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水上すいじょう戦闘せんとう

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
A6M2-N しき水上すいじょう戦闘せんとう

水上すいじょう戦闘せんとう(すいじょうせんとうき)とは、水上すいじょう一種いっしゅ戦闘せんとうとしてもちいられる航空機こうくうきをいう。水上すいじょう戦闘せんとうとして最初さいしょから設計せっけいされたものと、通常つうじょう航空機こうくうき水上すいじょうとしてさい設計せっけいされたものがある。陸上りくじょう同等どうとう機体きたいにフロートをけた、いわゆる水上すいじょうと、胴体どうたいそのものがフロート形状けいじょうをしている飛行ひこうていかれる。飛行ひこうてい場合ばあいとく戦闘せんとう飛行ひこうていともばれる。

海面かいめん湖面こめんというたいらで広大こうだい水面すいめん利用りようして発着はっちゃくできる飛行ひこうていは、滑走かっそうなどのだい規模きぼ飛行場ひこうじょう設備せつび必要ひつよういため、整備せいびされた飛行場ひこうじょうすくなかっただいいち世界せかい大戦たいせんなかは、イタリアL.1オーストリア=ハンガリー帝国ていこくCCなどの戦闘せんとう飛行ひこうてい活躍かつやくした。また当時とうじのエンジンは信頼しんらいせいひくいため洋上ようじょう長距離ちょうきょり飛行ひこうする場合ばあいまんいち故障こしょうさいしてもとりあえず着水ちゃくすいしての対処たいしょ可能かのうであることも利点りてんであった。

しかし時代じだいすすみ、飛行場ひこうじょうえたことと技術ぎじゅつ発達はったつにより飛行ひこうスピードががってくると、はなれ着水ちゃくすいするためのフロートの重量じゅうりょう空気くうき抵抗ていこうによる性能せいのう劣化れっかいちじるしく目立めだつようになってきたため、水上すいじょう戦闘せんとう次第しだい衰退すいたいした。

強風きょうふう水上すいじょう戦闘せんとう

だい世界せかい大戦たいせんどきにおいては数少かずすくないれいとして、日本にっぽん海軍かいぐんれいしき水上すいじょう観測かんそく水上すいじょう戦闘せんとうとして代用だいようされた。太平洋戦争たいへいようせんそう中盤ちゅうばんにはれいしき艦上かんじょう戦闘せんとう水上すいじょうしたA6M2-N しき水上すいじょう戦闘せんとう本格ほんかくてき運用うんようされはじめた。水上すいじょう戦闘せんとうには飛行ひこう甲板かんぱんたない船舶せんぱくでも運用うんようできる利点りてんがあり、日本にっぽんぐん場合ばあい占領せんりょうした島嶼とうしょ防衛ぼうえいのため、飛行場ひこうじょう建設けんせつまでのつなぎのためにこのたね機体きたい必要ひつようであったのだが、たいするアメリカぐん建設けんせつ能力のうりょくすぐれていたため必要ひつようとせず、それ以外いがいくにでは多数たすう島嶼とうしょ占領せんりょうするという戦争せんそうをそもそも経験けいけんしていないため必要ひつようかった。ただし実戦じっせん投入とうにゅう機会きかいかったものの、アメリカ海軍かいぐんではF4Fワイルドキャット改造かいぞうした水上すいじょう・F4F3Sワイルドキャットフィッシュ、イギリススピットファイア改造かいぞうしたLF Mk.IXb水上すいじょうをごく少数しょうすう作成さくせいしている。日本にっぽん海軍かいぐん専用せんよう設計せっけい水上すいじょう戦闘せんとうであるN1K1 強風きょうふうわずかながら生産せいさんしている。

XF2Y-1 シーダート

1940年代ねんだいすえにおいては、黎明れいめいのジェット戦闘せんとうでは当時とうじ航空こうくう母艦ぼかんへのはなれかん困難こんなんであるという問題もんだいしょうじた。その解決かいけつさくのひとつとして、アメリカではジェット水上すいじょう戦闘せんとうX / YF2Y-1シーダート開発かいはつされた。フロート形式けいしきではなく水上すいじょうスキー形式けいしきもちいているのが特色とくしょくである。しかしながらその空母くうぼ発達はったつのためジェット戦闘せんとうはなれかん問題もんだい解決かいけつされ、実用じつようはなされずにわった。また、イギリスでもジェット戦闘せんとう飛行ひこうていSR.A/1試作しさくされたが、実用じつようはされなかった。