松平まつだいら親ちかし俊しゅん

凡例はんれい 松平まつだいら親ちかし俊しゅん
松平まつだいら親ちかし俊しゅん像ぞう（宝たから泉いずみ院いん蔵ぞう）
時代じだい	戦国せんごく時代じだい
死没しぼつ	天正てんしょう9年ねん7月がつ12日にち（1581年ねん8月がつ21日にち）
別名べつめい	三郎さぶろう次郎じろう、左ひだり馬ば助すけ、右みぎ京きょう亮あきら
戒名かいみょう	桑くわ心こころ
墓所はかしょ	愛知あいち県けん安城あき市し福釜ふかま町まちの松平まつだいら墓地ぼち
主君しゅくん	松平まつだいら広ひろ忠ただし→徳川とくがわ家康いえやす
氏族しぞく	福釜ふかま松平まつだいら家か
父母ちちはは	父ちち：松平まつだいら親ちかし次じ　母はは：久松ひさまつ定じょう俊しゅんの娘むすめ
兄弟きょうだい	親おや俊しゅん、上田うえだ元秀もとひで、盛もり次じ
妻つま	奥平おくだいら定じょう延のべの娘むすめ
子こ	康かん親ちかし 養子ようし：久ひさ恒つね

松平まつだいら 親ちかし俊しゅん（まつだいら ちかとし）は、戦国せんごく時代じだいの三河みかわ国こくの武将ぶしょう。福釜ふかま松平まつだいら家か3代だい当主とうしゅ。通称つうしょうは三郎さぶろう次郎じろう。

生涯しょうがい

福釜ふかま松平まつだいら家か三さん代だいの墓はか（右みぎから初代しょだい親おや盛もり、2代だい親おや次じ、3代だい親おや俊しゅん）

松平まつだいら親ちかし次じの子こ。松平まつだいら広ひろ忠ただし、徳川とくがわ家康いえやすに仕つかえ、各地かくちの戦たたかいに従事じゅうじして軍功ぐんこうを立たてたという。

天正てんしょう3年ねん（1575年ねん）、長篠ながしの城主じょうしゅ・奥平おくだいら貞さだ昌あきら（のちの奥平おくだいら信しん昌あきら）が徳川とくがわ家かに降伏ごうぶくすると、徳川とくがわ家かから派遣はけんされて長篠城ながしのじょうに入はいり、籠城ろうじょう戦せんを戦たたかうことになる（長篠ながしのの戦たたかいも参照さんしょう）。

天正てんしょう9年ねん（1581年ねん）6月がつ、家康いえやすが遠江とおとうみ国こく二俣ふたまた城しろに進発しんぱつした際さいに同行どうこうする。しかし、「鳥羽とっぱ山さんの御ご陣所じんしょ」（鳥羽とば山城やましろ）にて急病きゅうびょうを発はっし、家康いえやす自みずからが薬くすりを処方しょほうした上うえ、福釜ふかまに帰きされた。同年どうねん7月がつ12日にち死去しきょ。

『寛政かんせい譜ふ』によれば、初代しょだい親おや盛もりから4代だい康かん親おやまでは福釜ふかまの宝たから泉いずみ院いんを葬そう地ちとしたという。現代げんだいでは宝たから泉いずみ院いんの西にし100mほどの場所ばしょにある「松平まつだいら墓地ぼち（福釜ふかま城主じょうしゅ墓域ぼいき）」に、初代しょだい親おや盛もりから5代だい康かん盛もりまでの福釜ふかま松平まつだいら家か歴代れきだいの墓はかが移うつされている。宝たから泉いずみ院いんには福釜ふかま松平まつだいら家か初代しょだい親おや盛もり・2代だい親おや次じ・3代だい親おや俊しゅんの肖像しょうぞう画ががあり、安城あき市し指定していの文化財ぶんかざいとなっている（指定してい名めいは「絹本けんぽん著ちょ色しょく　福釜ふかま松平まつだいら三さん代だい像ぞう」）。

系譜けいふ

『寛政かんせい重じゅう修おさむ諸家しょか譜ふ』（以下いか『寛政かんせい譜ふ』）によれば、はじめ酒井さかい忠次ただつぐの四よん男なん・松平まつだいら久ひさ恒つね（甚三さん郎ろう）を養子ようしに迎むかえた。しかし、その後ご「ゆへありて」実家じっかに帰かえった。ただし久ひさ恒つねはその後ごも「松平まつだいら甚三さん郎ろう」を称しょうしており、その子孫しそんは出羽でわ庄内しょうない藩はん酒井さかい家かの重臣じゅうしんとして続つづくことになる。

実子じっしの松平まつだいら康やすし親おやが跡あとを継ついだ。康かん親ちかしはまだ幼年ようねんであった（「いまだいとけなし」）が、型通かたどおりの家督かとく相続そうぞくが認みとめられたと記しるされている。

参考さんこう文献ぶんけん

• 『寛政かんせい重じゅう修おさむ諸家しょか譜ふ』巻まき第だい四よん「松平まつだいら 福釜ふかま」
  • 『寛政かんせい重じゅう修おさむ諸家しょか譜ふ 第だい一いち輯』（国民こくみん図書としょ、1922年ねん）　NDLJP:1082717/20
  • 『新しん訂てい寛政かんせい重じゅう修おさむ諸家しょか譜ふ 第だい一いち』（続つづけ群ぐん書しょ類従るいじゅう刊行かんこう会かい、1964年ねん）