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禁酒きんしゅぐん

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禁酒きんしゅぐん分布ぶんぷしめ地図ちず[1]
  酒類しゅるい販売はんばい規制きせいのないぐん
  一部いちぶ禁酒きんしゅ地域ちいきふくぐん
  禁酒きんしゅぐん
  データなし

禁酒きんしゅぐん(きんしゅぐん、英語えいご: dry county)は、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくにおいて、地方ちほう行政ぎょうせい当局とうきょく酒類しゅるい販売はんばい禁止きんししたり、制約せいやくしたりしているぐん禁酒きんしゅぐんなかには、そのでの飲酒いんしゅみとめるがかえりをきんじるところ、ぎゃくに、かえりはみとめるがそのでの飲酒いんしゅみとめないところがあり、その両方りょうほう禁止きんししているところもある。アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくには、すうひゃくにおよぶ禁酒きんしゅぐんがあり、そのほとんどが南部なんぶ集中しゅうちゅうしている。さらに小規模しょうきぼ範囲はんいで、市町村しちょうそん単位たんい酒類しゅるい販売はんばいきんじている禁酒きんしゅ地域ちいき多数たすうあり、 「dry towns」「dry cities」「dry townships」といった表現ひょうげんもちいられる。

背景はいけい

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歴史れきし

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1933ねんアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく憲法けんぽう修正しゅうせいだい21じょう批准ひじゅんによって修正しゅうせいだい18じょう(いわゆる禁酒きんしゅほう)は廃止はいしされたが、修正しゅうせいだい21じょう同時どうじに、各州かくしゅう州法しゅうほうとう規定きていはんして配送はいそうまたは使用しようする目的もくてき酒類しゅるい地域ちいきない輸送ゆそうないし移入いにゅうすることをきんじている。一部いちぶ地方ちほう政府せいふは、禁酒きんしゅほう時代じだい地域ちいき独自どくじ酒類しゅるい販売はんばい禁止きんしほう制定せいていしており、禁酒きんしゅほう廃止はいしもそれが撤廃てっぱいされないままになると、その地域ちいきは「禁酒きんしゅ市場いちばのままでいることになる[よう出典しゅってん]

禁酒きんしゅぐん同様どうよう政策せいさくをとる自治体じちたいおおくは、酒類しゅるい消費しょうひそのものは禁止きんししていないが、このような方針ほうしんは、住民じゅうみんたちの飲酒いんしゅにともなってしょうじるはずの経済けいざいてき利益りえき税収ぜいしゅうを、近傍きんぼう禁酒きんしゅ政策せいさくをとっていない地域ちいき流出りゅうしゅつさせているものとかんがえられる。地域ちいきてき禁酒きんしゅ政策せいさく維持いじする立場たちばからの理由りゆうけは、しばしば宗教しゅうきょうてき性格せいかくのものであり、プロテスタントけいおおくの教派きょうはは、信徒しんと飲酒いんしゅひかえるようびかけている(英語えいごばんの「Christian views on alcohol」、「Sumptuary law[2]」、「Bootleggers and Baptists」を参照さんしょう)。教義きょうぎなか飲酒いんしゅなどをきんじている末日まつじつ聖徒せいとイエス・キリスト教会きょうかいモルモンきょう)が優勢ゆうせいユタしゅうでは、州法しゅうほうでは禁酒きんしゅぐんみとめていないが、酒類しゅるい販売はんばい消費しょうひ制限せいげんする法令ほうれいがいろいろ制定せいていされている。ユタ州法しゅうほうは、地方ちほう政府せいふ酒類しゅるい管理かんりするほう条例じょうれいなどをさだめることをきんじている。しかし、特定とくていぐんにおいて酒類しゅるい消費しょうひりょうらし、また、それにともなう保健ほけん安全あんぜん治安ちあん関係かんけいしょ問題もんだいらすという、付随ふずいてきながら、より実際じっさいてき意図いとから、酒類しゅるい入手にゅうしゅ容易よういではなくなるよう制限せいげんもうける法令ほうれい制定せいていされるようになっている。

