動作 どうさ 原理 げんり (保持 ほじ 器 き の無 な い理想 りそう 図 ず )
4点 てん 接触 せっしょく アンギュラ玉 だま 軸受 じくうけ
スヴェン・ヴィンクヴィスト とSKF 製 せい の自動 じどう 調 ちょう 心 しん 玉 だま 軸受 じくうけ
玉 たま 軸受 じくうけ (たまじくうけ)は、軸受 じくうけ の可動 かどう 部品 ぶひん 間 あいだ を玉 たま を使 つか って分離 ぶんり する転 ころ がり軸受 じくうけ の一種 いっしゅ 。ボール軸受 じくうけ 、ボールベアリング (ball bearing) とも。
玉 たま 軸受 じくうけ は、回転 かいてん 時 じ の摩擦 まさつ を軽減 けいげん し、ラジアル 荷重 におも およびアキシャル 荷重 かじゅう を支持 しじ することを目的 もくてき とする。そのため、少 すく なくとも2つの軌道 きどう 輪 わ (レース)で玉 たま を囲 かこ み、玉 たま を通 とお して荷重 かじゅう を伝達 でんたつ する。通常 つうじょう 、軌道 きどう 輪 わ の一方 いっぽう を固定 こてい する。一方 いっぽう の軌道 きどう 輪 わ が回転 かいてん すると、それによって玉 たま も回転 かいてん する。玉 たま が自転 じてん することで、2つの表面 ひょうめん が接 せっ して回転 かいてん するよりも摩擦 まさつ が低 ひく くなる。
玉 たま 軸受 じくうけ は玉 たま と軌道 きどう 輪 わ の接触 せっしょく 面積 めんせき が小 ちい さいため、他 た の大 おお きさが同 どう 程度 ていど の転 ころ がり軸受 じくうけ に比較 ひかく して荷重 かじゅう 許容 きょよう 量 りょう が低 ひく くなる傾向 けいこう がある。しかし、内輪 うちわ と外輪 がいりん がずれていても許容 きょよう できるという特徴 とくちょう がある。
玉 たま 軸受 じくうけ は玉 たま の製造 せいぞう コストが低 ひく いことから、他 た の軸受 じくうけ と比較 ひかく すると最 もっと も安価 あんか なころがり軸受 じくうけ と言 い うことが出来 でき る。最近 さいきん では工具 こうぐ 鋼 こう 分野 ぶんや で、ナノテクノロジー によってボールベアリング状 じょう の結晶 けっしょう を形成 けいせい することも行 おこな われている。
玉 たま 軸受 じくうけ にはいくつかの一般 いっぱん 的 てき 設計 せっけい があり、それぞれに利点 りてん と欠点 けってん がある。素材 そざい も様々 さまざま で、ステンレス鋼 こう 、クロム鋼 こう 、セラミックス (窒化ケイ素 けいそ : Si3 N4 、ジルコニア : ZrO2 )などがある。玉 たま をセラミックス、軌道 きどう 輪 わ を金属 きんぞく とするハイブリッド玉 だま 軸受 じくうけ もある。
ラジアル玉 だま 軸受 じくうけ
アンギュラ玉 だま 軸受 じくうけ (angular contact ball bearing)
アンギュラ玉 だま 軸受 じくうけ は、軸 じく 方向 ほうこう に非対称 ひたいしょう な軌道 きどう 輪 わ を使 つか う。アキシャル荷重 かじゅう は軸受 じくう けの軸 じく 方向 ほうこう を真 ま っ直 す ぐ通 とお るのに対 たい して、ラジアル荷重 かじゅう は軌道 きどう 輪 わ を軸 じく 方向 ほうこう に分離 ぶんり させようとする斜 なな めの経路 けいろ をとる。そのため、内輪 うちわ との接触 せっしょく 角 かく は外輪 がいりん との接触 せっしょく 角 かく と同 おな じである。