笠井 叡
概要
[ 1943
1979
1971
2005
ダンス思想
[- 「
舞踏 」はジャンルや様式 ではなく、むしろ「身体 に向 かう態度 」であり、「ようするに、舞踏 というのは意識 を変容 させるものであって、形 をつくるものではない」、たとえばニジンスキーは「牧神 の午後 」以降 は「舞踏 」であり、それ以前 はバレエであったと語 る(『土方 巽 の舞踏 』慶應義塾大学 出版 会 、62ページ)。
エピソード、伝説
[本人 いわく「ダンスを始 めたのは、18歳 のとき人 から薦 められたから」(笠井 本人 からのきき)- 1970
年代 に行 われた「ソドムの120日 」という公演 で、弟子 の山崎 広太 が師匠 である笠井 を食 う演技 をみせた。ドイツ留学 は、山崎 の力量 にショックを受 けたため、という噂 がある(広 く知 られた噂 。複数 の舞踏 関係 者 から聴取 )。 - よく
似 た背格好 の女性 ダンサー二 人 を起用 した作品 を好 んで作 る(初期 天使 館 メンバーからのきき)。 自宅 の池 を埋 め立 てて「天使 館 」を建 てた。(笠井 本人 からのきき)- ドイツ
語 は堪能 だが、英語 はほとんど話 せない。(笠井 本人 からのきき) 長男 ・笠井 爾 示 (写真 家 ),次男 はオイリュトミスト笠井 禮 示 (笠井 禮 示 オイリュトミー)、三男 はコンテンポラリー・ダンサー笠井 瑞 丈 である。詩人 吉岡 実 は笠井 叡 のファンのひとりであった。俳人 加藤 郁 乎、フランス文学 者 澁澤 龍彦 と親交 があった。- はじめて
土方 巽 の踊 りをみたのは、1963年 4月 の堂本 正樹 演出 リサイタル「降 霊 館 死 学 」(於草月 会館 ホール)においてで、非常 な感銘 を受 けたという。 - 「
花粉 革命 」のポストパフォーマンストークには、漫画 家 の萩尾 望都 が参加 した。 - 「
舞踏 界 のニジンスキー」と呼 ばれた(広 く知 られた事実 。公演 チラシなどにしばしばこう書 かれている)。 - 「
舞踊 」との違 いを表 すための言葉 を求 めていた笠井 叡 は、「垂直 的 なイメージ」がある「舞踏 」という言葉 を、処女 公演 で使用 した。当時 、土方 巽 は「暗黒 舞踊 」と称 しており、笠井 の発案 を受 けて、採用 されたといわれる。(『土方 巽 の舞踏 』前掲 書 ,p.60) 詩人 鷲巣 繁男 は「天使 論 」執筆 に協力 している。宗教 学者 鎌田 東 二 は、「天使 論 」に影響 を受 けた。リュウジとトウジ往復 書簡 2003年 3月 17日 付 書簡
上演 履歴
[- 1963
年 10月 「犠儀」朝日 講堂 、共演 :大野 一雄 - 1964
年 5月 「花 」都市 センターホール - 1965
年 7月 全日本 芸術 舞踊 協会 第 四 回 創作 舞踊 公演 にて「乳母車 」高井 富子 共 作 - 11月
暗黒 舞踏 派 提携 公演 「バラ色 ダンス」出演
- 11月
- 1966
年 7月 暗黒 舞踏 派 解散 公演 「性愛 恩 懲学指南 図絵 ートマト」出演 - 8
月 處女 瑠祭他 瑠「磔刑 聖母 :舞踏 集 第 壱 輯」公演 (共同 振付 :大野 一雄 、土方 巽 、共演 高井 富子 、銀座 ガスホール)
- 8
- 1967
年 5月 「O嬢 の物語 」都市 センターホール- 10月 「
舞踏 への招宴 」第一生命 ホール
- 10月 「
- 1968
年 8月 「稚児 之 草子 」新宿 厚生 年金 会館 小 劇場 - 1969
年 6月 「タンホイザー」厚生 年金 会館 小 劇場 第 一 回 舞踊 批評 家 協会 賞 受賞
- 1971
年 4月 、天使 館 を創立 - 10月 「
丘 の麓 」代々木八幡 青年 座 、客演 :大野 一雄
- 10月 「
- 1972
年 1月 「タンホイザー」厚生 年金 会館 小 劇場 - 8
月 「三 つの秘 儀 のための舞踏 會 」厚生 年金 会館 小 劇場 - 「
天使 論 」上梓 (編集 担当 :川 仁 宏 )
- 8
- 1973
年 6月 -9月 「七 つの封印 」赤坂 国際 芸術 家 センター - 1974
年 7月 「天照大御神 への鎮魂 の舞 ひ」赤坂 国際 芸術 家 センター- 10月 「
伝授 の門 ─現代 における秘 儀 とは何 か」法政大学 学生 会館 大 ホール - 11月 「
幻想 庭園 」天使 館 舞踏 公演 (早稲田大学 本部 構内 )
- 10月 「
- 1975
年 3月 「黄泉 比良 坂 」目黒 公会堂 - 1976
年 1月 「月讀 蛭子 」独 舞踏 公演 、第一生命 ホール- 3月 「トリスタンとイゾルデ」
独 舞踏 公演 、九段会館 ホール - 9月 「
個 的 秘 儀 としての聖霊 舞踏 のためにI」独 舞踏 公演 、第一生命 ホール - 12月 「
物質 の未来 」独 舞踏 公演 、第一生命 ホール 第 8回 舞踊 批評 家 協会 賞 受賞
- 3月 「トリスタンとイゾルデ」
- 1977
年 4月 「化学 の劇場 -竜 の姿 をした愛欲 の母 なるティアマット」独 舞踏 公演 、朝日生命 ホール- 5月 「
