暖炉だんろの少女しょうじょ

暖炉だんろの少女しょうじょ The Girl in the Fireplace
『ドクター・フー』のエピソード
修理しゅうりドロイド
話はなし数すう	シーズン2 第だい4話わ
監督かんとく	ユーロス・リン
脚本きゃくほん	スティーヴン・モファット
制作せいさく	フィル・コリンソン
音楽おんがく	マレイ・ゴールド
作品さくひん番号ばんごう	2.4
初はつ放送ほうそう日び	2006年ねん5月6日にち 2007年ねん1月がつ9日にち
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「暖炉だんろの少女しょうじょ」（だんろのしょうじょ、原題げんだい: The Girl in the Fireplace）は、イギリスのSFテレビドラマ『ドクター・フー』シリーズ2第だい4話わ。2006年ねん5月がつ6日にちにBBC Oneで初はじめて放送ほうそうされた。脚本きゃくほんはスティーヴン・モファット、監督かんとくはユーロス・リンが担当たんとうし、小説しょうせつ『きみがぼくを見みつけた日ひ』から着想ちゃくそうを得えている。

舞台ぶたいは18世紀せいきのフランスであり、51世紀せいきの修理しゅうりドロイドが時間じかんの窓まどを開あけて、ポンパドゥール夫人ふじんの人生じんせいを追跡ついせきする。ドロイドたちはポンパドゥール夫人ふじんの脳のうが宇宙船うちゅうせんに適合てきごうすると信しんじており、脳のうを摘出てきしゅつして宇宙船うちゅうせんの部品ぶひんに置おき換かえようとする。

エグゼクティブ・プロデューサーのラッセル・T・デイヴィスはドラマ『カサノバ』の研究けんきゅう中ちゅうにアイディアを思おもいつき、主人公しゅじんこう10代目だいめドクターのラブストーリーとして本ほんエピソードを製作せいさくした。本ほん作さくは2005年ねんにイングランドとウェールズで撮影さつえいが行おこなわれた。大半たいはんの批評ひひょう家かに肯定こうてい的てきに受うけ入いれられ、2007年ねんヒューゴー賞しょう映像えいぞう部門ぶもん短編たんぺん部門ぶもんを受賞じゅしょうした。

制作せいさく

ポンパドゥール夫人ふじんを演えんじたソフィア・マイルズ

脚本きゃくほんと登場とうじょう人物じんぶつ

『ドクター・フー』のエグゼクティブ・プロデューサーラッセル・T・デイヴィスは 2004年ねんには18世紀せいきを舞台ぶたいとした『カサノバ』の仕事しごとをしていた。この仕事しごと中ちゅうに彼かれはポンパドゥール夫人ふじんに強つよい関心かんしんを抱いだき、後のちにでっち上あげだと判明はんめいした同どう時代じだいのチェスを打うつ機械きかい仕掛しかけの男おとこトルコ人じんを交まじえたエピソードにポンパドゥール夫人ふじんを加くわえた話はなしを作つくろうとした。ソフィア・マイルズは Doctor Who Confidential のインタビューで、オーディションなしでオファーを受うけたと語かたった。

『インデペンデント』紙しのインタビューにおいて、デイヴィスは「このエピソードはドクターのラブストーリーだ。非常ひじょうに控ひかえめで、とても美うつくしく進行しんこうするが、しかしそれでもこれはタイムロードの恋こいと、他たの人間にんげんと恋こいに落おちたタイムロードに対たいするローズの反応はんのうを描えがいた話はなしなんだ。」とコメントした。エピソードの構造こうぞうは小説しょうせつのものとは異ことなるものの、モファットはオードリー・ニッフェネガーの小説しょうせつ『きみがぼくを見みつけた日ひ』にインスパイアされた。

「暖炉だんろの少女しょうじょ」は前ぜん話はなし「同窓会どうそうかい」の直後ちょくごに続つづいているように見みえる。DVDオーディオコメンタリーによると、モファットは「暖炉だんろの少女しょうじょ」を執筆しっぴつした際さいに「同窓会どうそうかい」の結末けつまつを読よんでおらず、それゆえミッキー・スミスがターディスに乗船じょうせんしたことへローズ・タイラーが嫌悪けんお感かんを示しめしていない。ドクターの精神せいしんを読よんだ後のちレネットは「ドクターなに？」(Doctor who?) と口くちにしており、これはシリーズのタイトルと、ドクターの本名ほんみょうに迫せまる長ながきに亘わたる謎なぞの両方りょうほうを反映はんえいしている。また、彼女かのじょは「心しんに大おおきな秘密ひみつが」("more than just a secret") と口くちにしたが、さらなる詮索せんさくには及およんでいない。ドクターの名前なまえには怖こわろしい秘密ひみつがあるため最もっとも親したしいコンパニオンにも名前なまえを告つげることはない、とモファットは信しんじてこの会話かいわを脚本きゃくほんに追加ついかした。また、デイヴィスからの依頼いらいがなかったため、モファットは本ほん作さくの脚本きゃくほんにトーチウッドという単語たんごを登場とうじょうさせなかった。