アンギュラ玉 だま 軸受 じくうけ は「組合 くみあわ せ荷重 かじゅう 」(ラジアル荷重 かじゅう とアキシャル荷重 かじゅう の組合 くみあわ せ)に適 てき しており、軸受 じくう けの接触 せっしょく 角 かく はそれらの相対 そうたい 的 てき 均衡 きんこう と一致 いっち させる。接触 せっしょく 角 かく (典型 てんけい 的 てき には10度 ど から45度 ど )が大 おお きくなると、より大 おお きなアキシャル荷重 かじゅう を支持 しじ できるが、ラジアル荷重 かじゅう には弱 よわ くなる。タービン やジェットエンジン や歯科 しか 用 よう 機器 きき などの高速 こうそく 回転 かいてん 用途 ようと では、玉 たま に遠心 えんしん 力 りょく が働 はたら くため、外輪 がいりん と内輪 うちわ で接触 せっしょく 角 かく が変 か わってくる。そのような用途 ようと では密度 みつど の低 ひく い窒化ケイ素 けいそ などのセラミックスを使 つか うのが普通 ふつう で(鋼 はがね の40%の密度 みつど のため、遠心 えんしん 力 りょく が低減 ていげん される)、高温 こうおん の環境 かんきょう でも機能 きのう し、過大 かだい な荷重 かじゅう がかかっても陶器 とうき のように割 わ れることなく金属 きんぞく のように磨 す り減 へ っていくという特徴 とくちょう がある。
自転車 じてんしゃ のハンドルと前輪 ぜんりん を結 むす ぶ操縦 そうじゅう 管 かん を固定 こてい するヘッドセットは、ラジアル荷重 かじゅう とアキシャル荷重 かじゅう がかかるため、アンギュラ玉 だま 軸受 じくうけ が使 つか われている。
深溝 ふかみぞ 玉 だま 軸受 じくうけ (deep-groove radial bearing)
最 もっと も一般 いっぱん 的 てき な玉 たま 軸受 じくうけ 。深溝 ふかみぞ 玉 だま 軸受 じくうけ は、軌道 きどう 輪 わ 内 ない の溝 みぞ の寸法 すんぽう がそこを転 ころ がる玉 たま の寸法 すんぽう とほぼ同 おな じになっている。深溝 ふかみぞ 玉 だま 軸受 じくうけ は、同 おな じ大 おお きさの溝 みぞ の浅 あさ い軸受 じくうけ よりも荷重 におも 許容 きょよう 量 りょう が大 おお きいが、内輪 うちわ と外輪 がいりん のずれの許容 きょよう 量 りょう が小 ちい さい。軌道 きどう 輪 わ にずれが生 しょう じた状態 じょうたい では、深溝 ふかみぞ 玉 だま 軸受 じくうけ よりも溝 みぞ の浅 あさ い軸受 じくう けの方 ほう がより大 おお きな荷重 かじゅう を支持 しじ できる。
自動 じどう 調 ちょう 心 しん 玉 だま 軸受 じくうけ (Self-aligning ball bearing)
自動 じどう 調 ちょう 心 しん 玉 だま 軸受 じくうけ は、外側 そとがわ の軌道 きどう 輪 わ の軌道 きどう が球面 きゅうめん になっており、その曲 きょく 率 りつ が軸受 じくうけ 中心 ちゅうしん と一致 いっち している。このため、軸 じく がある程度 ていど 傾 かたむ いても回転 かいてん を維持 いじ できるという特徴 とくちょう がある。
スラスト玉 だま 軸受 じくうけ
スラスト玉 だま 軸受 じくうけ はスラスト軸受 じくうけ の一種 いっしゅ でもあり、軌道 きどう 輪 わ (軌道 きどう 盤 ばん )が左右 さゆう から玉 たま を挟 はさ む形 かたち の軸受 じくうけ である。アキシャル荷重 かじゅう が直接 ちょくせつ 軸受 じくうけ に伝達 でんたつ され、ラジアル荷重 かじゅう はほとんど支持 しじ できない。ラジアル荷重 かじゅう がかかると軌道 きどう 輪 わ をずらす力 ちから が働 はたら くため、ほんの少 すこ しのラジアル荷重 におも でも軸受 じくうけ に損傷 そんしょう を与 あた える。
