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対戦たいせんダイアグラム

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

対戦たいせんダイアグラム(たいせんダイアグラム)、あるいは対戦たいせんダイグラムは、コンピュータゲームとく対戦たいせんがた格闘かくとうゲームにおいて、登場とうじょうキャラクター同士どうし有利ゆうり不利ふりといった相性あいしょうひょうにしたものである。(日本にっぽん国内こくないにおいて)日常にちじょうでより一般いっぱんてき意味いみの「交通こうつう機関きかん運行うんこう計画けいかく図示ずししたもの」との混乱こんらんのおそれのすくない場合ばあいたんに「ダイア(ヤ)グラム」ともばれる。以下いかほん項目こうもくではたんに「ダイアグラム」と記述きじゅつする。

概要がいよう

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登場とうじょうするキャラクターのかず多数たすうとなる対戦たいせんがた格闘かくとうゲームにおいては、キャラクターあいだ個性こせいけの結果けっか、キャラクター同士どうし有利ゆうり不利ふり存在そんざいすることがおおい。いちれいとして「スピードにすぐれているキャラ」、「パワーにすぐれているキャラ」、「スピード・パワーどちらも平均へいきんてきなキャラ」の3しゃがいたとする。スピードキャラは平均へいきんキャラにつよく、平均へいきんキャラはパワーキャラにつよく、パワーキャラはスピードキャラにつよい、と設定せっていされることがかんがえられる。こういったキャラ同士どうし有利ゆうり不利ふりひょうにしたものがダイアグラムである。おおくの場合ばあい、さらにそれを数値すうち合計ごうけいもとめてキャラクターのつよさに序列じょれつをつけ、これをキャラランクう。キャラランクのひくじゃくキャラにたいして不利ふりでキャラランクのたかつよキャラにたいして有利ゆうりくキャラはダイヤブレイカーばれる。

nじんのキャラが登場とうじょうするゲームの場合ばあい(「どうキャラ対決たいけつ」すなわちおなじキャラクター同士どうしでのたたかいがこった場合ばあい互角ごかくであるとしてかんがえないとすると[1])n(n-1)/2とおりのわせがしょうじる。またゲームへの熟達じゅくたつかくキャラの評価ひょうかによって、また後述こうじゅつとお作成さくせい方式ほうしきによってもおな作品さくひんでも作成さくせいしゃによりつくられるダイアグラムはことなる。

対戦たいせんがた格闘かくとうゲームが流行りゅうこうとなった1990年代ねんだいごろから、『ゲーメスト』などゲーム雑誌ざっし掲載けいさいされるようになった。また、ギルティギアシリーズやAC北斗ほくとこぶしなど、アークシステムワークスの制作せいさくするタイトルでは筐体きょうたいごとに、ぜん試合しあい記録きろくから算出さんしゅつし、集計しゅうけい結果けっか表示ひょうじされている。

実例じつれい

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作成さくせい方式ほうしきはいくつかあるが、ここでは3れいしめす。

勝率しょうりつ方式ほうしき

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勝率しょうりつをそのまま点数てんすうにする方式ほうしきたとえば、AとBが100試合しあいしたときに、Aの60しょう40はいになった場合ばあい、A:B=6:4とする。
勝率しょうりつ戦績せんせきとしてのこるゲームなどでは一番いちばんかりやすいダイアグラムとなる。

方式ほうしき

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有利ゆうり不利ふりおうじてめられた点数てんすう方式ほうしき。10てん場合ばあい、ほぼ互角ごかくならば5てんずつを、片方かたがた圧倒的あっとうてき有利ゆうり不利ふり)なら10てんと0てんとなる。 合計ごうけいもとめたり、かりぜんわせが互角ごかくである場合ばあい(すなわち、すべての点数てんすうが5てんであるとき)との比較ひかくおこない、順位じゅんいけをおこなうこともある。

ただし、この数字すうじ単純たんじゅん勝率しょうりつあらわすものではなく、どの程度ていどゲームの主導しゅどうけんにぎることができるか、つまり支配しはいりつあらわし、たがいに体力たいりょくゲージをらした割合わりあいとう計算けいさんされる実際じっさいうでちかしゃどうしが対戦たいせんおこなったとき(2ラウンド先取せんしゅ場合ばあい)は6:4のわせで6がわが7わり前後ぜんこう、7:3で7がわが9わり前後ぜんこう勝率しょうりつになりやすいとわれる。 当然とうぜんサッカーのボールポゼッションのように明確めいかく数値すうちせるわけではないため、数値すうち設定せってい作成さくせいしゃ感覚かんかく依存いぞんするめんおおきい。このため、複数ふくすう作成さくせいしゃによってより「客観きゃっかんてきな」ダイアグラムがもとめられることもおおい。ただし、ゲームにより自動じどう集計しゅうけいされるダイアグラムは単純たんじゅん勝率しょうりつをもとに数値すうちされている。

以下いか方式ほうしきによる、数字すうじわせの解説かいせつである。数字すうじ最小さいしょう単位たんい一般いっぱんてきには1だが、よりこまかく0.5きざみや0.1きざみで設定せっていされる場合ばあいもある。