撮影さつえい

本ほん作さくには馬うまが2頭とう登場とうじょうした。1頭とうは宇宙船うちゅうせんの四よん分ぶんの一いち近ちかいシーンで使つかわれ、もう1頭とうは時間じかんの窓まどを破やぶる際さいに使用しようされた。Doctor Who Confidential によると、クライマックスのシーンで舞踏ぶとう室しつに入はいる許可きょかが下おりなかった。このため鏡かがみを破やぶるドクター、馬うま、破損はそんする鏡かがみ、舞踏ぶとう室しつで反応はんのうするエキストラは個別こべつに撮影さつえいされ、クロマキーで合成ごうせいされた。テナントの頭あたまはポストプロダクションの過程かていでスタントマンの頭あたまに合成ごうせいされた。当初とうしょスタッフは特殊とくしゅ効果こうかの使用しようを検討けんとうしたが、予算よさんがかさむため却下きゃっかされた。

放送ほうそうと評価ひょうか

「暖炉だんろの少女しょうじょ」はイギリスではBBC Oneで2006年ねん5月がつ6日にちに初はつ放送ほうそうされた。本ほん作さくの脚本きゃくほんは2006年ねんネビュラ賞しょうにノミネートされ、2007年ねんヒューゴー賞しょう映像えいぞう部門ぶもん短編たんぺん部門ぶもんを受賞じゅしょうした。

日本にっぽんでは2007年ねん1月がつ2日にちの放送ほうそうは休止きゅうしされ、1月がつ9日にちにNHK BS2で初はじめて放送ほうそうされた。地上波ちじょうはでの日本にっぽん放送ほうそうはNHK教育きょういくで2007年ねん12月25日にちに行おこなわれた。2011年ねん3月26日にちには LaLa TV で放送ほうそうされた。

評価ひょうか

IGNでアフサン・ハクはテナントやマイルズの演技えんぎとエピソードのテンポを称賛しょうさんし、ストーリーに関かんしては非常ひじょうに感動かんどう的てきであると評価ひょうかした。彼かれは「時代じだい考証こうしょうにもう少すこし注意ちゅういを払はらえば、このエピソードはシリーズの最大さいだいの瞬間しゅんかんの1つと見みなされただろう」と綴つづった。具体ぐたい的てきにはなぜドクターがターディスを使つかってポンパドゥール夫人ふじんが亡なくなる前まえに訪たずねることができなかったのか、脚本きゃくほん家かがもっと正確せいかくに説明せつめいしていればこのエピソードはもっとうまくいっていただろうと書かいている。。『メトロ』紙しは修理しゅうりドロイドを最もっとも思おもい出深でぶかい悪役あくやくの1つと述のべ、『ガーディアン』紙しのダニエル・マーティンは「暖炉だんろの少女しょうじょ」をデイヴィスの時代じだいのエピソードでは最もっとも絶賛ぜっさんされたエピソードの1つとした。

『スラントマガジン』のロス・ルーディガーは本ほん作さくを『ドクター・フー』シリーズ2で最大さいだいの成果せいかかもしれないと綴つづった。ルーディガーは本ほん作さくを「古ふるいシリーズの旗印はたじるしの下したでは決けっしてあり得えなかったような」話はなしだと考かんがえ、「新あらたな千年紀せんねんきのためのエピソード」と呼よんだ。また、彼かれは本ほん作さくを非常ひじょうに考かんがえさせる作品さくひんであると論評ろんぴょうし、「平均へいきん的てきな視聴しちょう者しゃの脳のうに負荷ふかがかかりすぎるため毎週まいしゅう放送ほうそうすることはできない」とまで絶賛ぜっさんした。IGNのマット・ウェールズは「暖炉だんろの少女しょうじょ」をテナントの『ドクター・フー』のストーリーで第だい3位いにランク付づけし、『ドクター・フー』の最もっとも感動かんどう的てきな冒険ぼうけんと呼よんだ。

ところが、批評ひひょう家か全員ぜんいんが肯定こうてい的てきというわけではない。ロバート・スミスはドクターとレネットの関係かんけいに批判ひはん的てきであり、「ローズが完全かんぜんに脇わきに置おかれ、ドクターとレネットについての彼女かのじょの感情かんじょうが全まったく扱あつかわれていない」と述のべ、犯罪はんざい的てきとまで形容けいようした。