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島田しまだ大祭たいさい

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島田しまだ大祭たいさい
イベントの種類しゅるい 祭まつり
通称つうしょう・略称りゃくしょう 帯おびまつり
開催かいさい時期じき 10月がつ中旬ちゅうじゅん[1]
初回しょかい開催かいさい 元禄げんろく8年ねん（1695年ねん）[1]
会場かいじょう 静岡しずおか県けん島田しまだ市し本通ほんどおりおよびその周辺しゅうへん[1]
来場らいじょう者しゃ数すう 約やく80万まん人にん（2001年ねん）
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島田しまだ大祭たいさい（しまだたいさい）は、静岡しずおか県けん島田しまだ市しの大井おおい神社じんじゃの祭まつりである。一般いっぱんには帯おびまつり（おびまつり）の名なで知しられる[1]。3年ねんに1度ど、寅とら・巳み・申さる・亥いの年としの10月がつ中旬ちゅうじゅんに開催かいさいされる[1][2]。日本にっぽん三さん奇き祭さい[3][† 1]、天下てんかの三さん大だい奇き祭さい[2]、東海とうかいの三さん奇き祭さい[5]とよばれることもある。

神輿しんよ渡御とぎょに従したがって続つづく大名だいみょう行列ぎょうれつ、鹿島かしま踊おどり、屋台やたいが全体ぜんたいとして一ひとつの祭事さいじであるが、大名だいみょう行列ぎょうれつの際さいに大だい奴やつが左右さゆうに差さした日本にっぽんの太刀たちに帯おびを吊つるしているさまが特徴とくちょう的てきであることから、かつては「帯おびまつり」という呼称こしょうが祭事さいじの総称そうしょうとして使つかわれていた[2]。「島田しまだ帯たい祭さいの大名だいみょう行列ぎょうれつ」は静岡しずおか県けん指定してい無形むけい民俗みんぞく文化財ぶんかざいに指定していされている[6]。2001年ねん（平成へいせい13年ねん）の第だい103回かい島田しまだ大祭たいさいの期間きかん中ちゅうには約やく80万まん人にんが訪おとずれた[7]。高円宮たかまどのみや憲仁のりひと親王しんのう・憲仁のりひと親王しんのう妃ひ久子ひさこ夫妻ふさいは第だい103回かい島田しまだ大祭たいさいを視察しさつした[8]。

伝承でんしょうと変遷へんせん[編集へんしゅう]

大だい奴やつ（1929年ねん）

島田しまだ大祭たいさいは、1695年ねん（元禄げんろく8年ねん）陰暦いんれき9月がつに始はじまったとされ[5][9]、1992年ねん（平成へいせい4年ねん）に第だい100回かいの大祭たいさいが行おこなわれた[10][11]。祭まつりの詳細しょうさいは『志太しだ郡ぐん誌し』に記述きじゅつがあるものの、時代じだいにより変化へんかしてきており、原型げんけいは明あきらかになっていない[4]。帯おびが祭まつりで奉納ほうのうされている由来ゆらいは、他たの土地とちから嫁とついできた花嫁はなよめが晴はれ着ぎ姿すがたで大井おおい神社じんじゃを詣もうで、その後ごで町内ちょうないをめぐるという島田しまだの習慣しゅうかんが、宿やどの発展はってんにともない多おおくの戸数こすうをまわるのが困難こんなんになり、身代みがわりとして帯おびを神社じんじゃに奉納ほうのうし、後日ごじつ町内ちょうないにその帯おびを披露ひろうする形式けいしきに変化へんかしたためとされている[2][12]。

