有害ゆうがい化学かがく物質ぶっしつ排出はいしゅつ目録もくろく制度せいど

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有害ゆうがい化学かがく物質ぶっしつ排出はいしゅつ目録もくろく制度せいど(ゆうがいかがくぶっしつはいしゅつもくろくせいど、TRI制度せいど、TRI:Toxic Release Inventory)とは、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくにおいて事業じぎょうしゃあつか化学かがく物質ぶっしつ排出はいしゅつりょうなどの情報じょうほう公開こうかいおこなう、いわゆるPRTR制度せいどである。1986ねん制定せいていされた「緊急きんきゅう対処たいしょ計画けいかくおよ地域ちいき住民じゅうみん権利けんりほう(EPCRA)」に規定きていされる。

概要がいよう[編集へんしゅう]

緊急きんきゅう対処たいしょ計画けいかくおよ地域ちいき住民じゅうみん権利けんりほうは、インドボパール化学かがく工場こうじょう事故じこによる環境かんきょう問題もんだいかんする国民こくみん意識いしきたかまりから制定せいていされた法律ほうりつであり、そのうちTRI制度せいど環境かんきょう情報じょうほう公開こうかいすることで地域ちいき住民じゅうみんリスクコミュニケーションはかるものである。有害ゆうがい科学かがく物質ぶっしつ所定しょてい規定きていりょうえて使用しようする施設しせつは、その種別しゅべつ性質せいしつ貯蔵ちょぞうりょう保管ほかん方法ほうほう排出はいしゅつりょうとうアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく環境かんきょう保護ほごちょう指定していしゅう機関きかんへの報告ほうこく義務付ぎむづけられる。これをアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく環境かんきょう保護ほごちょうはTRIデータとしてりまとめ公開こうかいする。

TRI制度せいど導入どうにゅうにより、従来じゅうらい法律ほうりつによる直接ちょくせつ規制きせいではしえない有害ゆうがい化学かがく物質ぶっしつ排出はいしゅつりょう削減さくげん発揮はっきできたため、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく環境かんきょう保護ほごちょう企業きぎょう自主じしゅてき取組とりくみによる削減さくげんとして、33/50プログラム(1988ねん基準きじゅんとして有害ゆうがい化学かがく物質ぶっしつ排出はいしゅつりょうを1992ねんまでに33%削減さくげん、1995ねんまでに50%削減さくげん)を試験しけんてきにTRIのなかから17物質ぶっしつ対象たいしょうとして実施じっしした。すると、1988ねん排出はいしゅつりょう14.96おくポンドが1992ねんには8.98おくポンド(40%削減さくげん達成たっせい)、1995ねんには6.72おくポンド(55.1%削減さくげん達成たっせい)と完全かんぜん目標もくひょう達成たっせいした。

環境かんきょう情報じょうほう公開こうかいによって自主じしゅてき環境かんきょう負荷ふか低減ていげん実現じつげんされ、企業きぎょうにおける排出はいしゅつりょう削減さくげん取組とりくみは地域ちいき住民じゅうみん信頼しんらいることになり、企業きぎょうコストの削減さくげんにもつながった。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]