各 かく 軸受 じくうけ の断面 だんめん 図 ず (R=ラジアル荷重 かじゅう 、A=アキシャル荷重 かじゅう )
アンギュラ玉 だま 軸受 じくうけ
深溝 ふかみぞ 玉 だま 軸受 じくうけ
自動 じどう 調 ちょう 心 しん 玉 だま 軸受 じくうけ
スラスト玉 だま 軸受 じくうけ
運用 うんよう 条件 じょうけん [ 編集 へんしゅう ]
[1]
軸受 じくうけ の計算 けいさん 上 じょう の寿命 じゅみょう は、荷重 におも と回転 かいてん 速度 そくど に基 もと づく。規格 きかく 上 じょう の軸受 じくうけ の寿命 じゅみょう は、荷重 かじゅう の3乗 じょう に反比例 はんぴれい する[2] 。軸受 じくうけ の公称 こうしょう 最大 さいだい 荷重 かじゅう (SKF のデータシートなどに記 しる されている数値 すうち )は、寿命 じゅみょう を50 Hz (すなわち3,000RPM)で100万 まん 回転 かいてん としたときの値 ね であり、連続 れんぞく 運転 うんてん で約 やく 5時 じ 間 あいだ の寿命 じゅみょう になる。データシートに対応 たいおう した軸受 じくうけ のうち90%はすくなくともこれ以上 いじょう の寿命 じゅみょう を持 も ち、50%の軸受 じくうけ は少 すく なくともその5倍 ばい の寿命 じゅみょう を持 も つ。
工業 こうぎょう 規格 きかく 上 じょう の寿命 じゅみょう は、1947年 ねん に Lundberg と Palmgren の行 おこな った研究 けんきゅう に基 もと づいて計算 けいさん されている。その式 しき によれば、寿命 じゅみょう を制限 せいげん しているのは金属 きんぞく 疲労 ひろう であり、寿命 じゅみょう の分布 ぶんぷ はワイブル分布 ぶんぷ に従 したが う。この式 しき には様々 さまざま な派生 はせい の式 しき があり、材料 ざいりょう の特性 とくせい 、潤滑 じゅんかつ 、荷重 かじゅう などを考慮 こうりょ したものがある。荷重 かじゅう を考慮 こうりょ した式 しき は、Lundberg と Palmgren が決定 けってい した荷重 かじゅう と寿命 じゅみょう の関係 かんけい が最近 さいきん の材料 ざいりょう では成 な りたないことを暗黙 あんもく に前提 ぜんてい としているとも言 い える。
軸受 じくうけ が回転 かいてん していない状態 じょうたい では、最大 さいだい 荷重 かじゅう は玉 たま の非 ひ 弾性 だんせい 変形 へんけい を生 しょう じる力 ちから で決定 けってい される。玉 たま が偏平 へんぺい に変形 へんけい すると、軸受 じくう けは回転 かいてん しなくなる。静止 せいし 状態 じょうたい か低速 ていそく 回転 かいてん 状態 じょうたい での最大 さいだい 荷重 かじゅう を静 しずか 等価 とうか 荷重 におも と呼 よ ぶ。
軸受 じくうけ が回転 かいてん している場合 ばあい 、同 どう じ力 りょく がかかっても玉 たま は回転 かいてん した状態 じょうたい なので1点 てん が偏平 へんぺい になるわけではなく、軸受 じくうけ は回転 かいてん し続 つづ ける。しかしこれが長 なが く続 つづ くと、玉 たま は金属 きんぞく 疲労 ひろう によって故障 こしょう する。回転 かいてん する軸受 じくうけ の最大 さいだい 荷重 かじゅう を動 どう 等価 とうか 荷重 におも と呼 よ び、静 せい 等価 とうか 荷重 かじゅう の2倍 ばい から3倍 ばい になる。
