寝殿しんでん

寝殿しんでん（しんでん）とは、平安へいあん時代じだい以後いごの公家くげの邸宅ていたくにおいて、主人しゅじんの居所きょしょとして中央ちゅうおう部ぶに設もうけられた施設しせつ。公家くげ社会しゃかいにおける儀式ぎしき・行事ぎょうじの場所ばしょとして中世ちゅうせい・近世きんせいを通つうじて重要じゅうよう視しされた。

概要がいよう

正面しょうめん3間あいだから5間あいだ、側面そくめん2間あいだで檜ひのき皮がわ葺の母屋もやを中心ちゅうしんとして、その周辺しゅうへんを庇ひさし・簀子すのこなどを巡めぐらせている。南みなみ正面しょうめん側がわには庭にわから昇降しょうこうする階段かいだんが設もうけられ、邸やしき内ないの建物たてものには残のこり三さん方ぽうから伸のびる渡殿わたどのを介かいしてつながっていた。四隅よすみに出入でいり口ぐちとなる妻戸つまどを設もうけ、その他たの周囲しゅういには蔀しとみ戸どを吊つり、塗ぬり籠かごとよばれる壁かべと妻戸つまどで仕切しきられた一室いっしつを除のぞけば基本きほん的てきには壁かべを作つくらず、丸柱まるばしらが林立りんりつした構造こうぞうで、日にち中ちゅうは蔀しとみ戸どを開あけ放はなつことで非常ひじょうに開放かいほう的てきな空間くうかんとなった。天井てんじょうは母屋もや部分ぶぶんは組くみ入にゅう天井てんじょう、庇ひさしは化粧けしょう屋根裏やねうら構造こうぞうであったと推定すいていされ、室内しつないは板敷いたじきでそこに畳たたみや茵しとねを敷しき、原則げんそくとして壁かべが無ないために屏風びょうぶ・室しつ簾すだれ・几帳きちょうなどで寝殿しんでん内部ないぶを間あいだ仕切じきりした。

参考さんこう文献ぶんけん

• 山田やまだ雄司ゆうじ「寝殿しんでん」『日本にっぽん古代こだい史し大だい辞典じてん』（大和やまと書房しょぼう 2006年ねん）ISBN 978-4-479-84065-7
• 川本かわもと重雄しげお「寝殿しんでん」『日本にっぽん歴史れきし大だい事典じてん 2』（小学館しょうがくかん 2000年ねん）ISBN 978-4-095-23002-3

関連かんれん項目こうもく

• 寝殿造しんでんづくり