根岸ねぎし流りゅう (武術ぶじゅつ)

根岸ねぎし流りゅう（ねぎしりゅう）とは、幕末ばくまつに根岸ねぎし松まつ齢よわいが開ひらいた武術ぶじゅつ流派りゅうは。薙刀なぎなた術じゅつと手裏剣しゅりけん術じゅつからなる。手裏剣しゅりけん術じゅつのみ現存げんそんしており、現在げんざいは山本やまもと流りゅう居合いあい術じゅつを併伝している。

概要がいよう

安中あんなか藩はん士し・根岸ねぎし松まつ齢よわいは、藩はんの荒木あらき流りゅう剣術けんじゅつ師範しはん・根岸ねぎし宣せん徳とくの子ことして生うまれた。父ちちより荒木あらき流りゅう剣術けんじゅつを、海保かいほ帆ほ平ひらたに北辰ほくしん一刀いっとう流りゅうを学まなんだほか、大島おおしま流りゅう槍術そうじゅつも極きわめた。諸手もろて突とっきを得意とくいとしたが、威力いりょくが強つよすぎたため藩主はんしゅより突つき技わざを禁きんじられたという。

根岸ねぎしの師しである海保かいほ帆ほ平たいらは水戸みと藩はんで剣術けんじゅつ師範しはんを務つとめていたが、水戸みと藩主はんしゅ・徳川とくがわ斉昭なりあきより上遠野かとおの流りゅうの手裏剣しゅりけんを与あたえられ、手裏剣しゅりけん術じゅつの研究けんきゅうをしていた。海保かいほに与あたえられた手裏剣しゅりけんは、伊達だて家か（仙台せんだい藩はん主おも）に嫁とついでいた斉昭なりあきの娘むすめ・孝子こうしが上遠野かとおの流りゅうの手裏剣しゅりけんを笄（こうがい）として使つかっていたため、孝子こうしの里帰さとがえりの際さいに水戸みと藩はんにもたらされた物ものという。

海保かいほの道場どうじょうの塾頭じゅくとうであった根岸ねぎしは、海保かいほが自得じとくした手裏剣しゅりけん術じゅつを伝つたえられた。これに工夫くふうを加くわえ、手裏剣しゅりけんの形状けいじょうにも改良かいりょうを加くわえ、根岸ねぎし流りゅうを開ひらいた。

関連かんれん項目こうもく

• 手裏剣しゅりけん