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擬 なずらえ 圏 けん (英 えい : quasi-category、弱 じゃく Kan複 ふく 体 たい 、内部 ないぶ Kan複 ふく 体 たい 、無限 むげん 圏 けん 、 ∞-圏 けん 、ボードマン複 ふく 体 たい 、クォータゴリー とも呼 よ ばれる)とは、圏 けん の一般 いっぱん 化 か である。このような一般 いっぱん 化 か の研究 けんきゅう は、高次 こうじ 圏 けん 論 ろん として知 し られている。
擬 なずらえ 圏 けん は、 Boardman & Vogt (1973) によって導入 どうにゅう された。アンドレ・ジョヤルは擬 なずらえ 圏 けん の研究 けんきゅう を大幅 おおはば に進歩 しんぽ させ、圏 けん 論 ろん における概念 がいねん や定理 ていり の多 おお くが擬 なずらえ 圏 けん に対 たい する類似 るいじ を持 も つことを示 しめ した。
擬 なずらえ 圏 けん はある種 しゅ の単体 たんたい 的 てき 集合 しゅうごう として定義 ていぎ される。通常 つうじょう の圏 けん と同様 どうよう 、対象 たいしょう (0-単体 たんたい )と対象 たいしょう 間 あいだ の射 い (1-単体 たんたい )が含 ふく まれる。ただし、圏 けん とは異 こと なり、射 い の合成 ごうせい は一意的 いちいてき とは限 かぎ らない。与 あた えられた2つの射 い の合成 ごうせい として構成 こうせい できるすべての射 い は、高次 こうじ の可逆 かぎゃく 射 しゃ によって相互 そうご に関連付 かんれんづ けられる。高次 こうじ の射 い に対 たい しても合成 ごうせい が定義 ていぎ できるが、それはさらに高次 こうじ の可逆 かぎゃく 射 しゃ の分 ぶん の不定 ふてい 性 せい を持 も つ。
高次 こうじ 圏 けん 論 ろん (少 すく なくとも、高次 こうじ の射 い が可逆 かぎゃく であるもの)の特徴 とくちょう は、通常 つうじょう の圏 けん 論 ろん とは対照 たいしょう 的 てき に、2つの対象 たいしょう の間 あいだ に(単 たん なる集合 しゅうごう ではなく)射 しゃ の空間 くうかん を考 かんが えるという点 てん である。これは位相 いそう 空間 くうかん の圏 けん で豊穣 ほうじょう 化 か された圏 けん 、すなわち位相 いそう 圏 けん (topological category)を高次 こうじ 圏 けん とみなす視点 してん を与 あた える。しかしルーリーは位相 いそう 圏 けん のなすモデル圏 けん と擬 なずらえ 圏 けん のモデル圏 けん がキレン同値 どうち であることを示 しめ しており、この意味 いみ で位相 いそう 圏 けん の理論 りろん と擬 なずらえ 圏 けん の理論 りろん は等価 とうか である。
モデル圏 けん
安定 あんてい した無限 むげん 圏 けん
∞-亜 あ 群 ぐん
高次 こうじ 圏 けん 論 ろん
球形 きゅうけい 集合 しゅうごう
Boardman, J. M.; Vogt, R. M. (1973), Homotopy invariant algebraic structures on topological spaces , Lecture Notes in Mathematics, 347 , Berlin, New York: Springer-Verlag , doi :10.1007/BFb0068547 , ISBN 978-3-540-06479-4 , MR 0420609
Lurie, Jacob (2009), Higher Topos Theory , Annals of Mathematics Studies, vol. 170, Princeton University Press , arXiv:math.CT/0608040 , ISBN 978-0-691-14049-0 , MR 2522659