大津おおつ街道かいどう

大津おおつ街道かいどう（おおつかいどう）は、大津おおつ宿やどと伏見ふしみ宿やどを結むすぶ街道かいどう。

概要がいよう

東海道とうかいどう京街道きょうかいどう、伏見ふしみ通どおりとも呼よばれる。

東海道とうかいどうの大津おおつ宿やどから京都きょうと中心ちゅうしん部ぶを通とおらず、髭ひげ茶屋ちゃや追分おいわけから山科やましな盆地ぼんちを南下なんかし、勧修寺かんしゅうじから稲荷山いなりやまの南みなみ麓ふもとに抜ぬける道みち（大岩おおいわ街道かいどう）を通とおって京街道きょうかいどうの伏見ふしみ宿やどに至いたる街道かいどう。現在げんざいの滋賀しが県けん道どう・京都きょうと府ふ道どう35号ごう大津おおつ淀よどみ線せんである。これを南方なんぽうから辿たどると、伏見ふしみからしばらくは伏見ふしみ街道かいどうを行いくが、深草ふかくさの藤森ふじもり神社じんじゃ前まえで東ひがしに分岐ぶんきし、現在げんざいの京都教育大学きょうときょういくだいがくキャンパス東方とうほうの西福寺さいふくじの角かくで再ふたたび北きた向むきに転てんじ、JR奈良なら線せんを斜ななめに横切よこぎり小ちいさな屈曲くっきょくを経へて大岩おおいわ街道かいどうに合流ごうりゅうし、これを東ひがしに辿たどれば山科やましな勧修寺かんしゅうじに至いたる。ここから山科やましな盆地ぼんちを北上ほくじょうし追分おいわけで三条さんじょう大橋おおはしを起点きてんとする東海道とうかいどうに合流ごうりゅうする。

大津おおつ宿やどまでの東海道とうかいどうと大津おおつ街道かいどう、伏見ふしみ宿やどから大阪おおさかまでの街道かいどうを近年きんねんは総称そうしょうとして東海道とうかいどう五ご十じゅう七なな次じ（伏見ふしみ宿やど、淀よどみ宿やど、枚方ひらかた宿やど、守口もりぐち宿やどを加くわえる）とすることもある。参勤交代さんきんこうたいの西国さいこく大名だいみょうが都とに入はいり朝廷ちょうていと接触せっしょくすることを嫌きらって、江戸えど幕府ばくふが造つくったとされる。藤森ふじもり神社じんじゃの鳥居とりいには後水尾天皇ごみずのおてんのうの勅額ちょくがくが挙あげられていたため、社前やしろまえでは参勤交代さんきんこうたいの大名だいみょうも下馬げば・一礼いちれいしなければならなかった。幕末ばくまつにはこれを嫌きらった近藤こんどう勇いさむが、鳥居とりいから勅額ちょくがくを下おろさせたとの伝説でんせつもある。

また、1880年ねん（明治めいじ13年ねん）に開業かいぎょうした東海道本線とうかいどうほんせんの当初とうしょのルートも大津おおつ街道かいどうに沿そったルートであった。なお、東海道とうかいどう本線ほんせんは1922年ねん（大正たいしょう10年ねん）に現在げんざいの膳所ぜぜ駅えき - 京都きょうと駅えき間あいだを直線ちょくせん状じょうで結むすぶルートに変更へんこうされ、大津おおつ街道かいどう沿ぞいの旧きゅう東海道とうかいどう本線ほんせんの跡地あとちの多おおくは1963年ねん（昭和しょうわ38年ねん）から名神めいしん高速こうそく道路どうろに転用てんようされている。