大祭たいさいが始はじまった当初とうしょは、山伏やまぶし姿すがたに仮装かそうした川越かわごえ人足ひとあしに先導せんどうされて神輿しんよが渡わたり、その後うしろに鹿島かしま踊おどりが行列ぎょうれつになって進すすんでいたが、その後ご、寛政かんせい年間ねんかん（1789年ねん～1800年ねん）から殿様とのさま行列ぎょうれつが加くわわるようになったといわれている。その後ご、山伏やまぶし姿すがたが「奴やつ」に変化へんかして大だい奴やつと呼よばれるようになり、殿様とのさま行列ぎょうれつに組くみ込こまれるようになった[13]。かつては人々ひとびとが見栄みえから競きそって華美かびな帯おびを用意よういしていたため「島田しまだに嫁よめにやると家いえが傾かたむく」と言いわれた[2]。現在げんざいは、安産あんざん祈願きがんを目的もくてきとして貸かし衣装いしょう店てんで借かりることが一般いっぱん的てきとなっている[14]。大祭たいさい最終さいしゅう日びに行おこなわれる「神輿しんよ渡御とぎょ行列ぎょうれつ」で猿田さるた彦命の後うしろを進すすむ大だい鉾ほこには、大祭たいさいのはじまりを示しめすとされる「元禄げんろく八乙亥歳九月吉祥日」と染そめられた旗はたが掲かかげられている[15]。

神事しんじ[編集へんしゅう]

大だい奴やつ（2022年ねん）
  • 大名だいみょう行列ぎょうれつ
第だい七なな街がいの担当たんとうで編成へんせいされる。島田しまだ宿やどの代官だいかんが大名だいみょう役やくを務つとめていたが[16]、1794年ねん（寛政かんせい6年ねん）、代官だいかん所しょが駿府すんぷ紺屋こんや町まちに移うつされ島田しまだ陣屋じんやとなって以降いこう、宿場しゅくば内ないの名家めいか・名門めいもんの子こどもが大名だいみょう役やくに据すえられたという[16]。お先触さきぶれを先頭せんとうに、大だい長柄ながえ、具足ぐそく、持じ筒とう、御先おさき騎き、槍持やりもち・片かた箱はこ、赤あか・黒くろ鉄砲てっぽう、お弓ゆみ、具足ぐそく、持じ筒とう、御先おさき騎き、槍持やりもち・片かた箱はこ、大だい奴やつと並ならび、行列ぎょうれつの花形はながたは総勢そうぜい25名めいの大だい奴やつである[17]。
  • 神輿しんよ渡御とぎょ（みこしとぎょ）
大名だいみょう行列ぎょうれつの後のちに、神輿しんよ渡御とぎょ行列ぎょうれつが続つづく。1893年ねん（明治めいじ26年ねん）に奉納ほうのうされた神輿しんよは400kgの重おもさがあり、新田にった町まちの氏子うじこにより担かつがれる[18][19]。
  • 島田しまだ鹿島かしま踊おどり
第だい六ろく街がいが担当たんとうしている。白丁はくちょう、三番叟さんばそう、お鏡かがみ、鼓こ、ささらの総計そうけい40人にんほどになる[19]。

文化財ぶんかざい[編集へんしゅう]

静岡しずおか県けん無形むけい民俗みんぞく文化財ぶんかざい[編集へんしゅう]

