしまえすべり、すん部分ぶぶんにつまさきはいんで圧迫あっぱくされ、発症はっしょうするケースもある。症状しょうじょう進行しんこうによっていたみをおぼえ、歩行ほこう起立きりつのたびにいたみをかんじるようになる場合ばあいがある。外反母趾がいはんぼしになると歩行ほこうはは趾にうまく荷重におもできないため趾やさん趾のあしうら部分ぶぶん荷重かじゅう集中しゅうちゅうし、難治なんじせいゆうつうせいのタコ(胼胝だこ)ができる。子供こども男性だんせいにも発生はっせいする。おな要因よういんによって外反母趾がいはんぼしとはぎゃくあし小指こゆび親指おやゆび方向ほうこうがってしまう症状しょうじょううちはんしょう(ないはんしょうし)とばれる。

はは趾のがった角度かくど外反母趾がいはんぼしかく)で診断しんだんされる。外反母趾がいはんぼしかくあし荷重かじゅうレントゲンにてだいいちちゅうあしこつほねじくはは趾基ぶしほねこつじくのなすかく定義ていぎされ、そのおおきさによって重症じゅうしょう分類ぶんるいされる[1]

  • ~20 - 正常せいじょう
  • 20~30 - 軽症けいしょう
  • 30~40 - ちゅう程度ていど
  • 40以上いじょう - 重症じゅうしょう

ただし、変形へんけい程度ていど症状しょうじょう程度ていどかならずしも一致いっちしないとわれている。

原因げんいん[編集へんしゅう]

女性じょせい遺伝いでん、ハイヒールがさんだい原因げんいんであるとわれている[2]裸足はだし生活せいかつする民族みんぞく調査ちょうさでは男性だんせいよりも女性じょせい外反母趾がいはんぼしおおられる[3]。これは女性じょせい場合ばあいほうだいいちちゅうあしこつうちころがしやすく、はは趾がそところがしやすい傾向けいこうにあることが原因げんいんである[4]。また女性じょせいホルモン影響えいきょう指摘してきされている。遺伝いでん外反母趾がいはんぼしとの関係かんけいについて、香港ほんこんでの調査ちょうさでは遺伝いでんはハイヒールよりもはるかにおおきい外反母趾がいはんぼし原因げんいんであるとされている[5]裸足はだし生活せいかつしゃには外反母趾がいはんぼしすくなく、古代こだいじん足型あしがた化石かせき外反母趾がいはんぼしられず、日本にっぽん江戸えど時代じだい以前いぜん鼻緒はなお履物はきもの時代じだい書物しょもつには外反母趾がいはんぼし記載きさいられない。ハイヒールなどのさきほそ履物はきものがをこの女性じょせいが9わりめることよりくつ最大さいだい原因げんいんであるとするせつ有力ゆうりょくである[6]外反母趾がいはんぼし発症はっしょう影響えいきょうする生活せいかつ習慣しゅうかんくつ以外いがいには報告ほうこくされていない[1]

ハイヒールが外反母趾がいはんぼし原因げんいんとなるのは、

  1. あしぜんすべりして、あしさきほそくつさきまれる。
  2. ヒールがたかくなるにつれて、あしさきにかかる体重たいじゅう割合わりあいえる。
  3. だいいち趾のなかあし趾節関節かんせつこごめ角度かくどと、あし関節かんせつそここごめ角度かくどおおきくなるため、ちゅうあし趾節関節かんせつ両側りょうがわ靭帯じんたいたるんで不安定ふあんていになり、かつあしよこアーチに関与かんよする筋肉きんにくたるむため開張かいちょうあしになる。

という3つの理由りゆうにある[7]

あしにはすこしのよこのアーチがある。あし負荷ふかをかけると、このあしよこアーチがなくなるのを開帳かいちょうあしう。こんにゃくあしともう。開帳かいちょうあしになると、外反母趾がいはんぼしにもなりやすくなる。[8]

