真鍮しんちゅう座ざ

真鍮しんちゅう座ざ（しんちゅうざ）とは、江戸えど時代じだい中期ちゅうきに江戸えど幕府ばくふによって設置せっちされた真鍮しんちゅうの吹立・販売はんばいの独占どくせん権けんが付与ふよされた団体だんたい。

概要がいよう

安永やすなが9年ねん8月がつ28日にち（1780年ねん 9月26日にち）に江戸えど幕府ばくふが真鍮しんちゅう座ざ結成けっせいの触書ふれがきを出だし、同年どうねん11月1日にちより江戸えど・京都きょうと・大坂おおさかに真鍮しんちゅう座ざを設置せっちして銀座ぎんざの支配しはい下かに置おき、真鍮しんちゅうの吹立・販売はんばいの独占どくせんと細工ざいく人じんの支配しはいを行おこなわせた。当時とうじは田沼たぬま政治せいじの最中さいちゅうであり、当時とうじ推進すいしんされていた株かぶ仲間なかまとともに運上うんじょう・冥加みょうが収入しゅうにゅうが期待きたいされるとともに、明和めいわ5年ねん（1768年ねん）以来いらい鋳造ちゅうぞうされていた真鍮しんちゅう四よん文ぶん銭ぜにの材料ざいりょう確保かくほの意図いとがあったとみられている。

以降いこう、真鍮しんちゅうの価格かかくは真鍮しんちゅう座ざがその品位ひんいに基もとづいて決定けっていし、細工ざいく人じんは真鍮しんちゅうの販売はんばいが認みとめられた仲買人なかがいにんの株かぶ仲間なかまから口銭こうせんとして2％上乗うわのせされた値段ねだんで買かい入いれることとなった。

だが、天明てんめい7年ねん（1787年ねん）になって、寛政かんせいの改革かいかく開始かいしによる田沼たぬま政治せいじの否定ひてい及および真鍮しんちゅう四よん文ぶん銭ぜにの鋳造ちゅうぞう停止ていし（実際じっさいの停止ていしは翌年よくねん）のために、真鍮しんちゅう座ざは廃止はいしされた。

滝沢たきざわ武雄たけお「真鍮しんちゅう座ざ」（『国史こくし大だい辞典じてん 7』（吉川弘文館よしかわこうぶんかん、1986年ねん） ISBN 978-4-642-00507-4）
岩橋いわはし勝まさる「真鍮しんちゅう座ざ」（『日本にっぽん歴史れきし大だい事典じてん 2』（小学館しょうがくかん、2000年ねん）ISBN 978-4-095-23002-3）