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火縄ひなわ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
15世紀せいきにセルビアぐん使用しようされていたマスケットじゅう「フィティリヤ」。

火縄ひなわえい: Slow matchまたはえい: match cord)は、ゆっくりとえるほそひも、または導火どうかせんをよりわせてほそつなにしたものである。

火薬かやく使つか初期しょき武器ぶきである火縄銃ひなわじゅうマスケットじゅう大砲たいほう砲弾ほうだん普通ふつう砲弾ほうだんでは使つかわれなかった。榴弾りゅうだん#歴史れきし参照さんしょう)やペタード英語えいごばんばれる小型こがたばくだんなどで点火てんかよう使つかわれた。火縄ひなわ黒色こくしょく火薬かやく使つか武器ぶきには最適さいてき点火てんか手段しゅだんだった。多少たしょうあらあつかってもえたりしないし、ちかくの火薬かやく勝手かって誘爆ゆうばくさせてしまうようなおおきなほのおすこともないためである[1]

火縄ひなわは、ほかにもいわ発破はっぱをかける現場げんばでも、火薬かやく点火てんかするための手段しゅだんとして使つかわれた。

設計せっけい使用しよう

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火縄銃ひなわじゅうでは火縄ひなわロック (火器かき)英語えいごばんけられた。火縄ひなわ材料ざいりょうは、通常つうじょうあさ亜麻あまひも[2]、ゆっくりと安定あんていして長時間ちょうじかん燃焼ねんしょうするように化学かがく処理しょりされていた[1]。しかし日本にっぽんでは、火縄ひなわたけヒノキ樹皮じゅひむことでもつくられた[3]燃焼ねんしょう速度そくどは1あいだあたりおよそ1フィート(305mm)であった。

火縄銃ひなわじゅうでの実際じっさい使用しようでは、火縄ひなわりょうはし点火てんかしておくことがよくあった。火皿ひざらない火薬かやく発火はっか衝撃しょうげき火縄ひなわえることがおおく、そのさい反対はんたいはし使用しようしてさい点火てんかできるためである。また、湿しめった地面じめん火縄ひなわきずるのをふせぐために、リンストックというつえじょう器具きぐがしばしば使用しようされた。これを地面じめんたてて、火縄ひなわはし地面じめんたらぬようにかけておいた。

火縄ひなわ製造せいぞうには(家伝かでんのような)おおくの方式ほうしき存在そんざいし、さまざまな燃焼ねんしょうりつがある。おも使用しようされた化学かがく物質ぶっしつ硝酸しょうさんカリウムだったが硝酸しょうさんナトリウム酢酸さくさんなまり(II)使用しようされているようである。硝酸しょうさんカリウムは、大気たいきちゅう水分すいぶん吸収きゅうしゅうする割合わりあいひくいため、硝酸しょうさんナトリウムよりもすぐれている。

火縄ひなわはヨーロッパでは15世紀せいきから1630ねんごろまで、フリントロックしきじゅう目立めだつようになるまでよく使用しようされていた(1540ねん以降いこうのスナップロックじゅう登場とうじょうは、火縄ひなわ使用しようにはかぎられた影響えいきょうしかなかった。スナップロックは、一般いっぱんてき農民のうみん武器ぶきなされていた)。そののヨーロッパではかぎられたかずのマッチロックじゅうで1730ねんごろまで使つかわれ、日本にっぽんでは1900年代ねんだい初頭しょとうまで使用しようされていた。小型こがた武器ぶきでの使用しようすたれたのちでも、一部いちぶ大砲たいほうとくイギリス海軍かいぐん)では、フリントロック時代じだいわりまでバックアップとして火縄ひなわ装備そうびつづけていた。

火縄ひなわ使用しようした大砲たいほう実演じつえん

現代げんだい使用しよう

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現代げんだい火縄ひなわ(レプリカのマッチロックじゅう火縄銃ひなわじゅう使用しようされる)は、あさ栽培さいばい規制きせいされていることがおおいため、あさではなく綿めんひもつくられていることがある。

関連かんれん項目こうもく

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b Keegan, John (1989). The Price of Admiralty. New York: Viking. p. 277. ISBN 0-670-81416-4. https://archive.org/details/priceofadmiralty00keeg/page/277 
  2. ^ Slow Match”. Musketeer.ch. 2011ねん11月11にち閲覧えつらん
  3. ^ 火縄ひなわ(ヒナワ)とは”. コトバンク. 2020ねん9がつ10日とおか閲覧えつらん

外部がいぶリンク

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