群青ぐんじょうシネマ

群青ぐんじょうシネマ
漫画まんが
作者さくしゃ	都と戸ど利とぎ津つ
出版しゅっぱん社しゃ	白泉社はくせんしゃ
掲載けいさい誌し	別冊べっさつ花はなとゆめ
レーベル	花はなとゆめコミックス
発表はっぴょう号ごう	2009年ねん8月がつ号ごう - 2010年ねん6月がつ号ごう
発表はっぴょう期間きかん	2009年ねん6月がつ - 2010年ねん4月がつ
巻数かんすう	全ぜん2巻かん
話はなし数すう	全ぜん9話わ
テンプレート - ノート
プロジェクト	漫画まんが
ポータル	漫画まんが

『群青ぐんじょうシネマ』（ぐんじょうシネマ、英えい題だい：Last Summer Cinema）は都と戸ど利とぎ津つによる日本にっぽんの漫画まんが作品さくひん。『別冊べっさつ花はなとゆめ』（白泉社はくせんしゃ）にて、2009年ねん8月がつ号ごうから2010年ねん6月がつ号ごうにかけて連載れんさいされた。全ぜん9話わ。コミックスは同社どうしゃの花はなとゆめコミックスレーベルより全ぜん2巻かん。

あらすじ

1961年ねん夏なつ。四国しこくの瀬戸内せとうち地方ちほうにある全寮ぜんりょう制せいの男子だんし高だかのイタズラ3人組にんぐみの朝日あさひ・たまき・京きょう一郎いちろうは、東京とうきょうの大学だいがくの研究けんきゅう室しつへ行いってしまった恩師おんしの水野みずのを驚おどろかせようと、8ミリカメラによる映画えいがの自主じしゅ制作せいさくを思おもいつく。失敗しっぱいを繰くり返かえしながらも懸命けんめいに取とり組くむ3人にん。だが、3人にんの絆きずなに暗雲あんうんが立たちこめ始はじめる。

主おもな登場とうじょう人物じんぶつ

栄さかえ 朝日あさひ（さかえ あさひ）

主人公しゅじんこうの一人ひとり。実家じっかは和菓子わがし屋や。イタズラ好すきだがまっすぐな性格せいかくで、京きょう一郎いちろう曰いわく「公正こうせいな奴やつ」。

映画えいが製作せいさくを提案ていあんした。映画えいが内ないでは「失明しつめいした軍人ぐんじん」を演えんじる。

里見さとみ たまき（さとみ たまき）

主人公しゅじんこうの一人ひとり。母親ははおやはイギリスを拠点きょてんに活躍かつやくする声楽せいがく家か。通常つうじょうは引ひっ込こみ思案じあんだが、気きを許ゆるした相手あいてには毒舌どくぜつのため「サド見み」の異名いみょうを持もつ。

汐しおに好意こういを寄よせており、その想おもいを昇華しょうかした小説しょうせつ「夏なつ日びの堰せき」が賞しょうをとり雑誌ざっしに掲載けいさいされる。映画えいが製作せいさくに当あたっては、小説しょうせつを脚本きゃくほんに直なおす一方いっぽう、「少年しょうねん」役やくを演えんじる。

弥わたる方かた 京きょう一郎いちろう（やかた きょういちろう）

主人公しゅじんこうの一人ひとり。大会たいかい社しゃの社長しゃちょうの息子むすこ。父親ちちおやが会社かいしゃを大おおきくする際さいにあくどい手口てぐちも使つかったことについては反発はんぱつをおぼえるものの、それによって戦後せんごの物もののない時代じだいに苦労くろうをせずにすんだという自覚じかくがあり、汐しおとの結婚けっこんも含ふくめて家いえを継つぐべきだと考かんがえている。

映画えいが製作せいさくにおいては撮影さつえい係がかりをつとめる。必要ひつような機材きざいの購入こうにゅうに当あたってこっそりと出資しゅっししていた。

栄さかえ 月子げっし（さかえ つきこ）

朝日あさひの妹いもうと。映画えいがの制作せいさくを手伝てつだう。

羽はね智さとし 汐しお（はち うしお）

京きょう一郎いちろうの婚約こんやく者しゃで、朝日あさひの実家じっかのお得意とくいさん。映画えいがの制作せいさくを応援おうえんする。

水野みずの 小太郎こたろう（みずの こたろう）

朝日あさひたちの元もと担任たんにん教諭きょうゆで、現在げんざいは東京とうきょうの大学だいがくの研究けんきゅう室しつ勤務きんむ。ユーモアたっぷりで、朝日あさひたちを上回うわまわるイタズラをやってみせる。

教おしえは「今いまをもっと楽たのしみなさい」。

作風さくふう

本ほん作さくには1980年代ねんだいの白泉社はくせんしゃ少女しょうじょ漫画まんがらしい雰囲気ふんいきがあり、登場とうじょう人物じんぶつたちの意図いとと違ちがった意外いがいな評価ひょうかが描えがかれた「男子だんしが主人公しゅじんこうの、ピュア少女しょうじょマンガ」である。白泉社はくせんしゃ系けいの少女しょうじょ漫画まんが作品さくひんでは男子だんしの主人公しゅじんこうが多おおく見みられるが、「性せいと暴力ぼうりょく」の生々なまなましい表現ひょうげんや「勝利しょうり」を重要じゅうよう視ししない傾向けいこうがあり、本ほん作さくもそれに当あてはまり、描えがかれていない。

四国しこく地方ちほうが舞台ぶたいとなっているが、作者さくしゃの都と戸どによると「8ミリの説明せつめいとモノローグを方言ほうげんでやると読よみづらいかも」という理由りゆうにより登場とうじょう人物じんぶつが方言ほうげんを話はなしていない。

書誌しょし情報じょうほう

• 都と戸ど利とぎ津つ 『群青ぐんじょうシネマ』 白泉社はくせんしゃ〈花はなとゆめコミックス〉、全ぜん2巻かん
  1. 2010年ねん1月がつ25日にち初版しょはん発行はっこう（1月がつ19日にち発売はつばい）、ISBN 978-4-592-19091-2
  2. 2010年ねん8月がつ25日にち初版しょはん発行はっこう（8月がつ19日にち発売はつばい）、ISBN 978-4-592-19092-9
     • 読よみ切きり「大町おおまちくんの思おもい出で」（初出しょしゅつ：『別冊べっさつ花はなとゆめ』2005年ねん5月がつ号ごう）を同時どうじ収録しゅうろく