  • 島田しまだ鹿島かしま踊おどり 1957年ねん5月がつ13日にち指定してい[20][21]
  • 島田しまだ帯たい祭さいの大名だいみょう行列ぎょうれつ 1996年ねん12月12日にち指定してい[20][21]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 『年中ねんじゅう行事ぎょうじ辞典じてん』は山梨やまなし県けん富士吉田ふじよしだ市しの吉田よしだの火祭ひまつり、島田しまだ大祭たいさい、愛知あいち県けん稲沢いなざわ市しの国府宮こうのみやはだか祭さいを「日本にっぽん三さん奇き祭さい」としている[4]。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ a b c d e 島田しまだ大祭たいさい 島田しまだ市し
  2. ^ a b c d e 祭礼さいれい行事ぎょうじ 1992, p. 88.
  3. ^ 小和田こわだ哲男てつお／編へん 2000, p. 53.
  4. ^ a b 島田しまだ市し博物館はくぶつかん 1992, p. 6.
  5. ^ a b 島田しまだ市し史し編纂へんさん委員いいん会かい 1978, p. 776.
  6. ^ 『第だい107回かい島田しまだ大祭たいさい 島田しまだ帯たい祭さい』本通ほんどおり7丁目ちょうめ商店しょうてん会かい、2013年ねん
  7. ^ 「島田しまだ大祭たいさいに“全国ぜんこく”大賞たいしょう 抜群ばつぐんの観光かんこう貢献こうけん度ど」『静岡しずおか新聞しんぶん』2002年ねん7月がつ5日にち、23面めん
  8. ^ 「島田しまだ帯たい祭まつり大だい旅籠はたご柏かしわ屋や 高円宮たかまどのみやご夫妻ふさいが視察しさつ」『静岡しずおか新聞しんぶん』2001年ねん10月がつ14日にち、23面めん
  9. ^ 島田しまだ市し博物館はくぶつかん 2007, p. 12.
  10. ^ 東海道とうかいどうと祭まつり 1996, p. 112.
  11. ^ 文化ぶんか事典じてん 2006, p. 439.
  12. ^ 小和田こわだ哲男てつお／編へん 2000, p. 54.
  13. ^ 『大井おおいさんと大だいまつり』島田しまだ宿やど・金谷かなや宿やど史跡しせき保存ほぞん会かい、2013年ねん、p32
  14. ^ 祭礼さいれい行事ぎょうじ 1992, p. 89.
  15. ^ 島田しまだ市し博物館はくぶつかん 1992, p. 7.
  16. ^ a b 島田しまだ市し博物館はくぶつかん 2007, p. 22.
  17. ^ 『東海道とうかいどう島田しまだ大祭たいさい記念きねん誌し』
  18. ^ 島田しまだ市し博物館はくぶつかん 2007, p. 29.
  19. ^ a b 『第だい一いち〇七回島田大祭島田帯祭』
  20. ^ a b 『日本にっぽんの祭まつり文化ぶんか事典じてん』東京書籍とうきょうしょせき、2006年ねん、p.439
  21. ^ a b 『日本にっぽんの祭まつり　知しれば知しるほど』菅田すげた正ただし昭あきら、2007年ねん、p.197

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • 島田しまだ市し史し編纂へんさん委員いいん会かい 編へん『島田しまだ市し史し 中ちゅう巻まき』島田しまだ市役所しやくしょ、1978年ねん。 
  • 静岡しずおか県けん民俗みんぞく学会がっかい 編へん『静岡しずおか県けんの祭まつりごよみ』静香しずか新聞しんぶん社しゃ、1990年ねん。 
  • 島田しまだ市し博物館はくぶつかん 編へん『第だい二に回かい企画きかく展てん 島田しまだ大祭たいさい展てん』島田しまだ市し博物館はくぶつかん、1992年ねん。 
  • 『祭礼さいれい行事ぎょうじ・静岡しずおか県けん』桜さくら楓かえで社しゃ、1992年ねん。 
  • 吉川よしかわ祐子ゆうこ、中村なかむら羊ひつじ一郎いちろう『東海道とうかいどうと祭まつり』 7巻かん、静岡新聞社しずおかしんぶんしゃ〈東海道とうかいどう双書そうしょ〉、1996年ねん。 
  • 小和田こわだ哲男てつお／編へん『静岡しずおか県けんの不思議ふしぎ事典じてん』新人物往来社しんじんぶつおうらいしゃ、2000年ねん。 
  • 島田しまだ市し史し編纂へんさん委員いいん会かい 編へん『島田しまだ宿やどと大井おおい川がわ』島田しまだ市し教育きょういく委員いいん会かい、2002年ねん。 
  • 星野ほしの紘ひろし・芳賀はが日出男ひでお／監修かんしゅう『日本にっぽんの祭まつり文化ぶんか事典じてん』東京書籍とうきょうしょせき、2006年ねん。 
  • 島田しまだ市し博物館はくぶつかん 編へん『第だい四よん十じゅう三さん回かい企画きかく展てん「島田しまだ大祭たいさい展てん」』島田しまだ市し博物館はくぶつかん、2007年ねん。 

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

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