避難ひなん場所ばしょ

広域こういき避難ひなん場所ばしょを示しめすシンボル

津波つなみ緊急きんきゅう避難ひなん所しょを示しめす標識ひょうしき

避難ひなん場所ばしょ案内あんない板ばん
東京とうきょう都と新宿しんじゅく区く

避難ひなん場所ばしょ（ひなんばしょ）とは、地方自治体ちほうじちたいが指定していした災害さいがいを避さけることができる施設しせつ・場所ばしょのことで、地震じしんなどの大だい規模きぼ災害さいがい時ときに使用しようされる。2013年ねんの災害さいがい対策たいさく基本きほん法ほう改正かいせい以降いこうは、法令ほうれいで「避難ひなん所しょ」と明確めいかくに区別くべつされている。

概要がいよう

災害さいがい対策たいさく基本きほん法ほうでは、「津波つなみ、洪水こうずいによる危険きけんが切迫せっぱくした状況じょうきょうにおいて、住民じゅうみん等とうの生命せいめいの安全あんぜんの確保かくほを目的もくてきに、緊急きんきゅうに住民じゅうみんが避難ひなんする施設しせつや場所ばしょ」として、指定してい緊急きんきゅう避難ひなん場所ばしょが位置付いちづけられている。避難ひなん所しょと避難ひなん場所ばしょは相互そうごに兼かねることができる（災害さいがい対策たいさく基本きほん法ほう第だい49条じょうの8）。

東京とうきょう都とでは、「地震じしんなどによる火災かさいが延焼えんしょう拡大かくだいして地域ちいき全体ぜんたいが危険きけんになったときに避難ひなんする場所ばしょ」として広域こういき避難ひなん場所ばしょが指定していされている。一時いちじ集合しゅうごう場所ばしょが危険きけんになった際さいに、この避難ひなん場所ばしょに集団しゅうだんで避難ひなんしてくる。その大おおきさは、火災かさいの輻射熱ふくしゃねつから身体しんたいを守まもるためにおよそ10ヘクタール以上いじょうが必要ひつようだとされている。このような目的もくてきから、大だい規模きぼな広場ひろば（オープン・スペース）として、大だい規模きぼ公園こうえんや団地だんち・大学だいがくなどが指定していされている。

避難ひなん所しょと避難ひなん場所ばしょの違ちがい

東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいまで明確めいかくに避難ひなん所しょと避難ひなん場所ばしょが区別くべつされていなかった為ために混乱こんらんが起おこったので、災害さいがい対策たいさく基本きほん法ほうにより明確めいかくに区分くぶんされた。

避難ひなん場所ばしょとは「身みを守まもるために緊急きんきゅう的てきに逃にげる場所ばしょ」

避難ひなん所しょとは「身みを守まもったあと、自宅じたくが被害ひがいにあった人ひとが一時いちじ的てきに生活せいかつする場所ばしょ」

である。避難ひなん所しょと避難ひなん場所ばしょは兼かねることが出来できる為ため、混同こんどうが生しょうじやすい。また、市町村しちょうそんや都道府県とどうふけんによって細こまかい名称めいしょうが異ことなるため、細こまかい定義ていぎは各かく自治体じちたいの防災ぼうさいマニュアル等とうを確認かくにんするのが良よい。

• 東京とうきょう都とでは、避難ひなん場所ばしょは広域こういき避難ひなん場所ばしょのことを指さしており、「広範囲こうはんいに拡大かくだいする大だい規模きぼ火災かさいから逃のがれ、鎮火ちんかするまで一時いちじ的てきに留とまる場所ばしょ」と火災かさいに特とく化かしている。

• 大阪おおさか市しでは、避難ひなん場所ばしょとして広域こういき避難ひなん場所ばしょ（大だい規模きぼ火災かさい）、一時いちじ避難ひなん場所ばしょ（地震じしんなど）、津波つなみ避難ひなんビル・水害すいがい時じ避難ひなんビル（津波つなみや洪水こうずい時どき）が挙あげられており、災害さいがいの種類しゅるいに応おうじて適切てきせつな避難ひなん場所ばしょに避難ひなんすることを呼よびかけている。

