桓魋

桓魋（かん たい）または向こう魋（しょう たい）は、春秋しゅんじゅう時代じだいの宋そうの人物じんぶつ。兄あには左ひだり師しの向こう巣す。弟おとうとは孔子こうしの弟子でしの司馬しば耕こう（子こ牛うし）・向こう頎・向むこう車しゃ。

紀元前きげんぜん500年ねん、桓魋は宋そうの景けい公こうに気きに入いられていたので、景けい公こうの弟おとうとの公子こうし地ちの所有しょゆうしていた白馬はくばを欲ほしがり、景けい公こうはこれを桓魋に与あたえた。公子こうし地ちは怒いかり、手下てしたに桓魋を襲おそわせ白馬はくばを取とり返かえしたので、桓魋は恐おそれて出奔しゅっぽんしようとした。景けい公こうの同母どうぼ弟おとうとの公子こうし辰たつが取とりなし、公子こうし地ちを陳ひねに出奔しゅっぽんさせ、景けい公こうにはこれを引ひき止とめるように勧すすめた。しかし、景けい公こうは公子こうし地ちを引ひき止とめなかったので、結局けっきょく公子こうし辰たつも陳ひねに出奔しゅっぽんし、翌よく紀元前きげんぜん499年ねん、公子こうし地ちらとともに叛乱はんらんを起おこした。

紀元前きげんぜん492年ねん、孔子こうしが曹を去さって宋そうを訪おとずれた際さい、司馬しば桓魋は孔子こうしを憎にくみ殺ころそうとして、大樹たいじゅを引ひき抜ぬいて襲おそった。しかし、孔子こうしは逃のがれた。

紀元前きげんぜん484年ねん、宋そうに出奔しゅっぽんしてきた衛まもるの大だい叔疾が桓魋に玉たまを贈おくった。景けい公こうはこれを欲ほしがったが、桓魋は献上けんじょうしなかったので、罪つみを得えた。

紀元前きげんぜん482年ねん、向こう巣すが鄭ていを攻せめたが、敗やぶれて嵒において鄭てい軍ぐんに包囲ほういされた。桓魋はこれを救援きゅうえんしたが、鄭ていの罕達が桓魋を捕とらえた者ものに褒美ほうびを与あたえると布告ふこくしたので、宋そうに敗走はいそうした。

紀元前きげんぜん481年ねん、景けい公こうが桓魋を除のぞこうとしたので、桓魋は曹に出奔しゅっぽんして叛乱はんらんを起おこした。向こう巣すがその鎮圧ちんあつに向むかったが果はたせず、桓魋のもとへ奔り、曹人を人質ひとじちに取とろうとした。桓魋は同意どういしなかったが、曹人が反抗はんこうしたので衛まもるに移うつった。しかし衛まもるでも桓魋の所持しょじしていた玉たまを狙ねらわれ、斉ひとしに逃のがれた。

出典しゅってん

• 『春秋しゅんじゅう左ひだり伝でん』定てい公おおやけ十じゅう年ねん、定てい公おおやけ十じゅう一いち年ねん、哀あい公こう十じゅう一いち年ねん、哀あい公こう十じゅう三さん年ねん、哀あい公こう十じゅう四よん年ねん
• 『史記しき』孔子こうし世よ家か、宋そう微ほろ子こ世よ家か