期き数列すうれつ外がい

期き数列すうれつ外がい（きすうれつがい、朝鮮ちょうせん語ご：기수 열외）とは、韓国かんこく海兵かいへい隊たいでおこなわれるとされる特有とくゆうの悪習あくしゅうとしての、集団しゅうだんいじめである。同国どうこくの海兵かいへい隊たいでは入営にゅうえい時期じきを示しめす期き数すうを基準きじゅんに位階いかい序列じょれつが生うまれているが、特定とくてい人物じんぶつをこのような位階いかいから除外じょがいすることを意味いみしている。期き数列すうれつ外がいとは、特定とくていの海兵かいへいを海兵かいへい隊たいの隊員たいいんたちの間あいだで、新兵しんぺいが先輩せんぱいとして遇ぐうせず、先輩せんぱい隊員たいいんも後輩こうはいとして扱あつかわないというものであり、部隊ぶたいでの生活せいかつにうまく適応てきおうできず劣後れつごしているか、隊員たいいんたちの尺度しゃくどからはみ出だした特定とくていの兵士へいしを、隊員たいいんの間あいだで若干じゃっかん名めいの上級じょうきゅう者しゃの主導しゅどうの下したに下級かきゅう者しゃまでが賛同さんどうし、集団しゅうだんで無視むししたりいじめたりする行為こういをいう 。

期き数列すうれつ外がいの歴史れきし

1995年ねんから1997年ねんまで、韓国かんこく海兵かいへい隊たい第だい2師団しだんに勤務きんむしていた海兵かいへい第だい759期きのある人ひとによれば、自身じしんの兵役へいえき中ちゅうには期き数列すうれつ外がいという言葉ことばはまったく無なかったと証言しょうげんしたが、2005年ねんから2007年ねんまで海兵かいへい隊たい第だい1師団しだんに勤務きんむした別べつのある人ひとは、自みずからが兵長へいちょうになった頃ころ、期き数列すうれつ外がいなる行為こういが中隊ちゅうたいに流ながれ込こみ始はじめたと証言しょうげんした。2011年ねん7月がつ14日にち、韓国かんこく軍ぐんの人権じんけんセンターは「一部いちぶの言論げんろんによると第だい800期き台だい後半こうはんに初出しょしゅつしたとのことだが、実じつはかなり前まえから続つづいてきた悪習あくしゅうである」と強調きょうちょうした。しかし、海兵かいへい隊たいの多おおくの前任ぜんにん者しゃの証言しょうげんを土台どだいに、期き数すう自体じたいをはなから無力むりょく化かさせるこの不文ふぶん律りつは、部隊ぶたい別べつの差異さいはあるものの大体だいたい第だい1000期きを起点きてんに第だい1師団しだんの兵力へいりょくを中心ちゅうしんに流入りゅうにゅうしはじめたものと海兵かいへい隊たいでは認識にんしきしており、従来じゅうらい発生はっせいしてきた期き数すう問題もんだいは、過去かこの防衛ぼうえい兵へい (戦時せんじ以外いがいには徴兵ちょうへいされず予備よび役やくとして郷土きょうどの防衛ぼうえいに当あたる者もの) と現役げんえき兵へいとの間あいだの軋轢あつれきが存在そんざいした部分ぶぶんを、一部いちぶの言論げんろん機関きかんが誤あやまって報道ほうどうしたものと、海兵かいへい隊たいでは認識にんしきしているという。以前いぜんの防衛ぼうえい兵へいは常勤じょうきん予備よび役やくに置おき換かえられつつ海兵かいへい隊員たいいんとしての期き数すうが付与ふよされ、一定いってい部分ぶぶんは解消かいしょうされているとされる。なお、最近さいきんでは海兵かいへい隊たいだけではなく韓国かんこく空軍くうぐんでも不ふ適応てきおう兵士へいしを期き数列すうれつ外がいの対象たいしょうにするという事例じれいが発覚はっかくしている。

期き数列すうれつ外がいの形態けいたい

2011年ねん7月がつ14日にち、韓国かんこく軍ぐん人権じんけんセンターの調査ちょうさ結果けっかの発表はっぴょうによると、新兵しんぺいからも反発はんぱつや罵倒ばとう、殴打おうだ、無視むしをされる期き数列すうれつ外がいは、兵長へいちょうたちの会議かいぎで決定けっていされ、上等じょうとう兵へいが下達かたつするという手口てぐちで成なり立たち、兵営へいえい生活せいかつに適応てきおうしない者ものが主おもに対象たいしょうとなり、悪習あくしゅう撤廃てっぱいを試こころみる兵へい、いわゆる「顧問こもん官かん」、しばしば医務いむ室しつとの間あいだを往来おうらいする兵へい、期き数列すうれつ外がいを被こうむった将兵しょうへいに同情どうじょう心しんを見みせたり言葉ことばをかける兵へいなども対象たいしょうとなるとの調査ちょうさ結果けっかがでたという。

関連かんれん事件じけん

2011年ねん6月がつ3日にち、韓国かんこく国家こっか人権じんけん委員いいん会かいは、浦項ほこうの海兵かいへい隊たい第だい1師団しだんで、暴行ぼうこう事件じけんを上級じょうきゅう者しゃに口外こうがいした兵へいが期き数列すうれつ外がいに遭あい、位階いかい秩序ちつじょを無視むしされ、新兵しんぺいが先任せんにん士し兵へいに敬語けいごを使つかわず暴行ぼうこうをし、人格じんかく的てき屈辱くつじょくを与あたえた事例じれいがあったと明あきらかにした。2011年ねん6月がつ23日にち、ソウル高等法院こうとうほういんの行政ぎょうせい7部ぶは韓国かんこく海兵かいへい隊たい第だい2師団しだんで軍務ぐんむ中ちゅうに上級じょうきゅう者しゃのいじめ行為こういにより精神せいしん疾患しっかんを起おこしたと主張しゅちょうした転てん役やく兵へいの、国家こっか有功ゆうこう者しゃ登録とうろく拒否きょひ処分しょぶんの取消とりけし訴訟そしょうでは「海兵かいへい隊たいの兵士へいしたちの間あいだでは、殴打おうだ・いじめ行為こういを耐たえ忍しのぶことが伝統でんとうと考かんがえられており、暴行ぼうこうの事実じじつを上級じょうきゅう者しゃに知しらせれば、加害かがい者しゃである先任せんにん兵へいが被害ひがい者しゃより後のちの期き数すうであるにもかかわらず、被害ひがい者しゃに対たいするぞんざいな言葉ことば遣づかいと暴行ぼうこうが許容きょようされ、人格じんかく的てきな羞恥心しゅうちしんを与あたえられる、期き数列すうれつ外がいなとの閉鎖へいさ的てき組織そしき文化ぶんかが澎湃ほうはいとして生しょうじている」と指摘してきし、原告げんこくの勝訴しょうそ判決はんけつをくだした。

2011年ねん7月がつ4日にちには、韓国かんこく海兵かいへい隊たい第だい2師団しだんでキム某ぼう上等じょうとう兵へい (19歳さい) が期き数列すうれつ外がいを被こうむったことを怨うらみ、同僚どうりょう兵へいたちを照準しょうじゅん射撃しゃげきし、4名めいを射殺しゃさつし1名めいを負傷ふしょうさせたのち、手榴弾しゅりゅうだんにて自殺じさつを図はかるという江華島こうかとう海兵かいへい隊たい銃じゅう乱射らんしゃ事件じけんが発生はっせいした。