軸受 じくうけ が回転 かいてん していて、過大 かだい な荷重 かじゅう が1回転 かいてん に満 み たない短時間 たんじかん だけかかる場合 ばあい 、その荷重 かじゅう がかかる間 あいだ に軸受 じくうけ は回転 かいてん していないと見 み なせるので、計算 けいさん には静 しずか 等価 とうか 荷重 かじゅう を使 つか う必要 ひつよう がある。
一般 いっぱん に、玉 たま 軸受 じくうけ の最大 さいだい 荷重 かじゅう は、軸受 じくうけ の外 そと 径 みち と軸受 じくうけ の幅 はば をかけた値 ね に比例 ひれい する(幅 はば は軸 じく 方向 ほうこう の厚 あつ みである)。
SKFの単 たん 列 れつ 深溝 ふかみぞ 玉 だま 軸受 じくうけ (推奨 すいしょう 通 どお りの潤滑 じゅんかつ を施 ほどこ しているものとする)の公称 こうしょう 最大 さいだい 静止 せいし ラジアル荷重 かじゅう は約 やく 12 N/mm2 である。ここで「ラジアル」は、軸 じく とは直角 ちょっかく 方向 ほうこう の荷重 かじゅう を意味 いみ し、mm2 (平方 へいほう ミリメートル)は軸受 じくうけ の外 そと 径 みち と幅 はば をかけたものを意味 いみ する。
SKFの円筒 えんとう ころ軸受 じくうけ は16 N/mm2 から24 N/mm2 の荷重 かじゅう を扱 あつか え、球面 きゅうめん ころ軸受 じくうけ や円錐 えんすい 軸受 じくうけ では約 やく 25 N/mm2 である。
JIS B 1519に定義 ていぎ される静 せい 定 じょう 格 かく 荷重 におも は,転 うたて 動体 どうたい 直径 ちょっけい の約 やく 0.0001倍 ばい の大 おお きさの永久 えいきゅう 変形 へんけい (すなわち塑性 そせい 変形 へんけい )が発生 はっせい する荷重 かじゅう を示 しめ している.Koyoでは,自動 じどう 調 ちょう 心 しん 玉 だま 軸受 じくうけ は4,600 MPa 、その他 た の玉 たま 軸受 じくうけ (単 たん 列 れつ 深溝 ふかみぞ 玉 だま 軸受 じくうけ ・アンギュラ玉 だま 軸受 じくうけ 等 とう )は4,200 MPa ,ころ軸受 じくうけ は4,000 MPa とされている[3] 。
公称 こうしょう の最大 さいだい 荷重 かじゅう で公称 こうしょう の寿命 じゅみょう まで軸受 じくうけ をもたせるには、推奨 すいしょう されている動 どう 粘 ねば 度 たび 以下 いか の潤滑 じゅんかつ 物質 ぶっしつ (油 あぶら やグリース)による潤滑 じゅんかつ が必須 ひっす である。動 どう 粘 ねば 度 たび はギリシア文字 もじ
ν にゅー
{\displaystyle \nu }
で示 しめ されることが多 おお い。一般 いっぱん に軸受 じくう けの直径 ちょっけい が大 おお きいほど、推奨 すいしょう される動 どう 粘 ねば 度 たび は低 ひく くなる。
推奨 すいしょう 動 どう 粘 ねば 度 たび は回転 かいてん 数 すう が上 あ がると低 ひく くなる。大 おお まかに言 い うと、3,000RPM以下 いか では、回転 かいてん 速度 そくど が10分 ぶん の1になると推奨 すいしょう 動 どう 粘 ねば 度 たび が6倍 ばい になり、3,000RPM以上 いじょう では、速度 そくど が10倍 ばい になると推奨 すいしょう 動 どう 粘 ねば 度 たび が3分 ぶん の1になる。
軸受 じくうけ 内径 ないけい が50 mm で、3,000RPMで回転 かいてん させる場合 ばあい 、推奨 すいしょう される動 どう 粘 ねば 度 たび は12 mm2 /s である。
なお、油 あぶら の動 どう 粘 ねば 度 たび は温度 おんど によって大 おお きく変化 へんか する。温度 おんど が50℃から70℃上昇 じょうしょう すると、動 どう 粘 ねば 度 たび が10分 ぶん の1になることもある。
