渡辺わたなべ甚吉 (12代だい)

12代だい 渡辺わたなべ甚吉（渡邊わたなべ、わたなべじんきち、1856年ねん 12月12日にち（安政あんせい3年ねん11月15日にち^[1]^[2]^[3]） - 1925年ねん（大正たいしょう14年ねん）11月10日にち^[4]^[5]^[3]）は、明治めいじから大正たいしょう時代じだいの政治せいじ家か。実業じつぎょう家か。銀行ぎんこう家か。衆議院しゅうぎいん議員ぎいん。貴族きぞく院いん多額たがく納税のうぜい者しゃ議員ぎいん。

経歴けいれき[編集へんしゅう]

渡辺わたなべ浄きよし意いの長男ちょうなんとして^[2]、岐阜ぎふ城じょう下松屋しもまつや町まち（現げん岐阜ぎふ市し松屋まつや町まち）に生うまれる^[1]。生家せいかは絹織物きぬおりもの製造せいぞう業ぎょうを営いとなむ^[1]。大蔵省おおくらしょうの銀行ぎんこう学がく講習こうしゅう所しょで学まなぶ^[3]。

1877年ねん（明治めいじ10年ねん）第だい十じゅう六ろく国立こくりつ銀行ぎんこう（後ごの十六銀行じゅうろくぎんこう）を創立そうりつし頭取とうどりに就任しゅうにん^[1]。1878年ねん（明治めいじ11年ねん）清きよしに渡わたり帰朝きちょう後ごに廻まわり瀾社を創立そうりつし対たい清しん貿易ぼうえきに従事じゅうじした^[1]。1879年ねん（明治めいじ12年ねん）岐阜ぎふ町まち会議かいぎ員いんに当選とうせんし、同どう議長ぎちょう、連合れんごう町村ちょうそん会議かいぎ員いん、水利すいり土工どこう会議かいぎ員いんなどを歴任れきにんした^[1]。

1882年ねん（明治めいじ15年ねん）商法しょうほう会議かいぎ所しょを設立せつりつし議長ぎちょうを務つとめ、1887年ねん（明治めいじ20年ねん）に岐阜ぎふ商工会しょうこうかいと改称かいしょうし会頭かいとうとなる^[1]。1890年ねん（明治めいじ23年ねん）商業しょうぎょう会議かいぎ所しょの設立せつりつを主務しゅむ省しょうに申請しんせいし、翌年よくねん、岐阜ぎふ商業しょうぎょう会議かいぎ所しょ会頭かいとうに就任しゅうにんした^[1]。

この間あいだ、1889年ねん（明治めいじ22年ねん）岐阜ぎふ市し会議かいぎ長ちょう、所得しょとく税ぜい調査ちょうさ委員いいん、名古屋なごや税務署ぜいむしょ管理かんり局きょく所轄しょかつ所得しょとく税ぜい審査しんさ委員いいん^[1]のほか名古屋なごや電力でんりょく監査かんさ役やく^[2]を務つとめた。

1890年ねん（明治めいじ23年ねん）には岐阜ぎふ県けん多額たがく納税のうぜい者しゃとして貴族きぞく院いん議員ぎいんに互選ごせんされ、同年どうねん9月がつ29日にちから^[6]1897年ねん（明治めいじ30年ねん）9月がつ28日にちまで務つとめた^[4]。貴族きぞく院いん議員ぎいん在任ざいにん中ちゅうは土木どぼく会かい委員いいん、貨幣かへい制度せいど調査ちょうさ会かい委員いいんを歴任れきにんした^[1]。

その後ご、北海道ほっかいどう炭礦たんこう鉄道てつどう取締役とりしまりやく、濃こ飛ひ農工のうこう銀行ぎんこう^{[注ちゅう 1]}取締役とりしまりやく、岐阜ぎふ貯蓄ちょちく銀行ぎんこう^{[注ちゅう 2]}頭取とうどり、十六銀行じゅうろくぎんこう頭取とうどりを務つとめた。

1902年ねん（明治めいじ35年ねん）8月がつの第だい7回かい衆議院しゅうぎいん議員ぎいん総そう選挙せんきょでは岐阜ぎふ市し選挙せんきょ区くから出馬しゅつばし当選とうせん^[5]。衆議院しゅうぎいん議員ぎいんを1期き務つとめた^[5]。

親族しんぞく[編集へんしゅう]

長男ちょうなん：13代だい渡辺わたなべ甚吉（岐阜ぎふ貯蓄ちょちく銀行ぎんこう頭取とうどり）^[7]
孫まご：14代だい渡辺わたなべ甚吉 - 13代だいの長男ちょうなん。実業じつぎょう家か、貴族きぞく院いん多額たがく納税のうぜい者しゃ議員ぎいん、参議院さんぎいん議員ぎいん
孫まご：渡辺わたなべ良吉りょうきち - 13代だいの二男じなん。トランス・ワールド・インダストリー社長しゃちょう。妻つま・武子たけしは福沢ふくさわ諭吉ゆきちの曾孫そうそん。二男じなん・正雄まさおは岩崎いわさき忠雄ただおの養子ようし。
孫娘まごむすめ（13代だいの三さん女じょ）の婿むこに明治屋めいじや社長しゃちょう・磯野いその計けい蔵ぞう
曾孫そうそん（14代だいの長女ちょうじょ）の婿むこに竹本たけもと油脂ゆし常務じょうむ・竹本たけもと福三郎ふくさぶろう（九きゅう代目だいめ竹本たけもと長三郎ちょうさぶろうの三男さんなん）

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

^ みずほ銀行ぎんこうの前身ぜんしん行ぎょうのひとつ。
^ 十六銀行じゅうろくぎんこうの前身ぜんしん行ぎょうのひとつ。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g ^h ⁱ ^j 金港きんこう堂どう 1902, 158頁ぺーじ.
^ ^a ^b ^c 人事じんじ興信所こうしんじょ 1915, わ31頁ぺーじ.
^ ^a ^b ^c 上田うえだほか 2001, 2087頁ぺーじ.
^ ^a ^b 衆議院しゅうぎいん、参議院さんぎいん 1960, 221頁ぺーじ.
^ ^a ^b ^c 衆議院しゅうぎいん、参議院さんぎいん 1962, 563頁ぺーじ.
^ 『官報かんぽう』第だい2179号ごう、明治めいじ23年ねん10月がつ2日にち。
^ 人事じんじ興信所こうしんじょ 1928, ワ43頁ぺーじ.

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

『新選しんせん代議士だいぎし列伝れつでん』金港きんこう堂どう、1902年ねん。
人事じんじ興信所こうしんじょ編へん『人事じんじ興信録こうしんろく第だい4版はん』人事じんじ興信所こうしんじょ、1915年ねん。
人事じんじ興信所こうしんじょ編へん『人事じんじ興信録こうしんろく第だい8版はん』人事じんじ興信所こうしんじょ、1928年ねん。
衆議院しゅうぎいん、参議院さんぎいん編へん『議会ぎかい制度せいど七なな十じゅう年ねん史し第だい1』大蔵省おおくらしょう印刷いんさつ局きょく、1960年ねん。
衆議院しゅうぎいん、参議院さんぎいん編へん『議会ぎかい制度せいど七なな十じゅう年ねん史し第だい11』大蔵省おおくらしょう印刷いんさつ局きょく、1962年ねん。
上田うえだ正ただし昭あきらほか監修かんしゅう『講談社こうだんしゃ日本人にっぽんじん名めい大だい辞典じてん』講談社こうだんしゃ、2001年ねん。ISBN 4062108496。