編曲へんきょく

編曲へんきょく（へんきょく、英語えいご: arrangement）とは、オリジナルの楽曲がっきょくを別べつの編成へんせいのために作つくり変かえることである。別べつのジャンルに作つくり変かえることも編曲へんきょくとして認みとめられる。

狭義きょうぎの編曲へんきょく

クラシックにおいては、作曲さっきょく者しゃが同時どうじに編曲へんきょく（オーケストレーションなど）を行おこなうことがほとんどである。商用しょうよう音楽おんがくでは作曲さっきょく者しゃと編曲へんきょく者しゃが別べつの場合ばあいが多おおい。演奏えんそう形態けいたいの変更へんこうのために行おこなうことをのみ編曲へんきょくと言いうのはクラシックの場合ばあいである。したがって、商用しょうよう音楽おんがくでは作曲さっきょくと編曲へんきょくが同どう一人物いちじんぶつである場合ばあいも「作曲さっきょく・編曲へんきょく」という表記ひょうきでその旨むねを明示めいじする場合ばあいが多おおい（クラシックでは同どう一いち人にんであることが前提ぜんていなので「作曲さっきょく」としか記しるされない）。旋律せんりつに和声わせいとリズムを施ほどこし演奏えんそうすることを可能かのうな状態じょうたいにすることでも編曲へんきょくとみなされることがポピュラー音楽おんがく業界ぎょうかいでは当あたり前まえであった。

編曲へんきょくの目的もくてき

編曲へんきょくは目的もくてきによって大おおきく分類ぶんるいすることができる。

• 原曲げんきょくの指定していと異ことなる楽器がっき編成へんせいで演奏えんそうするため。
• 原曲げんきょくと異ことなるジャンルやスタイルで演奏えんそうするため。
• 演奏えんそう者しゃが独自どくじ色しょくを出だすため、また他たの必要ひつようからの大おおまかな修正しゅうせい（ヘッドアレンジ）。
• 未み完成かんせいの原曲げんきょくを完成かんせいさせるため。

編曲へんきょくの著作ちょさく権けん法ほう上じょうの地位ちい

楽曲がっきょくを編曲へんきょくする権利けんり（翻案ほんあん権けん）は著作ちょさく者しゃ（作詞さくし家か・作曲さっきょく家か）が専有せんゆうしており（著作ちょさく権けん法ほう27条じょう）、著作ちょさく者しゃは自身じしんの意いに反はんする改変かいへんを禁きんじる権利けんり（同一どういつ性せい保持ほじ権けん）を有ゆうする（著作ちょさく権けん法ほう20条じょう）。そのため、編曲へんきょくを行おこなう際さいには著作ちょさく者しゃの許諾きょだくが必要ひつようであり、無断むだんで楽曲がっきょくを編曲へんきょくしたり、著作ちょさく者しゃの意いに反はんする改変かいへんを加くわえた場合ばあいには著作ちょさく権けん侵害しんがいとなる。

編曲へんきょくされた楽曲がっきょく（二に次じ的てき著作ちょさく物ぶつ）の編曲へんきょくに関かんしては、編曲へんきょく家かにも著作ちょさく権けんが認みとめられるが、楽曲がっきょくの著作ちょさく者しゃである作詞さくし家か・作曲さっきょく家かにも当該とうがい編曲へんきょくに関かんする著作ちょさく権けんが発生はっせいする（著作ちょさく権けん法ほう28条じょう）。そのため、編曲へんきょくされた楽曲がっきょくを営利えいり目的もくてきで利用りようする際さいには、原曲げんきょくの著作ちょさく者しゃとの間あいだに許諾きょだく、契約けいやくが必要ひつようであり、無断むだんで楽曲がっきょくを利用りようした場合ばあいには著作ちょさく権けん侵害しんがいとなる。

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