粘 ねば 度 たび が推奨 すいしょう 値 ち より高 たか い潤滑油 じゅんかつゆ を使 つか うと、だいたい粘 ねば 度 たび の平方根 へいほうこん に比例 ひれい して軸受 じくうけ の寿命 じゅみょう が延 の びる。粘 ねば 度 たび が推奨 すいしょう 値 ち より低 ひく い場合 ばあい 、軸受 じくうけ の寿命 じゅみょう は縮 ちぢ み、その程度 ていど はどういう潤滑油 じゅんかつゆ を使 つか うかに依存 いぞん する。極 ごく 圧 あつ (EP)添加 てんか 剤 ざい を加 くわ えた潤滑油 じゅんかつゆ の場合 ばあい 、寿命 じゅみょう は高 こう 粘 ねば 度 たび の場合 ばあい のように動 どう 粘 ねば 度 たび の平方根 へいほうこん に比例 ひれい する。普通 ふつう の潤滑油 じゅんかつゆ では、粘 ねば 度 たび が推奨 すいしょう 地 ち より低 ひく ければ、粘 ねば 度 たび の2乗 じょう に比例 ひれい した寿命 じゅみょう となる。
グリースを潤滑 じゅんかつ に使 つか うと、グリースが軸受 じくう けに粘着 ねんちゃく して周囲 しゅうい の環境 かんきょう から守 まも るという利点 りてん があるが、頻繁 ひんぱん に交換 こうかん が必要 ひつよう になり、高温 こうおん になるとグリースが溶 と けて周囲 しゅうい に漏 も れ出 だ し、軸受 じくう けの最大 さいだい 荷重 かじゅう が小 ちい さくなるという問題 もんだい がある。グリースの交換 こうかん 間隔 かんかく は、軸受 じくうけ の径 みち が大 おお きいほど短 みじか くなる。例 たと えば40 mm の軸受 じくうけ で5,000時 じ 間 あいだ ごとにグリースを交換 こうかん しなければならない場合 ばあい 、100 mm の軸受 じくう けでは500時 じ 間 あいだ ごとにグリースを交換 こうかん する必要 ひつよう がある。
潤滑油 じゅんかつゆ を潤滑 じゅんかつ に使 つか うと最大 さいだい 荷重 かじゅう は大 おお きくなるが、ほうっておくと潤滑油 じゅんかつゆ は重力 じゅうりょく に引 ひ かれて軸受 じくう けから漏 も れ出 だ していくため、常 つね に潤滑油 じゅんかつゆ を供給 きょうきゅう するような手段 しゅだん を講 こう じなければならない。潤滑油 じゅんかつゆ が50℃より熱 あつ くならない場合 ばあい 、潤滑油 じゅんかつゆ の交換 こうかん が1年 ねん に1回 かい でよいとしたら、100℃になるような用途 ようと では、年 とし に4回 かい 交換 こうかん する必要 ひつよう がある。自動車 じどうしゃ のエンジンでは、潤滑油 じゅんかつゆ が100℃程度 ていど になるが、フィルターによって潤滑油 じゅんかつゆ の品質 ひんしつ を保 たも つ機構 きこう があるため、それほど頻繁 ひんぱん に潤滑油 じゅんかつゆ を交換 こうかん する必要 ひつよう はない。
荷重 かじゅう の方向 ほうこう [ 編集 へんしゅう ]
軸受 じくうけ は多 おお くの場合 ばあい 、軸 じく と直角 ちょっかく な荷重 かじゅう (ラジアル荷重 かじゅう )を支持 しじ する。軸 じく 方向 ほうこう の荷重 かじゅう (アキシャル荷重 かじゅう )をどれだけ支持 しじ できるかは軸受 じくうけ の種類 しゅるい に依存 いぞん する。スラスト軸受 じくうけ はアキシャル荷重 かじゅう 専用 せんよう に設計 せっけい されている。
