岡野おかの包つつみ住じゅう

岡野おかの 包つつみ住じゅう（おかの かねずみ、明あかり暦れき元年がんねん（1655年ねん） - 元禄げんろく15年ねん9月5日にち（1702年ねん10月25日にち））は、江戸えど時代じだい前期ぜんきから中期ちゅうきの武士ぶし。播磨はりま国こく赤穂あこう藩士はんし。通称つうしょうは、金右衛門きんえもん（きんえもん）。

生涯しょうがい

明あかり暦れき元年がんねん（1655年ねん）、赤穂あこう藩士はんし・小野寺おのでら又八またはちの子ことして誕生たんじょう。母ははは同どう藩士はんし・多川たがわ九きゅう左衛門さえもんの女おんな。兄あにに小野寺おのでら秀和ひでかず、子こに岡野おかの包秀かねひで（九きゅう十じゅう郎ろう、父ちちの死後しごに金右衛門きんえもんを継承けいしょう）がいる。また、姉あね婿むこに大高おおだか忠雄ただおがいる。

小野寺おのでら家かは兄あにの秀和しゅうわが継ついだため、包つつみ住じゅうは別家べっけして岡野おかの家かを興おこし、浅野あさの家かに番つがえ使しとして200石せきで仕つかえた。

元禄げんろく14年ねん（1701年ねん）3月がつ14日にちに主君しゅくん・浅野あさの長矩ながのりが江戸城えどじょうにて高家こうか・吉良きら義央よしなかに対たいし刃傷にんじょうにおよび、赤穂あこう藩はんが改易かいえきになった際さいには赤穂あこうにあり、4月がつには家老がろう・大石おおいし良雄よしおに神文しんもん血判けっぱん書しょを出だしたのち一家いっかで赤穂あこう田井だい村むらに移うつり住すんだ。しかし、その後ご病びょうに伏ふせることとなり、同志どうしたちとの連絡れんらくは子この九きゅう十じゅう郎ろう（包秀かねひで）を通とおして行いった。吉良きら邸てい屋敷やしき討うち入いりへの参加さんかを強つよく望のぞんだが、病やまいは悪化あっかする一方いっぽうで、江戸えどには下向げこうできずにいた。

やむなく元禄げんろく15年ねん（1702年ねん）閏うるう8月がつ25日にちに九きゅう十じゅう郎ろうを先さきに出立しゅったつさせたが、9月5日にちに死去しきょした。享年きょうねん48。包つつみ住じゅうには包秀かねひでしか子こがなく、かつ遠とおく江戸えどに離はなれていたため、田井だい村むらの共同きょうどう墓地ぼちに葬ほうむられ法名ほうみょうも定さだかでない。

後こう史し

息子むすこ・包つつみ住じゅうが病死びょうししたことを知しった老母ろうぼ・小野寺おのでら又八またはち室しつは同月どうげつ9日にちに京都きょうとで頓死とんしした。江戸えどにいた九きゅう十じゅう郎ろうは、自みずからの通称つうしょうを父ちちと同おなじ金右衛門きんえもん秀しゅう包つつみと改あらためた上うえで討うち入いりに参加さんかし、松平まつだいら隠岐おき守もり定てい直じき邸ていで切腹せっぷくした。

創作そうさく

忠臣蔵ちゅうしんぐらの芝居しばいでは、女おんな遊あそびに放蕩ほうとうする大石おおいし内蔵助くらのすけを諫めに行いった岡野おかの包つつみ住じゅうは、遊興ゆうきょうに現げんを抜ぬかす内蔵ないぞう助すけに怒いかりのあまり狂死きょうしする。史実しじつでは重病じゅうびょうによる衰弱すいじゃく死し。

関連かんれん項目こうもく

• 矢や頭あたま長助ちょうすけ - 同おなじく子こに志こころざしを託たくして討うち入いり前まえに病死びょうしした