大澤おおさわ章あきら

大澤おおさわ 章あきら（おおさわ あきら、1889年ねん（明治めいじ22年ねん） - 1967年ねん（昭和しょうわ42年ねん））は、日本にっぽんの法学ほうがく者しゃ。国際こくさい法ほう、憲法けんぽう、外交がいこう史し。西洋せいよう史し書しょ翻訳ほんやく家か。九州きゅうしゅう帝国ていこく大学だいがく名誉めいよ教授きょうじゅ。学習院大学がくしゅういんだいがく教授きょうじゅ。法学ほうがく博士はかせ。山村やまむら 静一せいいち（やまむら せいいち）の筆名ひつめいで翻訳ほんやくなども手てがけた。

略歴りゃくれき

東京とうきょう府ふ出身しゅっしん。学習がくしゅう院いんを経へて東京とうきょう帝国ていこく大学だいがく法学部ほうがくぶ独逸どいつ法科ほうか卒業そつぎょう。その後ご、パリ大学だいがく博士はかせ課程かていに進すすむ。 1919年ねん（大正たいしょう8年ねん）、パリ講和こうわ会議かいぎ実施じっし委員いいんとして渡わたり欧おうする。以後いご国際こくさい連盟れんめいに勤務きんむした。1922年ねん（大正たいしょう12年ねん）には文部省もんぶしょう在外ざいがい研究けんきゅう員いんとなり、1924年ねん（大正たいしょう13年ねん）に九州きゅうしゅう帝国ていこく大学だいがく教授きょうじゅに就任しゅうにんする。以後いご法文学部ほうぶんがくぶ長ちょうを務つとめた。

1930年ねん（昭和しょうわ5年ねん）には九州きゅうしゅう法ほう学校がっこう初代しょだい校長こうちょうに就任しゅうにんした。九大きゅうだいを退官たいかんした後のちは、学習院大学がくしゅういんだいがく教授きょうじゅに就任しゅうにん。1958年ねん（昭和しょうわ33年ねん）に『世界せかいの憲法けんぽう』(国元くにもと書房しょぼう)を責任せきにん編集へんしゅうした。

人物じんぶつ

敬虔けいけんなカトリック信者しんじゃであり、聖書せいしょを中心ちゅうしんとしたヨーロッパの修道院しゅうどういんなどの体験たいけんを元もとに、高潔こうけつな印象いんしょうを持もった授業じゅぎょうを行おこなった。国際こくさい法ほうではヴァルター・ヘンリヒの管轄かんかつ権けん理論りろん学説がくせつを支持しじした。憲法けんぽう観かんにおいては国家こっか権力けんりょくの構成こうせい原理げんりを追求ついきゅうし、常つねに権力けんりょく行使こうしの濫用らんようを批判ひはんする立場たちばに立たってきた。

(大澤おおさわの憲法けんぽう観かん：国政こくせいの権威けんいは国民こくみんに由来ゆらいする。権力けんりょくは国民こくみんによって構成こうせいされた社会しゃかい的てき形成けいせいにすぎずそれは自みずからに固有こゆうな存在そんざいではない。)著書ちょしょ『政治せいじと倫理りんり』より。

またカトリック史しの翻訳ほんやく書しょが多数たすうある。学習がくしゅう院いん時代じだいは郡こおり虎彦とらひこと親友しんゆうであり、大澤おおさわを通つうじて九大きゅうだいに欧文おうぶん戯曲ぎきょく関係かんけい旧きゅう蔵書ぞうしょが寄贈きぞうされている。パリ大学だいがく時代じだいはベルナール・ローラン・ゴスランと親友しんゆうであった。

主要しゅよう著作ちょさく

著書ちょしょ

• 『国際こくさい法ほう秩序ちつじょ論ろん』　1931年ねん　岩波書店いわなみしょてん
• 『丘おかの書しょ』　1938年ねん　岩波書店いわなみしょてん
• 『グロティウス自由じゆう海うみ論ろんの研究けんきゅう』　1941年ねん　九州大学きゅうしゅうだいがく法政ほうせい学会がっかい
• 『政治せいじと倫理りんり』　1946年ねん　社會しゃかい教育きょういく聯合れんごう會かい

翻訳ほんやく

• シャルモン『自然しぜん法ほうの再生さいせい』 1927年ねん　岩波書店いわなみしょてん
• ヨハネス・ヨルゲンセン『アシイシの聖せいフランチェスコ巡礼じゅんれいの書しょ』（山村やまむら静一せいいち名義めいぎ）　1930年ねん　岩波書店いわなみしょてん
• ヨハネス・ヨルゲンセン『回心かいしん』　1947年ねん　山野やまの書店しょてん
• グザヴィエ・ド・メーストル『アオスタの市しの癩病らいびょう者しゃ』　1955年ねん　ドン・ボスコ社しゃ
• トマス・ア・ケンピス『キリストにならいて』（呉ご茂一もいちとの共とも訳やく）　1960年ねん　岩波いわなみ文庫ぶんこ

論文ろんぶん

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