慕容徳とく

献けんじ武たけ帝みかど慕容備徳
	南みなみ燕つばめ
	初代しょだい皇帝こうてい
王朝おうちょう	南みなみ燕つばめ
在位ざいい期間きかん	398年ねん - 405年ねん
都城みやこのじょう	広こう固かた
姓せい・諱いみな	慕容徳とく→慕容備徳
字じ	玄げん明あきら
諡号しごう	献けんじ武たけ皇帝こうてい
廟びょう号ごう	世よ宗むね
生年せいねん	咸康2年ねん（336年ねん）
没年ぼつねん	建けん平ひらた6年ねん（405年ねん）
父ちち	文明ぶんめい帝みかど
母はは	公孫こうそん氏し
后妃こうひ	段だん季き妃ひ
陵墓りょうぼ	東陽とうよう陵りょう
年号ねんごう	燕つばめ平ひらた : 398年ねん? - 399年ねん?; 建けん平ひらた : 400年ねん - 405年ねん

慕容徳とく（ぼようとく）は五ご胡えびす十じゅう六ろく国こく時代じだいの南みなみ燕つばめの初代しょだい皇帝こうてい。前ぜん燕つばめの建国けんこく者しゃ慕容皝の子こ。

生涯しょうがい[編集へんしゅう]

はじめ次兄じけいの景けい昭あきら帝みかど慕容儁により梁りょう公こうに、甥おいの幽かそけ帝みかどにより范陽王おうに封ふうじられた。建けん熙11年ねん（370年ねん）に前ぜん燕つばめが前ぜん秦はたに滅ほろぼされると、前ぜん秦しんに降ふって宣昭のりあき帝みかど苻堅より張ちょう掖わき郡ぐん太守たいしゅに任にんじられるが、数すう年ねん後ごに免職めんしょくとなった。

宣昭のりあき帝みかどが東あずま晋すすむ攻撃こうげきを計画けいかくすると、慕容徳とくは奮威将軍しょうぐんに任にんじられた。しかし建たて元はじめ19年ねん（383年ねん）に淝水の戦たたかいで前ぜん秦はたが大敗たいはいし、五ご兄けいの慕容垂たれ（成なり武たけ帝みかど）が自立じりつして後こう燕つばめを建国けんこくすると、これに加くわわって車くるま騎き大将軍だいしょうぐんに任命にんめいされ、范陽王おうに封ふうじられた。前ぜん秦しんに留とどまっていたすぐ上じょうの同母どうぼ兄けいの慕容納おさめや慕容徳とくの諸子しょしたちは慕容徳とくらの叛乱はんらんを理由りゆうに全員ぜんいん殺害さつがいされた。

建けん興きょう11年ねん（396年ねん）に成なり武たけ帝みかどが崩御ほうぎょし甥おいの恵めぐみ愍帝慕容宝たからが即位そくいすると、遺命いめいにより使つかい持じ節ぶし・都みやこ督ただし冀兗青あお徐じょ荊豫六ろく州しゅう諸しょ軍事ぐんじ・特進とくしん・車くるま騎き大将軍だいしょうぐん・冀州牧まき・南蛮なんばん校こう尉じょうに任にんじられ、鄴（現在げんざいの河南かなん省しょう臨漳県けん）を守備しゅびした。

永えい康やすし2年ねん（397年ねん）に北きた魏たかしが後こう燕つばめに侵攻しんこうすると、敗北はいぼくした恵めぐみ愍帝は北方ほっぽうに逃亡とうぼうしたため、後こう燕つばめの領土りょうどは南北なんぼくに二分にぶんされることとなった。南方なんぽうにいた慕容徳とくは丞相じょうしょう・領りょう冀州牧まきに任にんじられた。まもなく恵めぐみ愍帝の弟おとうとの趙ちょう王おう慕容麟が鄴に入はいると、鄴の守備しゅびが困難こんなんなことを理由りゆうに、慕容徳とくに滑台すべりだい（現在げんざいの河南かなん省しょう滑なめら県けん）への遷都せんとを建議けんぎした。翌よく398年ねん、慕容麟の建議けんぎを受うけ入いれた慕容徳とくは南みなみ遷うつし、燕つばめ王おうを自称じしょうして南みなみ燕つばめを建国けんこくした。399年ねん、都とを広こう固かた（現在げんざいの山東さんとう省しょう青あお州しゅう市し）に遷うつした。

400年ねん、慕容徳とくは皇帝こうていを称しょうし建けん平ひらたと改元かいげんした。即位そくいに伴ともない慕容備徳と改名かいめいした。男子だんしがなく、甥おいの慕容超ちょう（慕容納おさめの子こ）を皇太子こうたいしとした。建けん平ひらた6年ねん（405年ねん）に70歳さいで崩御ほうぎょ。遺体いたいは夜よるに10余あまりの偽にせの棺かんとともに城門じょうもんから運はこび出だされ、密ひそかに山中さんちゅうに埋葬まいそうされたため、埋葬まいそう場所ばしょは不明ふめいとなった。