小野おの弥一やいち

小野おの弥一やいち（おのやいち、1884年ねん（明治めいじ17年ねん）2月がつ26日にち - 1939年ねん（昭和しょうわ14年ねん）4月がつ6日にち）は、日本にっぽんの海軍かいぐん軍人ぐんじん。海軍兵学校かいぐんへいがっこう33期き。最終さいしゅう階級かいきゅうは海軍かいぐん中将ちゅうじょう。

経歴けいれき

山口やまぐち県けん玖珂くが郡ぐん玖珂くが町まち（現げん岩国いわくに市し）出身しゅっしん。小野おの友とも蔵ぞう長男ちょうなん。岩国いわくに中学校ちゅうがっこうを経へて、1905年ねん11月海軍兵学校かいぐんへいがっこう（33期き）を卒業そつぎょう。1906年ねん12月に海軍かいぐん少尉しょうい任官にんかん。1912年ねんに海軍かいぐん大だい学校がっこう乙種おつしゅ及および海軍かいぐん大だい学校がっこう専修せんしゅうを卒業そつぎょうした後のち、音羽おとわ、韓崎かんさきの航海こうかい長ちょうを経へて、1915年ねん軍艦ぐんかん政せい本部ほんぶ艤装ぎそう員いんとして英国えいこくで建造けんぞう中ちゅうだった駆逐くちく艦かん江こう風ふうの艤装ぎそうに従事じゅうじする。

1916年ねん海軍かいぐん少佐しょうさ任官にんかん。浅間あさま、鞍馬あんば、霧島きりしま、比叡ひえいの航海こうかい長ちょうを歴任れきにんし、1920年ねん富士ふじ（運用うんよう術じゅつ練習れんしゅう艦かん）教官きょうかん兼けん海軍かいぐん大だい学校がっこう教官きょうかんに就任しゅうにん。1921年ねんに海軍かいぐん中佐ちゅうさに任官にんかん、海軍かいぐん大だい学校がっこう教官きょうかん専任せんにんとなる。1923年ねん（大正たいしょう12年ねん）9月がつ関東大震災かんとうだいしんさいが起おこり、一いちヶ月かげつ間あいだ海軍かいぐん震災しんさい救護きゅうご委員いいん会かい委員いいんとして服務ふくむする。

1925年ねん海軍かいぐん大佐たいさに任官にんかんし、尻しり矢や特務とくむ艦長かんちょう（1925年ねん）、鬼怒きぬ艦長かんちょう（1926年ねん）^[1]を務つとめる。1927年ねん（昭和しょうわ2年ねん）に春日しゅんじつ（運用うんよう術じゅつ練習れんしゅう艦かん）教官きょうかん兼けん富士ふじ（運用うんよう術じゅつ練習れんしゅう特務とくむ艦かん）教官きょうかんとなり、翌年よくねん足柄あしがら艤装ぎそう員いん長ちょうを務つとめた後のち、1929年ねんから春日かすが艦長かんちょう兼けん富士ふじ特務とくむ艦長かんちょう、1931年ねんには海軍かいぐん大だい学校がっこう教官きょうかんも兼かねた。^[2]^[3]　

1931年ねん海軍かいぐん少将しょうしょうに任官にんかんし、海軍かいぐん大だい学校がっこう高級こうきゅう将校しょうこう講習こうしゅう員いんとして軍令ぐんれい部ぶに出仕しゅっし。1932年ねん（昭和しょうわ7年ねん）水路すいろ部長ぶちょうとなり、海図かいず「日本海にほんかい西部せいぶ」^[4]^[5]「太平洋たいへいよう」^[6]「濠ほり洲しゅう北部ほくぶ及附近きん諸島しょとう諸しょ海うみ」^[7]などの制作せいさくにあたる。臨時りんじ港湾こうわん調査ちょうさ会かい委員いいん、航空こうくう評議ひょうぎ会かい臨時りんじ評議ひょうぎ員いん、震災しんさい予防よぼう評議ひょうぎ会かい評議ひょうぎ員いん、臨時りんじロろーマ字まじ調査ちょうさ会かい委員いいん、地震じしん研究所けんきゅうじょ業務ぎょうむ嘱託しょくたく、測地そくち学がく委員いいん会かい委員いいん、学術がくじゅつ研究けんきゅう会議かいぎ会員かいいん、土木どぼく会議かいぎ臨時りんじ議員ぎいんを兼務けんむし、1934年ねん日本にっぽん学術がくじゅつ振興しんこう会かい学術がくじゅつ部ぶ第だい六ろく常置じょうち委員いいん会かい委員いいん。

1933年ねん(昭和しょうわ8年ねん）に水路すいろ部ぶで満州まんしゅう北部ほくぶ松まつ花江はなえの天測てんそくを行おこなった際さいは、二に週間しゅうかん余あまり現地げんちに赴おもむいている。また、1934年ねん（昭和しょうわ9年ねん）3月がつに水雷すいらい艇てい友とも鶴づる遭難そうなん事件じけん、翌年よくねん10月がつに赤軍せきぐん第だい四よん艦隊かんたい艦艇かんてい遭難そうなん事件じけんが起おこり、両りょう事件じけんの査問さもん会かい委員いいんを務つとめた。

