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親指おやゆび

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
親指おやゆび
親指おやゆび
ラテン語らてんご pollex, digitus
primus, digitus I
英語えいご Thumb
器官きかん 運動うんどう
動脈どうみゃく ははゆびぬし動脈どうみゃく
テンプレートを表示ひょうじ

親指おやゆび(おやゆび)は、場合ばあいてのひら地面じめんけたときに、あし場合ばあい直立ちょくりつしたときに、一番いちばん内側うちがわ位置いちするゆび一般いっぱんてきゆびなか一番いちばんふとい。

和語わごではとうさんゆび大指おおざす医学いがく用語ようごではだい一指いっしははゆび拇指ぼし漢語かんごではははゆび拇指ぼしきょゆび巨擘きょはく(きょはく)、擘指(はくし)とのかたがある。

人間にんげん親指おやゆびは、の4ほんゆび方向ほうこうにあることが特徴とくちょうであり、これにより、人間にんげん器用きようにものを「つかむ」「つまむ」ことができる。

英語えいごけんでは親指おやゆび以外いがいを finger、親指おやゆびを thumb とぶことからも、親指おやゆび日本語にほんごう「ゆび」とは認識にんしきしていないことがかる。ただし、Oxford Lerners Dictionaries では thumb を the short, thick finger at the side of the hand, slightly apart from the other four (側面そくめんに、よんほんからすこはなれてあるみじかふとゆび(finger))と、finger のひとつとして説明せつめいしている[1]英語えいごの finger と語源ごげんおなじくするドイツの Finger はドイツ辞典じてんのDudenに eines der fünf beweglichen Glieder der Hand bei Menschen und Affen (ひとさるにある5つの運動うんどうひとつひとつ)とあるように、親指おやゆびふく[2]

人間にんげん以外いがいにものをつかむことができる動物どうぶつとしては、さる仲間なかまジャイアントパンダがあるが、ジャイアントパンダの親指おやゆびえる部分ぶぶんは、てのひら突起とっき発達はったつしたものであり、ゆびではない。

また、イヌ後肢あとあしのように退化たいかして親指おやゆび消滅しょうめつしてしまったものもあるが、レントゲン写真しゃしんなどをるとその骨格こっかくははっきりとのこっている。ちなみに前肢ぜんし親指おやゆびおおかみつめ)は現在げんざいもほとんどのイヌではのこっているが、移動いどうなどにさいして親指おやゆび地面じめんけることはなく、ぷらぷらとぶらさがっている状態じょうたいである。

ゆび骨格こっかくみぎはしははゆび

構造こうぞう

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ゆびつめ付属ふぞくする末節まっせつこつちゅうふしこつもとぶしこつという3つのゆびぶしこつからなるが、ははゆびゆびとはことなり2つのゆびぶしこつしかたない(英語えいご親指おやゆびを"finger"のうち分類ぶんるいしないのはそうしたところからである)。ゆびぶしこつはいわゆるのひら内部ないぶ中手なかてこつ接続せつぞくし、こついたる。ゆびぶしこつ関節かんせつはすべて蝶番ちょうつがい関節かんせつである。したがって自由じゆうは1である。しかしながら、こつ中手なかてこつあいだ関節かんせつ中手なかて関節かんせつ)は、くら関節かんせつであり、くら同士どうしがすりわさったようなかたちをしている。したがって関節かんせつ自由じゆうは2である。このため、ははゆびはし使つかってえんえがくようなうごきをあたえられる。ゆび完全かんぜんくら関節かんせつではなく、中手なかてこつ同士どうし関節かんせつふくむため、このようなうごきはははゆびがもっとも得意とくいとする。

意味いみ

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ジャン=レオン・ジェローム『Pollice Verso〈ろされた親指おやゆび〉』

西洋せいよう文化ぶんかでは親指おやゆび以外いがいゆびにぎり、親指おやゆびうえけてのばす動作どうさ状態じょうたい、あるいは肯定こうていあらわす(サムズアップ)。そのまま親指おやゆびしたけると、否定ひてい、もしくは「」をあらわす。

一説いっせつには古代こだいローマけん闘士とうしにおける生死せいしをかけた真剣しんけん勝負しょうぶけたがわ処遇しょぐう指示しじする仕草しぐさ由来ゆらいし、健闘けんとうむなしくけた剣士けんしには賛辞さんじ慈悲じひ助命じょめいとしてサムズアップを、卑劣ひれつたたかいや臆病おくびょう行動こうどうたいする不満ふまんには親指おやゆびしたにしてめをすようもとめたという。こと後者こうしゃ西洋せいようでははっきりとした敵意てきいのイメージを相手あいてあたえる動作どうさとして使つかわれている。ゆえに、西洋せいようでむやみにこれを使つかうと人間にんげん関係かんけい破壊はかいされることもある。

中世ちゅうせい日本にっぽんでは「おほゆび(大指おおざす)」とばれ、江戸えど時代じだいに「おやゆび」の用例ようれいられるようになった。親指おやゆび呼称こしょう定着ていちゃくしたのは明治めいじ時代じだい以後いごのことである[3]

日本にっぽんボディーランゲージでは、親指おやゆびは「おとこ」を意味いみする。日本にっぽん手話しゅわでも「おとこ」または「かれ三人称さんにんしょう代名詞だいめいし)」)という意味いみ使つかわれる。 「霊柩車れいきゅうしゃとき親指おやゆびかくす」「野犬やけんえつかれたとき親指おやゆびかくす」など、俗信ぞくしん対象たいしょうともなる。

建築けんちく現場げんばでは、クレーン合図あいず使つかわれる。うえ画像がぞうのように親指おやゆび以外いがいの4ゆびにぎ親指おやゆびうえけたかたちうで上下じょうげさせてせると「クレーンのしゅジブ(おやジブ)をげよ」の意味いみ親指おやゆびしたけておな動作どうさをすると「クレーンのしゅジブをげよ」の意味いみになる。

YouTubeでは、動画どうがたいして、親指おやゆびうえけたアイコンを「評価ひょうか」、親指おやゆびしたけたアイコンを「わる評価ひょうか」としており、このアイコンをクリックして動画どうが評価ひょうかおくこと可能かのうである。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ https://www.oxfordlearnersdictionaries.com/definition/english/thumb_1?q=thumb
  2. ^ https://www.duden.de/rechtschreibung/Finger
  3. ^ 常光じょうこうてっ『しぐさの民俗みんぞくがくミネルみねるァ書房ぁしょぼう 2006ねんISBN 4623046095 pp.53-83.

関連かんれん項目こうもく

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