5:5
ほぼ互角ごかくである。両者りょうしゃおなじキャラクターを使つかっている場合ばあい基本きほんてきにこれにてはまる。
ただしタイトルによっては1プレイヤーがわと2プレイヤーがわとで仕様しよう若干じゃっかんことなる場合ばあいがあるため、どうキャラせんかならずしも完全かんぜん互角ごかくとはかぎらない。
5.5:4.5
かなりやりこまれたカードにおいて、6:4ほど明確めいかくではなく、5:5というにはすこ一方いっぽう有利ゆうりなのでけたい場合ばあい使つかわれる。
これ以外いがいにも、0.5区切くぎりでけられる場合ばあい基本きほんてき上下じょうげ相性あいしょうなかあいだてき意味合いみあいがめられる(れい 6.5:3.5…うん実力じつりょくだけではどうにもならないほどのはあるが、展開てんかい次第しだいではくつがえ可能かのうせいったわせ)。
6:4
それなりの有利ゆうり不利ふりかんじるが、うん実力じつりょく十分じゅうぶん対処たいしょできる範囲はんいない
数値すうちおおむねこのあたりまでにおさまっているタイトルは、キャラクターあいだ対戦たいせんバランスがいとえる。
7:3
有利ゆうり不利ふりあきらかに極端きょくたん。かなり一方いっぽうてき展開てんかいになりやすいわせで、上級じょうきゅうしゃ同士どうし対戦たいせんなら7がわけることはすくない。
これ以上いじょうわせが多数たすうある場合ばあいは、ゲームバランスわるいとっても過言かごんではない。
8:2
2がわがいわゆるばれる、てる見込みこみがきわめてひく状況じょうきょうおちいる。非常ひじょう不利ふりいになん必要ひつようがある。
9:1
基本きほんてきなにをやってもてず、うん相手あいてのミスで程度ていどおおくの場合ばあい下記かきの10:0は現実げんじつてきにありないので、それにわるわせ。
ミスをしなければつね確定かくてい行動こうどう存在そんざいするが、一度いちど、あるいはのミスで、たとえ有利ゆうりいであっても確定かくてい行動こうどう消滅しょうめつする場合ばあいや、開幕かいまく直後ちょくご選択肢せんたくし勝利しょうりしなければ(敗北はいぼくした場合ばあいつぎ以降いこう選択肢せんたくし勝利しょうりしなければ)勝利しょうり確定かくていするルーチンに移行いこうできない場合ばあいなど。
10:0
一方いっぽう人間にんげん現実げんじつてき可能かのうなある行動こうどうパターンをったときに、もう一方いっぽうのプレイヤーがいかなる行動こうどうったとしても勝敗しょうはいくつがえることがないわせ。対戦たいせんしゃのレベルにどれほどの大差たいさがあってもかなら有利ゆうりがわつ。というくらいがあるということ誇張こちょうしてとき使つかわれる。ギャラリーが一方いっぽうてき状況じょうきょう悲観ひかんして場合ばあいや、けたがわのいいわけ使つかわれる場合ばあい多々たたある。
現実げんじつてきにはほぼありないが、『ストリートファイターZERO2』のしんごうおにたいEXザンギエフや、『ワールドヒーローズ』のジャンヌたいマッスルパワーなど、10:0とされているわせは存在そんざいしている。
対戦たいせんダイアグラム(方式ほうしき
A B C D E F G H 合計ごうけい ± 順位じゅんい
A - 5.0 5.0 6.0 5.5 5.0 4.5 5.0 36.0 +1.0 3
B 5.0 - 5.0 6.0 5.5 5.5 4.5 4.0 35.5 +0.5 4
C 5.0 5.0 - 6.0 5.5 6.0 5.0 5.5 38.0 +3.0 2
D 4.0 4.0 4.0 - 4.5 4.0 4.5 5.0 30.0 -5.0 8
E 4.5 4.5 4.5 5.5 - 6.0 4.5 4.0 33.5 -1.5 6
F 5.0 4.5 4.0 6.0 4.0 - 4.0 5.5 33.0 -2.0 7
G 5.5 5.5 5.0 5.5 5.5 6.0 - 5.5 38.5 +3.5 1
H 5.0 6.0 4.5 5.0 6.0 4.5 4.5 - 35.5 +0.5 4

単純たんじゅん比較ひかく方式ほうしき

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性能せいのうにかかわらず有利ゆうりならば○(1てん)、不利ふりならば×(-1てん)、互角ごかくならば△(0てん)とする方式ほうしき以下いか方式ほうしきでのれい単純たんじゅん比較ひかく方式ほうしきさい作成さくせいしたものである。方式ほうしき単純たんじゅん比較ひかく方式ほうしきとのあいだ順位じゅんい差異さいられる。

対戦たいせんダイアグラム(単純たんじゅん比較ひかく方式ほうしき
A B C D E F G H 合計ごうけい 順位じゅんい
A × +1 3
B × × × -1 4
C +4 2
D × × × × × × -6 8
E × × × × × -3 7
F × × × × -2 6
G +6 1
H × × × -1 4

派生はせい

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対戦たいせんがた格闘かくとうゲーム以外いがいでも対戦たいせん要素ようそおよびキャラあいだ相性あいしょう存在そんざいするゲーム、たとえばパズルゲームでもダイアグラムがつくられることがある。

またおもにバトル要素ようそつよ漫画まんがアニメ小説しょうせつにおいて、作中さくちゅうではたたかうことのなかったわせもふくめ、登場とうじょうキャラクターの序列じょれつ作品さくひんファンが独自どくじ考察こうさつするさいもちいられることもある。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ アーケードゲーム場合ばあい筐体きょうたい仕様しようから、どうキャラ対決たいけつでもコントロールパネルによって性能せいのう若干じゃっかんことなることがある。たとえば『北斗ほくとこぶし』のハートさまは、2Pのほうが連続れんぞくわざはばひろがり、有利ゆうりとされる。