1935年ねん（昭和しょうわ10年ねん）海軍かいぐん中将ちゅうじょう任官にんかん。軍令ぐんれい部ぶ出仕しゅっしの後のち、同年どうねん予備よび役やくとなり、株式会社かぶしきがいしゃ東京とうきょう計器けいき製作所せいさくしょ顧問こもんに就つく。1939年ねん（昭和しょうわ14年ねん）4月がつ6日にち、敗血症はいけつしょうにより築地つきじ海軍かいぐん軍医ぐんい学校がっこう診療しんりょう部ぶにおいて死去しきょ^[8]。

栄典えいてん

位階いかい

1907年ねん（明治めいじ40年ねん）2月がつ12日にち - 正せい八はち位い^[9]
1936年ねん（昭和しょうわ11年ねん）1月がつ13日にち - 正せい四よん位い^[10]

勲章くんしょう等とう

1934年ねん（昭和しょうわ9年ねん）4月がつ29日にち - 勲くん二に等とう瑞宝章ずいほうしょう^[11]

脚注きゃくちゅう

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

^ 1927年ねん（昭和しょうわ2年ねん）10月がつ30日にち東京とうきょう湾わん特別とくべつ大だい演習えんしゅう観艦式かんかんしきで「鬼怒きぬ」は御召おめし艦かん「陸奥みちのく」の先導せんどう艦かんを務つとめた。
^ 『玖珂くが町まち史し』（玖珂くが町まち役場やくば、1967年ねん）402頁ぺーじ
^ 福川ふくかわ秀樹ひでき『日本にっぽん海軍かいぐん将官しょうかん辞典じてん』（芙蓉ふよう書房しょぼう出版しゅっぱん、2000年ねん）100頁ぺーじ
^ 山口やまぐち県けん文書ぶんしょ館かん蔵ぞう　軸物じくもの追加ついか99　内海うつみ―名めい瀬戸内せとうち西部せいぶ、第だい100号ごう、30万まん分ぶんの1、水路すいろ部長ぶちょう小野おの弥一やいち、昭和しょうわ8年ねん4月がつ11日にち刊行かんこう、昭和しょうわ8年ねん4月がつ26日にち発行はっこう、76.9×108.2。
^ 島根しまね県けん竹島たけしま資料しりょう室しつに複製ふくせい展示てんじ（島根しまね県けん竹島たけしま資料しりょう室しつHP）
^ 第だい809号ごう、昭和しょうわ10年ねん3月がつ8日にち刊行かんこう、昭和しょうわ10年ねん3月がつ23日にち発行はっこう、76×107。
^ 第だい802号ごう、昭和しょうわ10年ねん10月がつ22日にち刊行かんこう、昭和しょうわ10年ねん11月5日にち発行はっこう、76×107。
^ 『東京とうきょう朝日新聞あさひしんぶん』1939年ねん(昭和しょうわ14年ねん)4月がつ7日にち夕刊ゆうかん
^ 『官報かんぽう』第だい7084号ごう「叙任じょにん及辞令れい」1907年ねん2月がつ13日にち。
^ 『官報かんぽう』第だい2711号ごう「叙任じょにん及辞令れい」1936年ねん1月がつ18日にち。
^ 『官報かんぽう』第だい2603号ごう・付録ふろく昭和しょうわ10年ねん9月がつ4日にち。

[1] 1927年ねん（昭和しょうわ2年ねん）10月がつ30日にち東京とうきょう湾わん特別とくべつ大だい演習えんしゅう観艦式かんかんしきで「鬼怒きぬ」は御召おめし艦かん「陸奥みちのく」の先導せんどう艦かんを務つとめた。

[2] 『玖珂くが町まち史し』（玖珂くが町まち役場やくば、1967年ねん）402頁ぺーじ

[3] 福川ふくかわ秀樹ひでき『日本にっぽん海軍かいぐん将官しょうかん辞典じてん』（芙蓉ふよう書房しょぼう出版しゅっぱん、2000年ねん）100頁ぺーじ

[4] 山口やまぐち県けん文書ぶんしょ館かん蔵ぞう　軸物じくもの追加ついか99　内海うつみ―名めい瀬戸内せとうち西部せいぶ、第だい100号ごう、30万まん分ぶんの1、水路すいろ部長ぶちょう小野おの弥一やいち、昭和しょうわ8年ねん4月がつ11日にち刊行かんこう、昭和しょうわ8年ねん4月がつ26日にち発行はっこう、76.9×108.2。

[5] 島根しまね県けん竹島たけしま資料しりょう室しつに複製ふくせい展示てんじ（島根しまね県けん竹島たけしま資料しりょう室しつHP）

[6] 第だい809号ごう、昭和しょうわ10年ねん3月がつ8日にち刊行かんこう、昭和しょうわ10年ねん3月がつ23日にち発行はっこう、76×107。

[7] 第だい802号ごう、昭和しょうわ10年ねん10月がつ22日にち刊行かんこう、昭和しょうわ10年ねん11月5日にち発行はっこう、76×107。

[8] 『東京とうきょう朝日新聞あさひしんぶん』1939年ねん(昭和しょうわ14年ねん)4月がつ7日にち夕刊ゆうかん

[9] 『官報かんぽう』第だい7084号ごう「叙任じょにん及辞令れい」1907年ねん2月がつ13日にち。

[10] 『官報かんぽう』第だい2711号ごう「叙任じょにん及辞令れい」1936年ねん1月がつ18日にち。

[11] 『官報かんぽう』第だい2603号ごう・付録ふろく昭和しょうわ10年ねん9月がつ4日にち。

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