小児しょうにはり

小児しょうに鍼に用もちいられる「ローラー鍼」

小児しょうに鍼に用もちいられる「集あつまり毛げ鍼」

小児しょうにはり（しょうにはり）とは、鍼灸しんきゅう療法りょうほうの一いち分野ぶんやである。「小児しょうに鍼」「小児しょうに針はり（しょうにしん」と表記ひょうきされることもある。

小児しょうにはりは、主おもに大阪おおさか近辺きんぺんの地域ちいきで発達はったつした子こどものためのはりである。1736年ねんに発刊はっかんされた文献ぶんけん鍼法弁べん惑に小児しょうにはりの記述きじゅつが確認かくにんされているという。しかし日本にっぽんでいつ頃ごろ創始そうしされたのかは分わかっていない。明治めいじ時代じだいには小児しょうにはりの名家めいかがいくつかあったが大正たいしょう時代じだい以降いこう次第しだいに普及ふきゅうするようになった。大正たいしょう初期しょきから昭和しょうわ初期しょきにかけて最もっとも小児しょうにはりが盛さかんな時期じきであった。昭和しょうわ20年代ねんだい大阪おおさかでは、「はり」といえば小児しょうにはりを指さしていた時代じだいがあった。小児しょうにはりは昭和しょうわ30年代ねんだいの国民こくみん皆みな保険ほけん制度せいどなどで、一時いちじ的てきに人気にんきが衰おとろえたが、臀部でんぶへの注射ちゅうしゃによる大腿だいたい四よん頭とう筋すじ短縮たんしゅく症しょう、強つよい新薬しんやくによる副作用ふくさようなどに対たいする現代げんだい医学いがくへの不信ふしん、東洋とうよう医学いがくブームなどにより、現代げんだいも関西かんさい地方ちほうを中心ちゅうしんにかなりの需要じゅようがある。

鍼灸しんきゅう師しは、広告こうこくや看板かんばんなどに書かくことができる項目こうもくに、かなり厳きびしい規制きせいがあるが、「小児しょうにはり」を治療ちりょう科目かもくに加くわえることは、認みとめられている。

小児しょうにはりの実際じっさい

小児しょうにはりは3つの領域りょういきがある。

1. 小児しょうにの疳かんあるいは「かんのむし」といわれている乳幼児にゅうようじ期きの夜よる驚おどろき症しょうや夜泣よなき、引ひきつけ（けいれん）などの神経しんけい的てきな症状しょうじょうを目標もくひょうとしたもの
2. 夜尿症やにょうしょう
3. 小児しょうにの疾病しっぺい治療ちりょうを目標もくひょうとするもの

疳かんを目標もくひょうとする鍼法は皮膚ひふ鍼が主体しゅたいであることが多おおい。皮膚ひふ鍼とは小児しょうにの皮膚ひふに軽かるい接触せっしょく的てき刺激しげきをおこない皮膚ひふへの鍼を刺ささない（刺とげ入いれしない）もので、鍉鍼（ていしん）という、米べい粒状りゅうじょうの突起とっきのついた鍼で強つよく押おしたり、車くるま鍼というぎざのある車しゃ上じょうのものを経絡けいらくに沿そって回転かいてんさせる鍼この鍼法は小児しょうにに好このまれる気持きもちのよい方法ほうほうである。

小児しょうにの疾病しっぺい治療ちりょうを目標もくひょうとするものは、病態びょうたいに応おうじて刺とげ入いれ、接触せっしょく、お灸やいと等とうで疾病しっぺいの治癒ちゆを図はかることもある。

イベント

広島ひろしま県けんや徳島とくしま県けんの鍼灸しんきゅう師し会かいでは時折ときおり「親子おやこスキンタッチ」などのイベントを開催かいさいしている。歯はブラシやドライヤーなどを小児しょうに鍼の代だい用品ようひんとしてお母かあさんたちに使用しよう方法ほうほうを覚おぼえてもらい夜泣よなき、疳かんの虫むしなどの治療ちりょうを家庭かていで行おこなえるようにして、乳幼児にゅうようじの頃ころから鍼灸しんきゅうに慣なれ親したしんでもらうことを目的もくてきにしている

参考さんこう文献ぶんけん

• Stephen Birch: Shonishin: Japanese Pediatric Acupuncture: A Text and Video Guide. Stuttgart ; New York : Thieme, 2011. ISBN 978-3131500625
• Thomas Wernicke: Shonishin: The Art of Non-Invasive Paediatric Acupuncture. London : Jessica Kingsley Publishers, 2014. ISBN 978-1848191600

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