酒類しゅるい輸送ゆそう

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かつては、修正しゅうせいだい21じょうによって禁酒きんしゅほう廃止はいしされた結果けっか酒類しゅるい禁止きんし連邦れんぽう商務しょうむ行政ぎょうせい問題もんだいではなく、しゅう警察けいさつ行政ぎょうせい問題もんだいとなったのだという解釈かいしゃくがあった。しゅうやそれにじゅんじる地域ちいきは、管轄かんかつする領域りょういきない発着はっちゃくないし通過つうかする商品しょうひんたいして一定いってい権限けんげんがあるとかんがえられる、というわけである。たしかに、修正しゅうせいだい21じょうは、各州かくしゅう酒類しゅるいきんじる権限けんげんあたえているが、その権限けんげん絶対ぜったいではない。

とくに、あるひとつのしゅう酒類しゅるいきんじたとしても、酒類しゅるいみとめているしゅう同士どうしあいだおこなわれる商業しょうぎょう活動かつどうさまたげることはゆるされない。合衆国がっしゅうこく最高裁判所さいこうさいばんしょくだした Granholm v. Heald 事件じけん判決はんけつ 544 U.S. 460 (2005) は、しゅうさかいえて流通りゅうつうする酒類しゅるいたいしてしゅう行政ぎょうせい権限けんげんおよばない、という判断はんだんしめしている。したがって、州法しゅうほうぐんなり条例じょうれいが、しゅうえた商業しょうぎょう活動かつどうとして運行うんこうされている車両しゃりょう長距離ちょうきょり列車れっしゃやバス)の乗客じょうきゃく対象たいしょう酒類しゅるい所持しょじきんじたとしても、その乗客じょうきゃくがただそのしゅう(あるいはぐん)の領域りょういき通過つうかするだけの場合ばあいには、そのさだ自体じたい憲法けんぽう違反いはんにあたるとかんがえられる。

たとえば、アリゾナしゅう北東ほくとうからニューメキシコしゅうにまたがるフォー・コーナーズ沙漠さばく地帯ちたいに、一定いってい自治じちけん保有ほゆうした「ナバホ・ネイション(Navajo Nation)」として、アメリカ最大さいだい保留ほりゅう(Reservation)を領有りょうゆうしているナバホぞくは、ひさしく酒類しゅるい禁止きんししてきた。アムトラック以前いぜんの、アッチソン・トピカ・アンド・サンタフェ鉄道てつどうスーパー・チーフ運行うんこうしていたころ、ナバホの領域りょういき通過つうかするさいには、列車れっしゃのバーはじられたが、酒類しゅるい列車れっしゃまれたままであった。

製造せいぞう

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ぐんによっては禁酒きんしゅほう以前いぜん創業そうぎょうした業者ぎょうしゃ配慮はいりょ製造せいぞうみとめていることもある。

ジャックダニエル本社ほんしゃ蒸留じょうりゅうしょがあるテネシーしゅうムーアぐん販売はんばい禁止きんしされているため、蒸留じょうりゅうしょ見学けんがくツアーで試飲しいんができない。ただしテネシー州法しゅうほう例外れいがい規定きていとして、併設へいせつされた売店ばいてんでは、ツアーに参加さんかした観光かんこうきゃくけとして少量しょうりょう販売はんばいみとめられている。

