時間じかん知覚ちかく

時計とけい

ある作業さぎょうに熱中ねっちゅうするフロー状態じょうたいでは、時間じかん知覚ちかくが変化へんかする

時間じかん知覚ちかく（じかんちかく, Time perception）は、現象げんしょうが持続じぞくしているという意識いしき、およびその持続じぞくの長短ちょうたんや減少げんしょうの時間じかん的てき前後ぜんこう関係かんけいなどの意識いしきを言いう。いわゆる心理しんり的てき現在げんざいも一瞬いっしゅん間あいだではなく、ある幅はばを持もっているが、われわれはそれをひとつのまとまりとして感かんずる。その範囲はんいは一般いっぱんに5–6秒びょうくらいまでである。また時間じかん的てきに隔へだたった2個この印象いんしょうとしてつかまれる最小さいしょう時間じかんは視覚しかくでは0.043秒びょう、聴覚ちょうかくで0.002–0.016秒びょう、触覚しょっかくで0.027秒びょうといわれ、それ以下いかではひとつに融合ゆうごうする。1秒びょう前後ぜんこうの短みじかい時間じかんを与あたえ、これと同どう長ちょうと思おもわれる時とき間あいだを再生さいせいあるいは評価ひょうかさせるとき、それがほぼ正確せいかくにできるのは約やく0.7秒びょうの長ながさの時間じかんで、これを無む記き時間じかんという。

時間じかん知覚ちかくはまた刺激しげき条件じょうけんによって変化へんかする。また2つの刺激しげきで区切くぎられた時間じかんの知覚ちかくは、ある範囲はんい内ないで、その刺激しげきが担になう空間くうかん感覚かんかくの長短ちょうたんによって、長ながくまたは短みじかく変化へんかする。長ながい時間じかんの評価ひょうかは主しゅとして環境かんきょうに対たいする自己じこの状態じょうたいに依存いぞんし、自己じこ領域りょういきの緊張きんちょう度どが多少たしょうとも普通ふつう以上いじょうに強つよまるとき長ながく感かんじられ、これと逆ぎゃくの場合ばあいには短みじかく評価ひょうかされる傾向けいこうがある。しかし過去かこの回想かいそうにおいては、経験けいけん内容ないようの変化へんかの有無うむによって時間じかんの長短ちょうたんの感かんじが規定きていされる様ようになる。

理論りろん

ウィリアムJフリードマン(William J. Friedman)(1993)が、時間じかん知覚ちかくについて2つの理論りろんを対比たいひしている。

• 時間じかん記憶きおくの強度きょうどモデル。これは、記憶きおくの痕跡こんせきが残のこっていることを示しめすものであり、そのことによって人間にんげんは記憶きおくの年齢ねんれい（したがって、その出来事できごとがどれくらい前まえに起おこったか）を判断はんだんしている可能かのう性せいがある。しかし、これは最近さいきんの出来事できごとの思おもい出でが、遠とおくの記憶きおくよりももっと早はやく退色たいしょくするという事実じじつと反はんしている。
• 推論すいろんモデルは、問とわれている出来事できごとと日付ひづけや時間じかんがわかっているその他たの出来事できごとの関係かんけいの情報じょうほうから推測すいそくされていると提案ていあんしている