李り清きよし臣しん

李り 清きよし臣しん（り せいしん、明道みょうどう元年がんねん（1032年ねん）- 崇たかし寧やすし元年がんねん1月がつ23日にち（1102年ねん2月がつ12日にち））は、北きた宋そう後期こうきの政治せいじ家か。字じは邦くに直じき。大名おおな府ふ魏ぎ県けんの人ひと。

経歴けいれき

皇すめらぎ祐ゆう5年ねん（1053年ねん）に進士しんしとなり、韓かん琦と欧おう陽ひ脩おさむに認みとめられ、韓かん琦の姪めいを妻つまに迎むかえた。神かみ宗はじめの時代じだいに『両朝りょうちょう国史こくし』の編纂へんさんに参加さんかし、河かわ渠みぞ・律りつ暦れき・選挙せんきょ志こころざしを撰せんして評判ひょうばんを得えて、元げん豊ゆたか6年ねん（1083年ねん）の尚書しょうしょ右みぎ丞すすむに任にんぜられた。哲あきら宗むね即位そくい後ごに王おう安やすし石せきの新法しんぽう廃止はいしに反対はんたいして左遷させんされ、吏部尚書しょうしょに任にんぜられた後のちも旧法きゅうほう党とうの攻撃こうげきを受うけて再ふたたび左遷させんされた。哲あきら宗むねに親政しんせいを行おこなった際さいに中書ちゅうしょ侍さむらい郎ろうに任にんぜられ、新法しんぽうの復活ふっかつを進言しんげんする「紹述の論ろん」を起おこした。これによって、章あきら惇あつし・曾布ら新法しんぽう党とうが復帰ふっきするが、文彦ふみひこ博はく・呂りょ公こう著ちょら旧法きゅうほう党とうへの報復ほうふくに反対はんたいするなど彼かれらと反そりが合あわず、河南かなん府ふに出だされて洛らく獄ごくに巻まき込こまれ、後のちに真ま定府じょうふに移うつされた。徽宗の時代じだいに門下もんか侍さむらい郎ろうに任にんぜられるが、曾布と再ふたたび対立たいりつして大名おおな府ふに出だされて、そこで没ぼっした。

寛大かんだいを旨むねとして実績じっせきも多おおかったが、反面はんめん財ざいを好このみ、宰相さいしょうへの野心やしんをたびたび表あらわすことがあって曾布ら政敵せいてきに警戒けいかいされ、最後さいごには左遷させんの憂うき目めをみた。

参考さんこう文献ぶんけん

• 柳田やなぎだ節子せつこ「李り清きよし臣しん」（『アジア歴史れきし事典じてん 9』（平凡社へいぼんしゃ、1984年ねん））
• 東あずま一夫かずお『王おう安やすし石せき事典じてん』（国書刊行会こくしょかんこうかい、1980年ねん） ISBN 978-4-336-01403-0