あしびょうがくでは、距骨関節かんせつ過剰かじょうかいないかいない、オーバープロネーション)が、外反母趾がいはんぼし原因げんいんであるとされ、かつこのかいないには、筋肉きんにくはあまり関与かんよしていないとされている[9]出生しゅっしょうに、外反母趾がいはんぼしさまはは趾の異常いじょうがある場合ばあい進行しんこうせいほねせい線維せんい形成けいせいしょう場合ばあいがある。200まんにん一人ひとり難病なんびょうだが、遺伝子いでんし検査けんさ早期そうき診断しんだんをする必要ひつようがある。筋肉きんにくよわりや歩行ほこう様式ようしきあるかた)が外反母趾がいはんぼし原因げんいんとなることを結論けつろんけた論文ろんぶんはない。

治療ちりょう[編集へんしゅう]

治療ちりょうほうには保存ほぞん療法りょうほう手術しゅじゅつ療法りょうほうがある。保存ほぞん療法りょうほうにはくつ指導しどう運動うんどう療法りょうほう(グーパー体操たいそう、ホフマン体操たいそう、ストレッチ、タオルギャザーなど)、あしそこばん療法りょうほう(アーチサポート療法りょうほう)などがある。保存ほぞん療法りょうほう軽度けいどから中等ちゅうとう外反母趾がいはんぼし有効ゆうこうとされている。過去かこ報告ほうこくされている手術しゅじゅつ方法ほうほうは100とも200ともいわれているが、現在げんざいおこなわれている手術しゅじゅつほう主流しゅりゅうだいいちちゅうあしこつほねじゅつである。だいいちちゅうあしこつをどこかでってそのうちはん矯正きょうせいするとはは趾のそとたん矯正きょうせいされる。ほねりをする部位ぶいによってとおくらいきんくらいほね幹部かんぶほねじゅつ分類ぶんるいされる[1][6]

患者かんじゃ[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ a b c 日本整形外科学会にほんせいけいげかがっかい診療しんりょうガイドライン委員いいんかい外反母趾がいはんぼし診療しんりょうガイドライン策定さくてい委員いいんかい編著へんちょ(2014)『外反母趾がいはんぼし診療しんりょうガイドライン2014改訂かいていだい2はん日本整形外科学会にほんせいけいげかがっかい日本にっぽんあし外科げか学会がっかい監修かんしゅう, 南江堂なんこうどう, p. 30.
  2. ^ 井口いぐちすぐるあしのクリニック―教科書きょうかしょけなかった診療しんりょうのコツ』 南江堂なんこうどう 2004ねん
  3. ^ Maclennan R: Prevalence of hallux valgus in a Neolithic New Guinea population. Lancet i:1398, 1966
  4. ^ Ferrari, J., Hopkinson, L. & Alf, D. (2004). Size and shape difference between male and female foot bones. Journal of the American Podiatric Medical Association, 94: 5; 434-452.
  5. ^ Chang-Hyung Lee; Sooji Lee; HyoJeong Kang; Da-Eun Jung; Yun-Mi Song; Kayoung Lee; Kyungtai Lee; JiHye Hwang; Joohon Sung. Genetic Influences on Hallux Valgus in Koreans: The Healthy Twin Study. Twin Research and Human Genetics. 2014, volume 17, Issue 2, pp. 121-126.
  6. ^ a b 高倉たかくら義典よしのり監修かんしゅう (2010). 図説ずせつあし臨床りんしょう だいはん. メディカルビューしゃ 
  7. ^ 井口いぐちすぐる新版しんぱん 外反母趾がいはんぼしふせぐ・なおす』 講談社こうだんしゃ 2007ねん
  8. ^ こんくら あきら 『くつひと不健康ふけんこうにする』 株式会社かぶしきがいしゃ希望きぼう 2019ねん ISBN 9784909001030
  9. ^ T. C. ミショーちょ 加倉井かくらいしゅういちやく臨床りんしょうあし装具そうぐがく医歯薬出版いしやくしゅっぱん株式会社かぶしきがいしゃ 2005ねん