単 たん 列 れつ 深溝 ふかみぞ 玉 だま 軸受 じくうけ の場合 ばあい 、SKFの文書 ぶんしょ によると最大 さいだい アキシャル荷重 かじゅう は最大 さいだい ラジアル荷重 かじゅう の50%程度 ていど とされているが、同時 どうじ に軽 かる く小 ちい さい軸受 じくうけ では最大 さいだい アキシャル荷重 かじゅう は最大 さいだい ラジアル荷重 かじゅう の25%程度 ていど だとも記 しる している。
単 たん 列 れつ アンギュラ玉 だま 軸受 じくうけ の場合 ばあい 、アキシャル荷重 かじゅう は最大 さいだい ラジアル荷重 かじゅう の約 やく 2倍 ばい までで、円錐 えんすい 軸受 じくうけ では最大 さいだい アキシャル荷重 かじゅう は最大 さいだい ラジアル荷重 かじゅう の1倍 ばい から2倍 ばい の間 あいだ である。
仕様 しよう としてアキシャル荷重 かじゅう とラジアル荷重 かじゅう が示 しめ されている場合 ばあい 、それらをベクトルとして合計 ごうけい することで総 そう 荷重 かじゅう が得 え られ、公称 こうしょう 最大 さいだい 荷重 かじゅう との組合 くみあわ せで寿命 じゅみょう を予測 よそく することができる。
軸受 じくうけ は一般 いっぱん に回転 かいてん する部分 ぶぶん と接 せっ する軌道 きどう 輪 わ をその回転 かいてん するもの(歯車 はぐるま 、軸 じく など)と固定 こてい する必要 ひつよう がある。一方 いっぽう 、回転 かいてん しない側 がわ の軌道 きどう 輪 わ はすべりも可能 かのう なように固定 こてい しないことが多 おお い。スラスト軸受 じくうけ では、両側 りょうがわ を固定 こてい する必要 ひつよう がある。軸受 じくうけ と軸 じく やハウジングの接 せっ する面 めん を「はめあい面 めん 」と呼 よ び、固定 こてい する場合 ばあい を「しまりばめ」、固定 こてい しない場合 ばあい を「すきまばめ」と呼 よ ぶ。
1本 ほん の軸 じく に2つの軸受 じくう けを取 と り付 つ ける場合 ばあい 、温度 おんど によって軸 じく が膨張 ぼうちょう したり収縮 しゅうしゅく することを考慮 こうりょ しなければならない。このとき両方 りょうほう を軸 じく に対 たい して固定 こてい すると、膨張 ぼうちょう によってアキシャル荷重 かじゅう が生 しょう じ、軸受 じくうけ が破損 はそん する恐 おそ れがある。したがって、少 すく なくともどちらか一方 いっぽう は軸 じく 上 じょう をすべることができるよう固定 こてい しないでおく。
「すきまばめ」では、「しめしろ」として少 すく なくとも4 µm が必要 ひつよう である。これは、旋盤 せんばん で加工 かこう した「はめあい面 めん 」の粗 あら さが一般 いっぱん に1.6 µm から3.2 µm となっているためである。
軸受 じくうけ は、その内径 ないけい と軸 じく 径 みち がぴったり合 あ っている場合 ばあい のみ最大 さいだい 荷重 におも に耐 た えることができる。
軸受 じくうけ の寸法 すんぽう は非対称 ひたいしょう な許容 きょよう 差 さ になっており、例 たと えば、40 mm の外 そと 径 みち の軸受 じくう けでは、外 そと 径 みち の許容 きょよう 差 さ は-13 µm から+3 µm で、内径 ないけい の許容 きょよう 差 さ は-9 µm から+0 µm となっている。
「しまりばめ」で軸 じく に固定 こてい しようとすると、径 みち がほとんど同 おな じであるため、かなりの力 ちから を加 くわ えないと所定 しょてい の位置 いち に軸受 じくうけ を取 と り付 つ けることができない。小 ちい さい軸受 じくうけ ならハンマーで叩 たた いたりプレス機 き で押 お すことで取 と り付 つ けられるが、大 おお きな軸受 じくうけ では熱 ねっ して膨張 ぼうちょう させて取 と り付 つ けるしか方法 ほうほう がない。SKFでは、125℃以上 いじょう に軸受 じくう けを熱 ねっ することを推奨 すいしょう しないとしている。
