査拳

査拳（さけん）は、査滑拳けん（さかつけん）とも呼よばれる中国ちゅうごく大陸たいりくで発祥はっしょうした拳こぶし足あしによる打撃だげき技わざ及および器械きかい武術ぶじゅつを特徴とくちょうとする武道ぶどう、格闘技かくとうぎで中国ちゅうごく武術ぶじゅつの一種いっしゅ。

歴史れきし

古ふるくから、山東さんとう省しょうおよび河北かほく省しょうで盛さかんであったが、その正確せいかくな起源きげんは定さだかではない。一説いっせつによると始祖しそは、福建ふっけん省しょう福ふく州しゅう市しにあった、張ちょう尹いん庄しょうでこれから習得しゅうとくした査尚義よし（原名げんめい：査密爾なんじ）が部族ぶぞくである新しん疆地方ちほうの回かい民族みんぞくに伝つたえたとする説せつ、また伝承でんしょう者しゃに滑すべり宗むね岐、武たけ殿どの璋あきららがおりこれらの姓せいから拳法けんぽう名めいを取とったとされる。

一説いっせつでは、始祖しその査密爾なんじは新しん疆地方ちほうの回かい民族みんぞく出身しゅっしんで、明あきら末まつの時代じだい、明朝みょうちょうの命いのちを受うけて従軍じゅうぐんした際さい、病やまいで休やすんだ山東さんとう省しょう冠かんむり県けんにて自みずからの拳法けんぽうを伝つたえることになったという。

また別べつ説せつには、査密爾なんじは清末きよすえの時代じだいの人ひとで、義憤ぎふんにより従軍じゅうぐんした際さい、病やまいで休やすんだ河北かほく省しょうにて拳法けんぽうを伝つたえたとする説せつ、などがある。

内容ないよう

十じゅう套の套路が伝つたえられている。

• 一路いちろ…母はは手しゅ
• 二に路ろ…行手ゆくて
• 三さん路ろ…飛脚ひきゃく
• 四よん路ろ…昇平しょうへい
• 五ご路ろ…関東かんとう
• 六ろく路ろ…埋伏まいふく
• 七なな路ろ…梅花ばいか
• 八はち路ろ…連環れんかん
• 九きゅう路ろ…龍りゅう擺尾
• 十じゅう路ろ…串くし拳けん

一般いっぱんには四よん路ろと五ご路ろが広ひろく行おこなわれている。

参考さんこう

• 松田まつだ隆たかし智さとし、水田みずた徳いさお隆たかし『教門きょうもん長拳ちょうけん 中国ちゅうごく武術ぶじゅつ入門にゅうもん』土屋つちや書店しょてん、1985年ねん。ISBN 978-4806902485。