禁忌きんき (医学いがく)

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医療いりょうにおける禁忌きんき(きんき、えい: contraindication)とは、患者かんじゃがいをおよぼす可能かのうせいがあるため、ある医療いりょう行為こういおこなわない理由りゆうとなる状態じょうたい状況じょうきょう要因よういん)のことである[1][2]禁忌きんきは、ある治療ちりょうほうおこな理由りゆうである適応てきおうえい: indication)の対義語たいぎごである。

概要がいよう[編集へんしゅう]

絶対ぜったいまと禁忌きんきとは、ある行動こうどうをとるための合理ごうりてき状況じょうきょう存在そんざいしない(つまり、その禁止きんしくつがえされることのない)禁忌きんきである。たとえば、

相対そうたいまと禁忌きんきとは、治療ちりょうによる合併症がっぺいしょうのリスクはたかいが、そのリスクは考慮こうりょ事項じこう上回うわまわるか、手段しゅだんによって軽減けいげんされる状況じょうきょうでの禁忌きんきである。たとえば、妊娠にんしんちゅうひと通常つうじょうXせん撮影さつえいけるべきであるが、結核けっかくのようなじゅうあつし疾患しっかん診断しんだんする(そして治療ちりょうする)ことの有益ゆうえきせいが、Xせん撮影さつえいによるリスクを上回うわまわ場合ばあいがある。

相対そうたいてき禁忌きんき絶対ぜったいてき禁忌きんきあらわすもうひとつの主要しゅよう用語ようごくみは、警告けいこく(cautions)と禁忌きんき(contraindications)、または(同様どうように)注意ちゅうい(precautions)と禁忌きんき(contraindications)であり、これらの用語ようごくみはそれぞれ同義どうぎである。どちらのペアを使用しようするかは、各国かっこく命名めいめいほうによる。たとえば、英国えいこく国民こくみん医薬品いやくひんしゅうは「警告けいこく禁忌きんき」のペアを使用しようし、アメリカ疾病しっぺい予防よぼう管理かんりセンター様々さまざまなウェブページは「注意ちゅうい禁忌きんき」を使用しようしている。後者こうしゃ2つのスタイルの論理ろんりは、読者どくしゃけっして混乱こんらんさせてはならないというかんがかたもとづく。この用法ようほうにおける禁忌きんきという言葉ことばは、つね絶対ぜったいてき意味いみ使つかわれ、曖昧あいまいさの余地よちがない

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ Contraindication - Medical Definition and More from Merriam-Webster”. 2011ねん10がつ3にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2010ねん12月14にち閲覧えつらん
  2. ^ Vorvick (2013ねん1がつ21にち). “Contraindication: MedlinePlus Medical Encyclopedia”. MEDLINE. United States National Library of Medicine. 2016ねん7がつ5にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2014ねん11月7にち閲覧えつらん
  3. ^ Raymond S. Sinatra; Jonathan S. Jahr; J. Michael Watkins-Pitchford (2011). The Essence of Analgesia and Analgesics. Cambridge University Press. p. 253. ISBN 978-0-521-14450-6. https://books.google.com/books?id=ZwPIjKg0XukC&q=absolute%20contraindication%20aspirin%20Reye's%20syndrome&pg=PA253 

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]