ねじり荷重 かじゅう を避 さ ける [ 編集 へんしゅう ]
1つの軸 じく を2つの軸受 じくうけ で支持 しじ していて、それらの回転 かいてん 軸 じく が一致 いっち していない場合 ばあい 、大 おお きな力 ちから が軸受 じくうけ にかかって破損 はそん する恐 おそ れがある。小 ちい さなずれは許容 きょよう されるが、どこまで許容 きょよう されるかは軸受 じくうけ の種類 しゅるい によって異 こと なる。自動 じどう 調 ちょう 心 しん 型 がた の軸受 じくうけ では、許容 きょよう されるずれは円弧 えんこ の角度 かくど にして1.5度 ど から3度 ど である。自動 じどう 調 ちょう 心 しん 型 がた でない軸受 じくうけ では、円弧 えんこ の角度 かくど にして2分 ふん から10分 ふん 程度 ていど しかずれを許容 きょよう できない。
現在 げんざい 、玉 たま 軸受 じくうけ は様々 さまざま な用途 ようと に使 つか われている。例 たと えば、歯科 しか 用 よう 機器 きき や医療 いりょう 機器 きき にも使 つか われている。この場合 ばあい 人体 じんたい に接 せっ するものであるため、殺菌 さっきん 可能 かのう で腐食 ふしょく に耐 た える材料 ざいりょう で作 つく る必要 ひつよう がある。そのため、440Cステンレス鋼 こう がそういった用途 ようと に使 つか われていて、高速 こうそく で滑 なめ らかな回転 かいてん が可能 かのう となっている[4] 。
ハードディスクドライブ の軸受 じくうけ の玉 たま は高 こう 精度 せいど の真 ま 球 たま が使 つか われていたが、最近 さいきん では流体 りゅうたい 軸受 じくうけ が主流 しゅりゅう となっている。
送風 そうふう 機 き
CPUの冷却 れいきゃく 装置 そうち
第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 当時 とうじ 、ドイツの玉 たま 軸受 じくうけ 工場 こうじょう は爆 ばく 撃 げき の標的 ひょうてき とされていた。玉 たま 軸受 じくうけ がドイツの産業 さんぎょう を支 ささ える重要 じゅうよう な部品 ぶひん と認識 にんしき されていたことを示 しめ している[5] 。
時計 とけい においては、Jean Lassale がムーブメントを薄 うす くするため玉 たま 軸受 じくうけ を使 つか ったムーブメントを開発 かいはつ した。0.20 mm の玉 たま を使 つか った Calibre 1200 はわずか1.2 mm の厚 あつ さで、機械 きかい 式 しき では今 いま も世界 せかい 最 さい 薄 すすき のムーブメントである[6] 。
航空 こうくう 宇宙 うちゅう 用 よう の軸受 じくうけ は、軍用 ぐんよう にも商用 しょうよう にも、ベルト車 しゃ 、ギアボックス、ジェットエンジン のシャフトなど、様々 さまざま な用途 ようと に使 つか われている。材料 ざいりょう としてはM50 (AMS6491)、炭素 たんそ クロム鋼 こう (AMS6444)、耐 たい 腐食 ふしょく 性 せい の高 たか い AMS5930、440Cステンレス鋼 こう 、窒化ケイ素 けいそ (セラミックス)、炭化 たんか チタン で440Cをコーティングしたものなどが使 つか われている。
ハンドスピナー
ヨーヨー
脚注 きゃくちゅう ・出典 しゅってん [ 編集 へんしゅう ]