災害さいがいの種別しゅべつごとの避難ひなん場所ばしょ

一時いちじ避難ひなん場所ばしょ・広域こういき避難ひなん場所ばしょともに、その地域ちいきで発生はっせいしやすいと考かんがえられる災害さいがい（火災かさい・風水害ふうすいがい・津波つなみ・高潮こうちょうなど）の内容ないように応おうじて、自治体じちたいにより避難ひなん場所ばしょを変かえている場合ばあいがある。自治体じちたいが指定していしているこの避難ひなん場所ばしょは、地域ちいき防災ぼうさい計画けいかくに基もとづき、避難ひなんに適てきした比較的ひかくてき安全あんぜんな場所ばしょが選定せんていされている。しかし、大だい規模きぼな広場ひろば等とうの設置せっちは、防災ぼうさい基本きほん計画けいかくに基もとづいて設置せっちされていないことから、災害さいがいの種類しゅるい・状況じょうきょう等とうにより危険きけんな場合ばあいもある。加くわえて大勢おおぜいの人数にんずうが集あつまるため、各種かくしゅの問題もんだいも起おこり易やすくなってしまうこともある。

テント村むら

被災ひさい者しゃが一時いちじ的てきに大量たいりょうに発生はっせいすることにより、一時いちじ避難ひなん場所ばしょにテント村むらが形成けいせいされることがある。

熊本くまもと地震じしん時じのテント村むら

熊本くまもと地震じしん (2016年ねん)においては、地震じしんの起おきた時期じきが4月と野外やがい生活せいかつが可能かのうな季き節ぶしであった為ため、一いちカ月かげつの予定よていで一時いちじ避難ひなん所しょにテント村むらが形成けいせいされた。

地震じしん初期しょきには自主じしゅ避難ひなんを含ふくめた被災ひさい者しゃが多おおく収容しゅうよう避難ひなん場所ばしょが過密かみつとなり、車中しゃちゅう泊はくをする人ひとが多おおかった。 が、車中しゃちゅう泊はくによる同おなじ姿勢しせいを取とり続つづける健康けんこう被害ひがい、エコノミークラス症候群しょうこうぐんにより、健康けんこうを害がいする人ひとが増ふえた。そこで、アウトドア用品ようひん店てんと自治体じちたいが協力きょうりょくしテント村むらが形成けいせいされた。 収容しゅうよう避難ひなん場所ばしょの過密かみつ・子供こどもが騒さわぐ・集団しゅうだん生活せいかつよりは快適かいてき・余震よしんが続つづく中なかでの建物たてものに入はいるのが不安ふあん・ペットを連つれている・その他たの事情じじょうにより、テント村むらは被災ひさい者しゃに歓迎かんげいされた。 その後ご、概おおむね良好りょうこうに受うけ入いれられていたが、夏なつに向むかって気温きおんが上あがるに従したがって熱中ねっちゅう症しょうの懸念けねんがされ、余震よしんの終息しゅうそくと仮設かせつ住宅じゅうたくが整備せいびされた事こともあり、テント村むらはその意義いぎを終おえて撤去てっきょされた。

一時いちじ集合しゅうごう場所ばしょ

一時いちじ（いっとき）集合しゅうごう場所ばしょとは、避難ひなん場所ばしょに避難ひなんする前まえに、近隣きんりんの避難ひなん者しゃが一時いちじ的てきに集合しゅうごうする場所ばしょである。 学校がっこうのグラウンド・地域ちいきの公園こうえんなどがこれに当あたる。

「一時いちじ集合しゅうごう場所ばしょ」を参照さんしょう

関連かんれん項目こうもく

• 収容しゅうよう避難ひなん場所ばしょ
• 一時いちじ避難ひなん場所ばしょ
• 帰宅きたく困難こんなん者しゃ
• 避難ひなん経路けいろ