みず殿どのダム

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みず殿どのダム
水殿ダム
所在地しょざいち 左岸さがん:長野ながのけん松本まつもと安曇あずみいねかく
右岸うがん:長野ながのけん松本まつもと安曇あずみ稲核いねこき
位置いち 北緯ほくい3609ふん14.3びょう 東経とうけい13744ふん53.1びょう / 北緯ほくい36.153972 東経とうけい137.748083 / 36.153972; 137.748083
河川かせん 信濃川しなのがわ水系すいけい犀川さいがわ梓川あずさがわ
ダムみずうみ みず殿どの調整ちょうせい
ダムしょもと
ダム型式けいしき アーチしきコンクリートダム
つつみだか 95.5 m
つつみいただきちょう 343.3 m
つつみ体積たいせき 301,000
流域りゅういき面積めんせき 431.0 km²
たたえ水面すいめんせき 57.0 ha
そう貯水ちょすい容量ようりょう 15,100,000 m³
有効ゆうこう貯水ちょすい容量ようりょう 4,000,000 m³
利用りよう目的もくてき 発電はつでん
事業じぎょう主体しゅたい 東京電力とうきょうでんりょく竣工しゅんこう当時とうじ
電気でんき事業じぎょうしゃ 東京電力とうきょうでんりょくリニューアブルパワー
発電はつでんしょめい
認可にんか出力しゅつりょく
安曇あずみ発電はつでんしょ
(623,000kW)
みず殿どの発電はつでんしょ
(245,000kW)
施工しこう業者ぎょうしゃ あいだぐみ
着手ちゃくしゅねん/竣工しゅんこうねん 1965ねん/1970ねん
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みず殿どのダム(みどのダム)は、長野ながのけん松本まつもと信濃川しなのがわ水系すいけい犀川さいがわ上流じょうりゅう梓川あずさがわ建設けんせつされたダム管理かんりしゃは、東京電力とうきょうでんりょくリニューアブルパワーたかさ95.5メートルのアーチしきコンクリートダムで、東京電力とうきょうでんりょくによるだい規模きぼ水力すいりょく発電はつでんしょ開発かいはつともな上流じょうりゅう奈川ながわわたるダム下流かりゅう稲核いねこきダムとともに完成かんせい。これらは総称そうしょうして安曇あずみ3ダムまたは梓川あずさがわ3ダムばれる。

歴史れきし[編集へんしゅう]

みず殿どのダムは東京電力とうきょうでんりょくによる梓川あずさがわ電源でんげん開発かいはつ計画けいかくなか建設けんせつされた3のダムのうちのひとつである。3ダムのなかでは位置いちてきちゅうあいだにあり、奈川ながわわたるダムと稲核いねこきダムにはさまれるようにして、ちょうど梓川あずさがわとその支流しりゅうであるみず殿川とのがわ合流ごうりゅうてんにある。ダムのたかさは95.5メートルで、奈川ながわわたるダムがたかさ155メートル、稲核いねこきダムがたかさ60メートルであることをかんがえると、しょもとでも中間ちゅうかん位置いちしている。ダムみずうみであるみず殿どの調整ちょうせい奈川ながわわたるダム直下ちょっかにある安曇あずみ発電はつでんしょ下池しもいけとして利用りようされる一方いっぽうみず殿どのダム直下ちょっかにも認可にんか出力しゅつりょく24まん5,000キロワットのみず殿どの発電はつでんしょ設置せっちダムを上池かみいけ下流かりゅう稲核いねこきダム稲核いねこき調整ちょうせい)を下池しもいけとした揚水ようすい発電はつでんおこなっている。1のダムが2箇所かしょ揚水ようすい発電はつでんかかわるれいは、ほかに中部電力ちゅうぶでんりょくおく矢作やさくだいいちだい発電はつでんしょ富永とみなが調整ちょうせい富永とみながダム)があるが、全国ぜんこくてきても希少きしょうである。

建設けんせつ工事こうじ奈川ながわわたるダム・稲核いねこきダムと同時どうじ1965ねん昭和しょうわ40ねん)より開始かいし。ダム本体ほんたいあいだぐみが、発電はつでん富士電機ふじでんき日立製作所ひたちせいさくしょがけることになった。奈川ながわわたるダム直下ちょっか安曇あずみ発電はつでんしょではきょうあいな地形ちけいから6だいある発電はつでんを2むねけて設置せっちしたが、みず殿どのダム地点ちてんでは川幅かわはばひろくなっていることから、4だい発電はつでんがダム直下ちょっかならべられている。洪水こうずいきについては、ダム直下ちょっか発電はつでんしょいた関係かんけいで、稲核いねこきダムで採用さいようされた中央ちゅうおうからたきのように放流ほうりゅうする型式けいしきのものではなく、右岸うがんスキージャンプしき洪水こうずいきがもうけられた。

建設けんせつ工事こうじ着々ちゃくちゃくすすめられ、1969ねん昭和しょうわ44ねん)10がつみず殿どの発電はつでんしょ1・2ごう発電はつでんが、1970ねん昭和しょうわ45ねん)8がつにはのこる3・4ごう発電はつでん運用うんよう開始かいしみず殿どのダム・みず殿どの発電はつでんしょ建設けんせつちゅう死傷ししょうしゃ合計ごうけい8めい、うち5めい殉職じゅんしょくしている。

周辺しゅうへん[編集へんしゅう]

国道こくどう158ごう沿いのみちえき風穴かざあなさと付近ふきんよりダムてんはし右岸うがんへとつづみちがある。アルピコ交通こうつう上高地線かみこうちせんしん島々しましまえきからアルピコ交通こうつうバス乗車じょうしゃ、「みず殿どのダム」バス停ばすてい下車げしゃすぐ。右岸うがんにはみず殿どのダム管理かんりしょや、公衆こうしゅうトイレのあるしょう公園こうえん「ふれあいダム広場ひろば」がある。てんはし歩道ほどうになっており、左岸さがんからトンネルけたさきみず殿川とのがわ上流じょうりゅうではイワナなど渓流けいりゅうりがたのしめる。

国道こくどう158ごう風穴かざあなさと手前てまえでダム直下ちょっかみず殿どの発電はつでんしょへとつながるみち分岐ぶんきしている。一般いっぱん進入しんにゅうみず殿どのダムのスキージャンプしき洪水こうずいきまで可能かのうとなっており、そのさきへのりは制限せいげんされている。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • 東京電力とうきょうでんりょく株式会社かぶしきがいしゃ編集へんしゅう発行はっこう梓川あずさがわ水力すいりょく開発かいはつ工事こうじ報告ほうこく』1972ねん
  • 奈川ながわむら編集へんしゅうちゅうむら編集へんしゅう責任せきにん奈川ながわわたるダムの記録きろく』1976ねん奈川ながわむら役場やくば発行はっこう
  • ダムの記録きろく編集へんしゅう委員いいんかい編集へんしゅう『ダムの記録きろく』1971ねん安曇あずみむら発行はっこう

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]