ひろがり

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2004ねん全米ぜんべい酒類しゅるい規制きせい協会きょうかいNational Alcoholic Beverage Control Association)がおこなった調査ちょうさによれば、酒類しゅるいへの規制きせいおこなっている「ドライ」な自治体じちたいは、合衆国がっしゅうこく全土ぜんどに500以上いじょうあり、そのうち83はアラスカしゅうにある。ミシシッピしゅうでは、しゅうないぐん半数はんすうほどが禁酒きんしゅぐんである。どうしゅう酒類しゅるい関連かんれんほうはいずれも複雑ふくざつ内容ないようになっている。フロリダしゅうでは、67ぐんのうち4ぐん禁酒きんしゅぐんであり[3]、そのいずれもが、ディープサウス(ふか南部なんぶ文化ぶんかてきむすびつきのつよい、フロリダしゅう北部ほくぶ位置いちしている。フロリダしゅう禁酒きんしゅぐんかず最近さいきんまで5ぐんであったが、2011ねん8がつ16にち住民じゅうみん投票とうひょうによってスワニーぐんSuwannee County)が禁酒きんしゅぐんから離脱りだつした。この投票とうひょう結果けっかは、酒類しゅるい販売はんばい解禁かいきん賛成さんせい7489ひょう反対はんたい3612ひょう、また、販売はんばい単位たんいについては、単品たんぴん販売はんばいとするもの7576ひょう、パッケージでの販売はんばいのみとするもの2079ひょうであった[4]

批判ひはん

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酒類しゅるい販売はんばい禁止きんしは、実際じっさいには治安ちあん悪化あっかまねく。禁酒きんしゅぐんでは、飲酒いんしゅかかわる交通こうつう事故じこ比率ひりつが、そうではないぐんよりもたかいという研究けんきゅう結果けっかている。ケンタッキーしゅうでの研究けんきゅうによると、禁酒きんしゅぐん住民じゅうみんは、飲酒いんしゅするためには、自宅じたくからとおいところまで自動車じどうしゃかけなければならず、運転うんてん能力のうりょくそこなわれた状態じょうたいでの飲酒いんしゅ運転うんてん危険きけんながくさらされる[5]

アーカンソーしゅうでの研究けんきゅうによると、禁酒きんしゅぐんとそうではないぐんはしばしば隣接りんせつしており、酒類しゅるい販売はんばいてんは、ぐんさかいえてすぐの場所ばしょ立地りっちしていることがおおく、なかにはぐんさかいめんしているものもあるという[6]同様どうよう現象げんしょう指摘してきする研究けんきゅうしゃはほかにもいる。Winn and Giacopassi (1993) は、酒類しゅるい販売はんばい規制きせいのない「ウェット」なぐん住民じゅうみんは「自宅じたく飲酒いんしゅできる施設しせつあいだ移動いどう距離きょりがよりみじかい」とべている[7]。Schulte et al. (1993) は、禁酒きんしゅぐんにおいて「個人こじんは、アルコールの影響えいきょうでよりなが距離きょり飲酒いんしゅ運転うんてんし、衝突しょうとつ事故じこ危険きけんしている」と結論けつろんづけている[5]

出典しゅってん脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 出典しゅってん記事きじen:List of dry communities by U.S. stateもとづく
  2. ^ 日本語にほんごばん奢侈しゃし禁止きんしれい」には関連かんれんする記述きじゅつはない。
  3. ^ Karen Voyles (2011ねん6がつ22にち). “Should Suwannee County remain dry? Voters will decide”. GatorSports (the Gainesville Sun). http://www.gatorsports.com/article/20110622/ARTICLES/110629855/1183/frontpage? 2011ねん7がつ6にち閲覧えつらん 
  4. ^ “The Suwannee Democrat — Suwannee Votes Wet”. Suwannee Democrat. (2011ねん8がつ16にち). http://SuwanneeDemocrat.com/suwannee/x1942923799/SUWANNEE-VOTES-WET 2011ねん8がつ16にち閲覧えつらん 
  5. ^ a b Schulte, Gary S.L.; Aultman-Hall, L., McCourt, M, & Stamatiadis, N. (1993). “Consideration of driver home county prohibition and alcohol-related vehicle crashes”. Accident Analysis & Prevention 35 (5): 641–648. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12850064?dopt=Abstract 2011ねん10がつ1にち閲覧えつらん. 
  6. ^ Combs, H. Jason (2005). “The wet-dry issue in Arkansas”. The Pennsylvania Geographer 43 (2): 66–94. 
  7. ^ Winn, Russell; Giacopassi, David (1993). “Effects of county-level alcohol prohibition on motor vehicle accidents”. Social Science Quarterly (74): 783–792. 

関連かんれん項目こうもく

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