荒川あらかわ家か住宅じゅうたく

荒川あらかわ家か住宅じゅうたく
所在地しょざいち	岐阜ぎふ県けん高山たかやま市し丹生川にゅうかわ町まち大谷おおや141
位置いち	北緯ほくい36度ど10分ふん16.1秒びょう 東経とうけい137度ど20分ふん51.3秒びょう
類型るいけい	農家のうか（名主なぬし・養蚕ようさん）
形式けいしき・構造こうぞう	木造もくぞう、平ひら入いれ切妻きりづま造づくり2階かい建けん（主おも屋や）、榑葺
延のべ床ゆか面積めんせき	345m2
建築けんちく年ねん	主おも屋や:寛政かんせい8年ねん（1794年ねん） 土蔵どぞう:延のべ享とおる4年ねん（1747年ねん）
文化財ぶんかざい	国くにの重要じゅうよう文化財ぶんかざい:昭和しょうわ46年ねん（1971年ねん）12月28日にち指定してい

荒川あらかわ家か住宅じゅうたく（あらかわけじゅうたく）は岐阜ぎふ県けん高山たかやま市し丹生川にゅうかわ町まち大谷おおやにある飛騨ひだ地方ちほう屈指くっしの歴史れきしを有ゆうする古こ民家みんかで、主おも屋やと土蔵どぞうが日本にっぽん国こくにより重要じゅうよう文化財ぶんかざいに指定していされている。

荒川あらかわ家かは金森かなもり長ちょう近ちかの飛彈ひだん入部にゅうぶに従したがって当地とうちに移うつったという旧家きゅうかである。元禄げんろく年間ねんかん以降いこう江戸えど時代じだいを通つうじて大谷おおや村むらとその周辺しゅうへんを束たばねる兼帯けんたい名主なぬしを務つとめた。現在げんざい残のこる荒川あらかわ家か住宅じゅうたくは棟むね札さつや住宅じゅうたくに残のこる資料しりょうから主おも屋やが寛政かんせい8年ねん（1794年ねん）、土蔵どぞうはさらに古ふるい延のべ享とおる4年ねん（1747年ねん）の建造けんぞうで、飛彈ひだん屈指くっしの歴史れきしを誇ほこる。昭和しょうわ46年ねん（1971年ねん）に国くににより重要じゅうよう文化財ぶんかざいに指定していされるが、それ以降いこうも昭和しょうわ58年ねん（1983年ねん）に丹生川にゅうかわ村むらが買かい取とるまで荒川あらかわ家かが所有しょゆうし、住宅じゅうたくとして用もちいられていた。所有しょゆうが丹生川にゅうかわ村むらに移うつった後のち保存ほぞん修復しゅうふく工事こうじを施ほどこされた。丹生川にゅうかわ町まちが合併がっぺいし、高山たかやま市しになった後のちも荒川あらかわ家かの所有しょゆうしていた歴史れきし資料しりょうや生産せいさん用具ようぐ等とうの資料しりょうと共ともに公開こうかいされている。

主おも屋やは榑葺ふき平たいら入いり切妻きりづま造づくりの木造もくぞう2階かい建だてで、桁行けたゆき11間あいだ、梁間はりま8間あいだで面積めんせきは約やく345平米へいべいである。木材もくざいは場所ばしょによって使つかい分わけられ、土台どだいは栗ぐり、柱はしらは桧ひのき、梁はりには松まつが使つかわれている。玄関げんかんは南東なんとうを向むく。農家のうかとして用もちいられ、入口いりくちの土間どまにあたるドージの左側ひだりがわに馬うまを飼育しいくしたマヤを設もうけ、2階かいは仕切しきりを設もうけず養蚕ようさんに使つかわれていた。ドージに面めんした右側みぎがわは居間いまであるオエで囲炉裏いろりを備そなえた板いたの間まであり、ドージの奥おくは同おなじく囲炉裏いろりを持もつ板いたの間まであるダイドコで、さらにその奥おくが流ながし場じょうとなっている。ダイドコの左ひだり、マヤの奥おくにあたるのが作業場さぎょうばのニワである。オエの右手みぎてにナカノマと仏ふつ間あいだ、デエ（出で居きょ）、オクデエと呼よばれる座敷ざしきがあり、寄より合あいが開ひらかれる際さいにはそれらの襖ふすまを外はずして大おおきな部屋へやを確保かくほすることができるようになっている。

参考さんこう文献ぶんけん

• 高山市たかやまし教育きょういく委員いいん会かい 『高山市たかやまし史し 建造けんぞう物ぶつ編へん』 p60-p65 2014年ねん
• 岐阜ぎふ県けん教育きょういく委員いいん会かい『岐阜ぎふ県けん文化財ぶんかざい図録ずろく 第だい1巻かん 有形ゆうけい文化財ぶんかざい(建造けんぞう物ぶつ・彫刻ちょうこく・工芸こうげい品ひん)・伝統でんとう的てき建造けんぞう物ぶつ群ぐん』 1997年ねん