個 的 秘 儀 としての聖霊 舞踏 のためにII」独 舞踏 公演 、道新 ホール - 7
月 「化学 の劇場 -冥 王 の妃 ティアマット」独 舞踏 公演 、朝日生命 ホール
- 5月 「
- 1978
年 1-2月「エーテル宇宙 誌 のための天使 館 における連続 公演 :土星 期 」天使 館 - 2-3月 「エーテル
宇宙 誌 のための天使 館 における連続 公演 :太陽 期 」天使 館 - 3-4
月 「エーテル宇宙 誌 のための天使 館 における連続 公演 :月 期 」天使 館 - 5月 「エーテル
宇宙 誌 のための天使 館 における連続 公演 :地球 期 <内面 の旅 >」天使 館 - 6
月 「エーテル宇宙 誌 のための天使 館 における連続 公演 :木星 期 」天使 館 - 7
月 「エーテル宇宙 誌 のための天使 館 における連続 公演 :金星 期 」天使 館 - 8
月 「エーテル宇宙 誌 ・第 七 期 消滅 期 」「七 惑星 の記憶 と黄道 十二宮 を巡 る舞踏 スンダラ」朝日生命 ホール - 10月 「
天使 館 薔薇 十 字 舞踏 展 」天使 館
- 2-3月 「エーテル
- 1979
年 1月 「悲惨 物語 」第一生命 ホール- 3月 「ソドム
百 二 十 日 」第一生命 ホール - 5月 「
死 美人 -エドガー・アラン・ポーに寄 せて」第一生命 ホール - ドイツ
留学
- 3月 「ソドム
- 1985
年 帰国 、オイリュトミーの普及 活動 に従事 - 1994
年 1月 「セラフィータ―鏡 の性器 を持 つ私 の女 」発表 。15年 ぶりの舞踏 公演 となる。- 6
月 「三島 由紀夫 の修羅 」
- 6
- 1995
年 、サンフランシスコ公演 、韓国 ソウル公演 - 5月 「
夢 の遠近 法 」 - 7
月 、「我 が黙示録 」湘南台 文化 センター市民 シアター
- 5月 「
- 1996
年 、北米 ・南米 ツアー - 1997
年 「人 は肉体 をたずさえて死者 の世界 へおもむくか?」サンフランシスコ- 「カサイキサヌキカンパニー」
木佐貫 邦子 とのコラボレーション
- 「カサイキサヌキカンパニー」
- 1998
年 「Exusiai」サンフランシスコ、「Tenkyu」ローマ公演 - 1999
年 「青空 」演出 ・振付 - 「Yes,No,Yes,No」
木佐貫 邦子 とのコラボレーション
- 「Yes,No,Yes,No」
- 2000
年 「白鳥 の湖 」振付 - 「Tintura 2」シカゴコロンビアカレッジ
- 2001
年 「Spinning Spiral Shaking Strobo」出演 笠井 叡 、木佐貫 邦子 、近藤 良平 、安藤 洋子 、上村 なおか- 「
花粉 革命 」発表 。この作品 がきっかけとなり、北米 をはじめ海外 公演 を行 うことになった。
- 「
- 2002
年 8月 21日 、JADE土方 メモリアル「病 める舞姫 」において、大野 一雄 と40年 ぶりのデュオ- 12月、
伊藤 キムとのデュオ「銀河 計画 」公演
- 12月、
- 2003
年 、「いとしいジャンポール」公演 、「nobody Eve」振付 - 2004
年 3月 、大野 慶 人 とのデュオ「め」公演 - 2006
年 、日 独 共同 制作 「蜃気楼 」振付 音楽家 高橋 悠 治 とのデュオ「透明 迷宮 」公演
- 2007
年 1月 、大野 一雄 百 歳 の年 ガラ公演 「百花 撩乱 」出演
著書
[- 「
天使 論 」1972年 、現代 思潮 社 - 「
聖霊 舞踏 」1977年 、現代 思潮 社 - 「
神 々の黄昏 」1979年 、現代 思潮 社 - 「ダンス・ドゥーブル」
写真 家 笠井 爾 示 (ちかし)との共著 、オシリス - 「
銀河 革命 」写真 集 、2004年 、現代 思潮 社 、ASIN 4329004364 - 「
未来 の舞踊 」2005年 、ダンスワーク舎 - 「
私 の読書 遍歴 」『文学 界 』2005年 7月 号 、文藝春秋 - 「カラダという
書物 (Le livre de luciole)」2011年 、書肆 山田 - 「カラダと
生命 ―超 時代 ダンス論 」2016年 、書肆 山田 - 「
金 鱗 の鰓 を取 り置 く術 」2017年 、現代 思潮 新 社
脚注
[注釈
[出典
[参考 文献
[- 『
土方 巽 の舞踏 』慶應義塾大学 出版 会 - 『
夜 想 』9号 、特集 「暗黒 舞踏 」、ペヨトル工房 刊 加藤 郁 乎『後方 見聞 録 』学研 M文庫 今野 裕一 『天使 のいない夜 』青 弓 社 ,1995年 , ISBN 978-4-7872-7045-0
関連 項目
[大野 一雄 江口 隆哉 宮 操子 土方 巽 吉岡 実 澁澤 龍彦 加藤 郁 乎鷲巣 繁男 岡本 章 神領 國 資 杉田 丈 作 武井 よしみち田山 明子 原田 伸雄 堀内 博子 山田 せつ子 山崎 広太 萩尾 望都 - ルドルフ・シュタイナー
- ゲオルギイ・グルジエフ
高橋 巖 鎌田 東 二 木佐貫 邦子 近藤 良平 安藤 洋子 上村 なおか